これからの薬物相互作用マネジメント~臨床を変えるPISCSの基本と実践~

立ち読み

これからの薬物相互作用マネジメント~臨床を変えるPISCSの基本と実践~

商品コード 45604
編著 監:鈴木 洋史(東京大学医学部附属病院 薬剤部長・教授)
編:大野 能之(東京大学医学部附属病院薬剤部)
  樋坂 章博(東京大学医学部附属病院薬理動態学講座 特任准教授)
判型 A6横判
発行日 2014年2月
ページ 191
定価(税込) ¥2,808
在庫

facebook twitter

カートに入れる

  • 内容
  • 目次
  • 序文
  • 関連商品

内容


新しい薬物相互作用の考え方「PISCS(ピスクス)」のすべてを紹介
この1冊で病棟業務が変わる! 疑義照会が変わる!

 添付文書をただ調べるだけの薬物相互作用マネジメントはもう終わりです。

 本書で紹介するPISCS(Pharmacokinetic Interaction Significance Classification System)は、相互作用による影響の度合いを予測し、リスク評価するための手法です。添付文書では不足している情報を補えるため、これまでより一歩踏み込んだ情報提供や疑義照会が可能になります。
 

 本書では、そのPISCSの考え方と現場での使い方をわかりやすく紹介しています。本書なくしてこれからの薬物相互作用は語れません。

▲ページの先頭へ

目次

第1章 薬物相互作用を予測するPISCS
1 相互作用の基本を知る
2 CYPの阻害による相互作用と予測
3 CYPの誘導による相互作用と予測
4 CYPの活性変動による相互作用の注意喚起システム(PISCS)


第2章 PISCSで実践する薬物相互作用マネジメント
1 スタチン
2 睡眠導入薬
3 免疫抑制薬
4 ワルファリン
5 抗がん剤
6 吸収過程における消化管内での相互作用

補論:薬物相互作用ガイドラインと添付文書の記載
付録:
①スタチン、睡眠導入薬、免疫抑制薬、ワルファリンとCYP阻害薬の相互作用データ集
②スタチン、睡眠導入薬、免疫抑制薬、ワルファリンとCYP誘導薬の相互作用データ集
 

▲ページの先頭へ

序文

【監修のことば】

 添付文書や各種ガイドラインなどは医薬品の適正使用のための基本的かつ重要な情報源であることはいうまでもありません。特に添付文書は薬事法という法的な根拠を有する唯一の医薬品情報源であり,また医療保険や医療訴訟などでの「医療水準の推定根拠」としても用いられる医薬品情報です。しかし,この信頼すべき情報源としての添付文書の記載内容の解釈に困った経験はないでしょうか。例えば,「相互作用の可能性が考えられるため,添付文書を確認したがその組み合わせに関しては記載されていなかった」,「併用注意として記載はされていたが,その程度や具体的な対処は記載されていなかった」などの場合です。このようなときにこそ,薬物動態学や薬力学などの知識をもつ薬剤師が薬学的アプローチから適切に判断して患者個別の薬物療法を支援することが求められます。最新の添付文書やガイドラインがウェブ上でも容易に確認できる環境となった現在,迅速に上記の問題点を評価して適切な情報提供ができないのであれば,薬剤師の存在価値が問われるのではないでしょうか。
本書では,このような添付文書などの相互作用情報を補足するための評価方法であるPISCSの考え方や,その臨床への応用の実際について具体例をあげながら紹介します。本書が読者の皆様の「+α」の処方支援の助けになれば幸いです。

東京大学医学部附属病院 薬剤部長・教授
鈴木 洋史

 

【はじめに】

 基礎と臨床の距離,研究と実務の距離は決して近くはないと思います。しかし,そこには連続性があり,PharmacistもScientistもそのことを認識して,つながりをもとうとする,理解をしようとする姿勢が大事なのではないかと思います。その姿勢がPharmacist-Scientistであり,程度の差はあっても,医療現場におけるPharmacistの誰にでも求められる概念ではないかと感じています。そのように考える大きなきっかけになったのは,薬物相互作用の解析とマネジメントに関する研究です。

