Chernobyl Medical Fund Newsletter (1)


支援者の皆々様へ

 ベラルーシから、ミンスクから、そしてチェルノブイリからこんにちは!!

 お元気で毎日をお過ごしのことと拝察いたしております。日頃から心強いご支援を頂き、衷心より厚く御礼申し上げます。お陰を持ちまして、特別大きな支障もなく、ベラルーシにおいて医療援助活動を続けておりますのでご安心下さい。

 さて、昨年の夏、多くの皆様からの要請を受け、「チェルノブイリ医療基金(チェルノブイリ・メディカル・ファンド)」を開設させて頂くことになりました。もっとも、このような話は、私がミンスクに長期滞在を開始(1996年1月)する頃からありました。しかし、正直のところ、自分自身の基金を持つなどという気持ちは全くありませんでした。その当時は、私の活動の先行きがまだ何も見えておりませんでした。

 さらに、このささやかな支援活動は、あくまでも私個人のはなはだ身勝手な行動で、それほど費用がかさむ大それた作業ではないと考えていました。日本で、私がこれまでに修得した医療専門家としての外科治療技術と知識が、現地で有効に生かされるならば、それで十分ではないかとの思いを強くしていました。そんなわけで、基金開設の件はしばらく様子を見ることにして、私はベラルーシ共和国のミンスクでの生活を始めたのであります。

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 首都ミンスクにあるベラルーシ国立甲状腺ガンセンターにおける私の生活ぶりや、激増する小児甲状腺ガンの実態などについては、これまで多くの報道機関を通じて紹介させてもらってまいりました。また私が一時帰国した際にも、全国各地で現地の様子を報告させて頂いてきました。

 ミンスクでの滞在が1年を経過した頃より、私の医療援助活動の成果も、漸く見え始めてきました。その歩みは遅々としていますが、医療現場での状況が確実に変化してきている兆しがうかがわれ、安堵の念を深く致しました。

 それと同時に、効果的な医療支援の形態や方向性についても、少しずつ把握できるようになってきました。これは、この国に住んでみて初めて理解できたことでもありました。当初危惧していた私の活動の先行きに、ほんのり明かりが灯り始めてきたのであります。

 そこで今回、この小さな医療救援活動の効果をより一層たかめる目的で、思い切って前記のごとき名称の基金を開設させて頂くことになりました。今後ともよろしくご支援下さいますようお願い申しあげます。

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 今年の1月11日、一時帰国しました。そして、チェルノブイリ医療基金への募金金額が日を追うごとに増えていることを知り、びっくり致しました。さらに、帰国の期間中にも、全国の善意に溢れた多くの方々により続々と募金を頂戴し、感謝の念で一杯でございます。

 加えて嬉しいことに、この基金の東京連絡事務所として薬業時報社代表取締役の武田正一郎氏より、事務的業務全般を受け持って下さるとのお申し出を頂き、早速そのご好意に甘えさせて頂くことにしました。

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 本基金のニューズレターを発行することに関しましては、昨年末にミンスクで考え、今回帰国の折、さらに検討を加えました。その結果、原則として年2回(6月・12月)をめどに発行することにしました。

 “ベラルーシの今”を、ありのままのホットなニュースとして、直接現地からお伝えすることを主眼としています。この点だけは、日本のいずれの報道と比べ、最も新鮮であると信じています。産地直送ですから!

 なおこの他に、基金の運営状況や、関連する情報などにつきましても報告させて頂くことにしています。さて、今後どのような形で展開するのか、大変不安ではありますが、とにかく行動を起こすことにします。皆様のご助言やご感想をお待ちしています。



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