がん患者の精神症状はこう診る 向精神薬はこう使う

立ち読み

がん患者の精神症状はこう診る 向精神薬はこう使う

商品コード 47370
編著 【編集】
上村 恵一(市立札幌病院精神医療センター)
小川 朝生(国立がん研究センター東病院精神腫瘍科)
谷向 仁 (京都大学医学部附属病院緩和ケアセンター/緩和医療科)
船橋 英樹(宮崎大学医学部附属病院精神科)
判型 A5判
発行日 2015年7月
ページ 436頁
定価(税込) ¥4,104
在庫

facebook twitter

カートに入れる

  • 内容
  • 目次
  • 書評
  • 序文
  • 関連商品

内容

がん患者の  うつ・不眠・せん妄・認知症・てんかん に出会ったら!?
明日から使えるこんな本がほしかった!

  ①がん患者の多くにあらわれる精神症状を、精神腫瘍医がどうアセスメントし、どう考えて処方しているかがわかる症状編、②向精神薬の特徴や注意点、副作用と効果のバランスを解説した薬剤編、③具体的なエピソードをもとに処方意図、エンドポイントを解説した実践的なケーススタディ編、④薬剤情報(個別の医薬品の特徴について解説)で構成。専門医の症状の見極め・薬剤選択の思考プロセスがわかる実用的な書籍。

 
<本書の特長>
●がん患者の精神症状に対しては、チーム医療が欠かせない!
 医師・薬剤師・看護師がそれぞれ、どう理解し、どう動けばよいかが、「ポイント」「アプローチ」をみればわかります。
●25のケースで対処方法がわかる!
 よくあるケース、まれではあるが知っておきたいケースなどを取り上げ、精神腫瘍医がわかりやすく解説!
 

▲ページの先頭へ

目次

第1章 がん患者の精神症状に関わろう
1.がん患者の精神症状のアセスメントの現状と課題
2.チーム医療と包括的アセスメント
2-1 チームとしてどうアセスメントするか
2-2 薬剤師はどのように関わるか
2-3 看護師はどのように関わるか

第2章 症状を見極めよう
1.うつ病・適応障害
2.不 眠
3.せん妄
4.認知症
5.てんかん・けいれん

第3章 薬を使いこなそう
1.抗うつ薬
2.抗不安薬
3.睡眠薬
4.抗精神病薬
5.抗てんかん薬

第4章 ケーススタディで実践力をみがこう
・抑うつに関連したケース
Case 1 うつ病とアカシジアが合併したら?
Case 2 痛み止めは効かない? 神経障害性疼痛を伴ううつ病にはどう対応する?
Case 3 最近,元気がない。うつ病の悪化では?
Case 4 何をやっても眠れない! 死にたい…と絶望的な患者にどう対応する?

・不眠に関連したケース
Case 5 終末期の不眠にはどう対応する?
Case 6 睡眠薬が効かず不眠を訴える患者 いびきをかいて“眠って”いる?!
Case 7 ベンゾジアゼピン系睡眠薬を減らしていくには?
Case 8 患者さんが睡眠薬を飲みたがります…
Case 9 夜間,子どもがなかなか眠れない様子です…

・せん妄に関連したケース
Case 10 夜中に患者が怒鳴りだした! 過活動型せん妄への対処法は?
Case 11 低活動型せん妄に対する抗精神病薬の過鎮静に注意!

・怒りと否認のケース
Case 12 怒りの事例にはどう対応する?
Case 13 オピオイドを飲んでくれない!

・病態の鑑別が重要なケース
Case 14 吐き気止めの効果がない?
Case 15 気分障害とせん妄の見極めは?
Case 16 せん妄と認知症との見極めは?
Case 17 入院中にアルコール離脱症状が出現したら?
Case 18 一日中ずっとだるい… その原因は?

・向精神薬の副作用で注意すべきケース
Case 19 抗不安薬を飲んで興奮! もしかしてせん妄かも…
Case 20 錐体外路症状の発現にどう対処する?
Case 21 手術を控え,向精神薬はどうすべき? ―減量? 中止? 再開は?
Case 22 向精神薬の依存? 離脱症状を起こさないためには?
Case 23 アカシジアかも… でも精神科医が不在で困った!

・特殊な身体的状態を伴ったがん患者のケース
Case 24 脳転移によるてんかん発作にどう対応する?
Case 25 妊娠中のがん患者が不安を訴えたら?