相互作用情報の現状の問題
薬物相互作用のリスク評価は適切な薬物療法のために不可欠ですが,医療現場におけるその実践は容易ではありません。例えば,わが国で使用されている薬は約3,000成分であり,1,000成分程度はシトクロムP450(CYP)による代謝を受ける薬と推定されます。一方,CYPを阻害あるいは誘導する薬は100成分程度あると推定され,その組み合わせから10万程度もの併用の組み合わせが考えられます。しかし,このような膨大な薬から顕著な相互作用を引き起こす組み合わせを記憶して,すべての注意喚起を図ることは現実的には不可能です。さらに,医療現場においては添付文書の記載が重要視されますが,添付文書では適切に注意喚起できていない相互作用も少なくありません。このような現状のなかで,個々の患者に対してさまざまな薬剤が併用されるため,たとえ報告がない,あるいは添付文書に記載されていない組み合わせでも,速やかに適切にリスク評価を行うことが求められます。

相互作用による血中濃度変化の網羅的な定量的予測
そこで私たちは,CYPを介する薬物相互作用について,簡便でありながら多くの薬剤の組み合わせについて血中濃度の変化を予測する方法を開発しました。これは,各CYP分子種の典型的な阻害薬あるいは誘導薬と基質薬を併用した一部の臨床試験の血中濃度変化から,各CYP分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率(CR),阻害薬の阻害率(IR)あるいは誘導薬によるクリアランス増加(IC)を算出することによって,多数の薬物相互作用による基質薬のAUC変化率を網羅的に予測するものです(Ohno Y, et al : Clin Pharmacokinet, 46 : 681-696, 2007,Ohno Y, et al : Clin Pharmacokinet,47 : 669-680, 2008)。

Scienceに基づいた注意喚起(PISCS)とマネジメント支援
さらに,この予測方法をもとに,薬物相互作用の強さの予測を臨床的なリスク評価の設定に応用するための実用的なフレームワーク(Pharmacokinetic Drug Interaction Significance Classification System;PISCS)を構築しました(Hisaka A, et al : Clin Pharmacokinet, 48 : 653-666, 2009)。
このようなCRやIRなどの強度で分類した薬物間相互作用の強さのフレームワークを利用することにより,臨床試験が行われていない相互作用も含めて,理論的かつ網羅的に薬物相互作用のリスク評価ができる可能性が示されました。ただし,臨床でのマネジメントは一つのScienceだけに基づくのではなく,多面的な視点で判断することが大事なことは誤解のないように補足させていただきます。

これからの薬剤師
薬剤師は医療のなかで特に薬物療法に関する問題点について薬学的に考え,主体的に関わることで,より良い医療に貢献することが大事であると考えています。そのためには,医療現場におけるPharmacist-Scientistとしての役割が重要と思います。本書がPharmacist-Scientistとして医療現場における薬物相互作用の問題に関わるための一助となれば幸いです。

東京大学医学部附属病院薬剤部
大野 能之
 

▲ページの先頭へ


関連商品

  • 改訂総合2版 疾患別設問式 薬剤師に必要な患者ケアの知識
  • さあ はじめよう!がん患者サポート
  • 腎臓病薬物療法ベーシック
  • 薬局・薬剤師のための 在宅緩和ケアスタートアップガイド
  • 感染症学・抗菌薬治療テキスト
  • 薬局・薬剤師のための抗菌薬攻略ガイド
  • 感染対策実践マニュアル 第3版
  • 極める!副作用モニタリング
  • 感染症非専門医・薬剤師のための 感染症コンサルテーション
  • 抗菌薬おさらい帳
  • 抗菌薬耐性対策サーベイランス必読ガイド

▲ページの先頭へ