●薬剤情報
●付録:精神症状を引き起こしやすい薬剤一覧表

▲ページの先頭へ

書評

山本 亮 先生(佐久総合病院佐久医療センター緩和ケア内科 部長)

 「これって精神的な問題だよね」と精神症状であることはわかっても、それ以上の鑑別を進めていなかったり、向精神薬を処方したりすることを躊躇してしまう人は多いのではないだろうか? 私も含めてそういった人にお勧めしたい一冊が出版された。
 精神症状のポイントや向精神薬の特徴・使い方が、まるでサイコオンコロジーの専門家から直接レクチャーを受けているような読みやすい文章でまとめられ、まさに痒いところに手が届くような内容の本である。
 特に第3章では、抗うつ薬や睡眠薬、抗精神病薬を具体的に使い分ける方法やそのポイントがまとめられている。薬剤が羅列してある本は数多くあるが、どんな状況のときに、どの薬を選ぶのがよいかを具体的に解説してくれる本はほとんどない。先輩医師が使用しているのを見たり、製薬企業の医療情報担当者からの情報をもとに、漠然と薬剤を選択したりしていたのが、ここを読むことで明確な意図をもって処方できるようになる。
 さらに第4章では、代表的なケースに対するアセスメントと対処方法が述べられている。「患者が睡眠薬を飲みたがる」など、がん患者でなくとも日常診療でよくみられるケースへの対処方法が、患者や家族への説明の例も含めて詳しく記載されており、明日からの臨床にすぐ還元することができる。
 がん患者に日々接している医療者(医師以外も!)はもちろん、そうでない人にとっても、精神症状とその対処方法について知ることのできるお勧めの一冊である。


石渡 明子 先生(小樽病院看護部 緩和ケア認定看護師)

 「がん」と共に生きていく患者とがん患者をみる私たちにとって、こころの問題は言うまでもなく、非常に重要です。しかし、多くの現場では精神腫瘍学を専門にする医師がいない環境で、こころの問題があるのでは? と気がつくものの、自信がないままアセスメントを行い、向精神薬を使用し、評価をしているため、本当にこれでいいのだろうかと悩んでいるのが現状ではないでしょうか。本書は、がん患者に生じることの多い精神症状について、症状の診立て、見極め、薬剤の使用方法、ケーススタディの4つの構成からわかりやすく解説され、チーム医療の構成メンバーである、医師、薬剤師、看護師それぞれが押さえるべきポイント、アプローチ法について項目ごとに明確にされています。さらに、鑑別が難しい症例の見極め、注意するべき症例、実際に遭遇する場面を想定した患者や家族への説明例、処方例なども掲載されています。このように、この著書の最大の特徴は、実臨床に即し、とにかく「具体的」で、精神腫瘍学の専門家がいない現場でも、それぞれの専門職が明日から行動できる内容となっていることです。医師だけではなく私たち看護師も、悩んだとき開いてみると、答えがみつかる一冊であると思います。今後がん患者をみる私たち医療者にとって、精神症状に対応するためのバイブルになることは間違いありません。また、何よりも、こころの問題に苦しむ患者を助けることにつながる一冊です。


加賀谷 肇 先生(明治薬科大学臨床薬剤学教室 教授)

 がん医療において、精神腫瘍学(サイコオンコロジー)領域はサイコオンコロジストにお任せで、医師も含め多職種が理解は必要と思いつつも、精神腫瘍医のいない施設では非専門医の下でチーム医療が進められているのが実情と思う。
 この度上梓された本書を手にして一番感じたことは、“こんな本が以前からあったならば”という思いであった。
 本書は、医師を含めそれぞれのメディカルスタッフの「こころのつらさ」に関わる立ち位置、および何をしなければならかが明確に示され、患者のこころの問題に少し踏み込める勇気を湧かせる。
 第1章では、がん患者の精神症状に対するアセスメントの重要性が示され、非専門医や看護師、薬剤師にも、患者が「つらい」と訴えたときの進め方が図示されているので理解しやすい。第2章では、さまざまな精神症状をもとにアセスメント、処方意図、症状の見極め方が解説されている。第3章では向精神薬の特徴や注意点と、副作用と効果のバランスの考え方が示されているのでわかりやすい。第4章では25の具体的エピソードをもとに、ケーススタディを通して実践力が身につくように構成されている。
 また薬剤師としては、巻末の薬剤情報がとても重宝なものに感じられ、付録の精神症状を引き起こしやすい薬剤一覧表は患者モニターを行うために欠かせない。
 がん医療に関わる医師、メディカルスタッフの必携の書として本書をお勧めしたい。


塩川 満 先生(聖隷浜松病院 薬剤部長)

 この本を手にした際、「こんな本がほしかった、臨床で使える、売れる本だ」と思ったのが第一印象である。編者代表の上村恵一先生をはじめとする執筆者の皆さんの心配りを感じた。上村先生は以前、静岡県病院薬剤師会主催のがん専門薬剤師研修会でご講演をいただき、私たち薬剤師が臨床でどのように患者さんの気持ちをとらえるのか、薬をどう使っていくかについて、多職種の視点を加え、詳しく気さくに教えてもらったことを思い出す。その講演を思い出すこの本の特徴を私なりに考えてみた。
 この本は医師、薬剤師、看護師の職種をターゲットにしているだけあって、それぞれの職種のポイントが必ず記載されており、非常に読みやすい。
 第1章で、多職種で関わることの必要性を明確にし、第2章で症状を見極め、第3章で薬を使いこなそう、そして第4章で実際のケースを出し実践力を磨く構成は、臨床ですぐ使える内容である。実に“にくい”内容構成である。
 第2章、第3章では、はじめに医師、薬剤師、看護師のそれぞれ専門職が習得すべきポイントを提示しているので、そこで何を学べばよいかが一目できる。つまり、多職種のなかでの専門職の役割が明確化されている。このくらいのことは理解していなくてはならないという目標になる。
 特に第3章の「薬を使いこなそう」の構成は、薬理作用、薬物動態、相互作用、副作用だけでなく、注意すべき症例や副作用の対処法など、臨床で起きやすい注意事項がふんだんに記載されておりポイントが絞りやすい。
 何といっても第4章の25のケースは、実際に起こりえる例なので熟読したい。そして最後の「薬剤情報」だが、「こんな場合に使用する」、「こんな場合に注意する」、「特徴」と3ポイントに分けて記述しているため、臨床応用しやすい。
 編集代表の上村先生は、がん医療に関わっているすべての医療者に読んでほしいといっているが、私は臨床に出るすべての医療者に読んでほしい本であると考える。

▲ページの先頭へ

序文

まえがき

 この本を手にされた読者は,ほとんどの方ががん患者のケアに携わっていてがん患者の精神症状について日々考え,がん医療に関与する向精神薬の使用法について日々考えているに違いありません。またはこの領域の専門家であり,拙著を批判的吟味の対象として読もうとされている方もいるのではと推測します。
がん医療の現場で向精神薬の使い方に困ったとき,読者は何に頼って答えを求めているでしょうか。添付文書や治療薬解説本の類は,精神疾患の適応症についての解説であり,精神疾患に身体合併症が併存する場合について個別に記載されているわけではありません。精神腫瘍学(サイコオンコロジー)についての書籍は,精神症状への介入方法について解説されているものの,向精神薬の使い分けに特化するほど頁を割いているものは少ないです。
本領域には適応外使用が多く,がん患者の身体状況に対してという個別性の高いケースが多いなかで,一般的な解説をするには無理があると思われます。しかし,そのような状況であるからこそ,向精神薬の安全性に配慮した薬物療法が必要であることはいうまでもありません。がんという,ときに治癒不能な状況にあるなか,痛みやだるさに苦しむ患者を向精神薬の副作用に曝露するのはあまりに酷いことです。
本書では,がん医療に携わっているすべての医療者に向け,がん患者のこころのケアに対応する際に使用する向精神薬に焦点をあてて,その正しい使い方と,副作用について解説することとしました。
既出の臨床研究の結果だけにこだわらず,サイコオンコロジーの臨床現場に関わっている医療者が現場で困っていることやニーズを拾い上げ,それに答えられるよう章立てを行いました。さらに誤解されやすい25のケースを取り上げ,チームとしてのアプローチの視点を加え解説したケーススタディを収録しています。各ケースの解説では「精神腫瘍医(あるいは看護師・薬剤師)がどのように考え,どのように動いたか」を意識して記載しています。
全国の現場の声を拾い上げることに配慮するため,編者は北海道,関東,関西,九州から1名ずつとし,執筆者はサイコオンコロジーに関わる精神科もしくは心療内科の専門家です。

 本書の使い方としては,がん患者のこころのケアに関する経験が浅く,または医療者としての経験が浅く,まずは精神症状のアセスメントから学びたいという方はこのまま本書を通読されることをお薦めします。向精神薬の正しい介入は,精神症状の正しいアセスメントがあって可能であり,向精神薬の知識があったとしても,患者アセスメントを間違えると患者は何ら恩恵を受けません。次に,普段からがん医療に携わり,精神症状のアセスメントについて自ら行っている医療者は第3章からの通読をお薦めします。そして,忙しいなかどうしても短時間で本書の特徴を把握したい方,明日からすぐに役立つ情報を知りたい方は,第4章の一読をお薦めします。そこにはまさに毎日の臨床現場で起こっているさまざまな精神症状に関しての(あるいは精神症状であると誤解されている)諸ケースを取り上げ,執筆を担当した先生方によって大変わかりやすく,親しみやすい切り口で解説されています。
本書は性質上,適応外使用についての記載が多く,用法・用量についても添付文書や成書とは異なる記載がみられるものと思われます。向精神薬の使用にあたっては患者,家族への十分な説明と,自施設のルールに則って医師各人の責任においての適切な使用方法を推奨します。

編者代表 上村 恵一

▲ページの先頭へ


関連商品

  • がん緩和ケアのフィジカルアセスメント
  • がん必須ポイント 第3版
  • 処方せんをヒントに!がん患者サポーティブケア
  • がん疼痛緩和ケア
  • がん化学療法クリティカルポイント対応マニュアル
  • がん種別薬学的ケアのポイント
  • 緩和医療薬学問題集
  • 患者さんに説明できるうつ病治療
  • がん化学療法ワークシート 第4版
  • がんチーム医療スタッフのための がん治療と化学療法 第3版
  • イラストでよくわかる がん治療とサポーティブケア
  • がん患者の「知りたい」がわかる本

▲ページの先頭へ