検査値×処方箋の読み方

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検査値×処方箋の読み方

よくあるケースに自信をもって疑義照会する!

商品コード 48940
編著 増田 智先、渡邊 裕之、金谷 朗子/編
判型 A5判
発行日 2016年9月
ページ 304頁
定価(税込) ¥3,456
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内容

九州大学病院×地域薬局の勉強会の成果がこの1冊に!
◎処方箋に印字された検査値の読み方がわかる
◎異常値をみたときの薬のチェックポイントがわかる
◎検査値に基づいた疑義照会のコツ,医師への伝え方がわかる
◎小児の検査値の基本的な読み方がわかる

  いま、検査値が印字された外来処方箋が急速に増えています。いざ処方箋を受け取ったとき、検査値、薬、疾患の関係をどう考えたらよいでしょうか?
本書では検査値が問題になりがちな34の処方ケースから、用法用量や副作用のチェックに活かせる検査値の読み方を解説。異常値のとらえ方から疑義照会のポイントまでわかりやすく紹介しています。これからの「かかりつけ薬剤師」に欠かせない"検査値を読み解くスキル"を磨ける最適の一冊です!

 

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目次

STEP 1 検査値を使いこなすために

STEP 2 押さえておきたい検査の特徴
血算,凝固能,肝機能,腎機能,筋障害,炎症,電解質,血糖,その他

STEP 3 押さえておきたい検査の特徴(小児)
血算,凝固能,肝機能,腎機能,筋障害,炎症,電解質,血糖,その他

STEP 4 ケースでわかる検査値の読み方と疑義照会
【血算】
1.がん患者の白血球数・好中球数が下がってきた…どうする?
2.前回治療で発熱したがん患者…今回の処方はどうする?
3.その貧血症状,もしかして薬剤性?
4.前回からHbが低下したC型肝炎患者…何を考える?
5.気づかないうちにアザができていた患者…何を考える?
6.休薬期間の長かったがん患者…再開時はどこに注意?
【凝固能】
7.抜歯予定のワルファリン服用患者…減量・中止の考え方は?
8.ワルファリン服用患者のPT-INRが延長…何を考える?
9.他院でワルファリンを処方されているがん患者の注意点は?
10.ワルファリンからNOACに変更するときのポイントは?
【肝機能】
11.フィブラート系薬剤投与で肝機能悪化?
12.高尿酸血症の治療開始後,3カ月検査なし……
13.フェニトイン増量後にだるさと眠気…検査値はどこを見る?
14.痛み止めでアセトアミノフェンを服用中…異常はどこに?
15.イマチニブ投与中に痒みを訴える患者…検査値はどこを見る?
【腎機能】
16.ニューキノロン系抗菌薬の服用患者でチェックすべき検査値は?
17.高齢女性にH2ブロッカー…Crは問題ないから大丈夫?
18.高尿酸血症治療薬の服用患者の注意点は? 相互作用は?
19.帯状疱疹患者にバラシクロビル…チェックすべき検査値は?
20.腎機能に応じて減量が必要なDPP-4阻害薬は?
21.抗アレルギー薬が処方変更…注意点はどこ?
22.ステロイドの副作用予防でビスホスホネートが処方…どこに注意する?
23.ふらつきを訴える多発性骨髄腫患者…原因は何?
24.カペシタビン投与中…適応症は? 検査値のどこが問題?
【筋障害】
25.スタチン系薬剤を開始後にCKが上昇…何を疑う?
26.芍薬甘草湯の処方を見たらどの検査値に注意する?
【電解質】
27.便秘に緩下剤…よくある処方の注意点は?
28.利尿薬の減量後もナトリウム値の低下が続くのはなぜ?
29.がん骨転移患者の処方…注目すべき薬と検査値は?
30.効果不十分で高リン血症治療薬が増量に…どこに注意する?
31.免疫抑制薬,降圧薬の処方に利尿薬が追加…何を考える?
【血糖】
32.糖尿病患者に抗精神病薬が処方されたら?
33.SU薬服用中にDPP-4阻害薬が開始されたら?
【尿酸】
34.降圧薬服用中に尿酸値が上昇…何を考えるべき?

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書評

堀 美智子先生(医薬情報研究所/エス・アイ・シー)

 腎機能障害時に用量調整が必要な薬があります。その調整がなされなかったために、薬の排泄が抑制され副作用から命を亡くされた方がいます。処方箋に記載された内容についての評価。薬の情報と患者の情報が検討されて初めて薬の適正使用につながります。
 これまで薬局薬剤師に提供される患者情報は、患者の訴えから得るしかありませんでした。しかし、これではよくないと処方箋に腎機能について記載しようという動きが始まり、現在ではいろいろな検査値を処方箋に記載する病院が増加しつつあります。
 でも、そのような処方箋を受け取ったとき、いったい何をどうしたらいいのか…。戸惑い、結局は患者さんの訴えだけの従来からの評価で過ぎていく。いや、それではだめでしょと思いながら、結局検査データが正常範囲であれば大丈夫ということに……でも、境界領域の場合は???
 せっかく提供されている検査データ、それをどのように活かすのか。本書は、検査値の基本事項の解説、成人や小児の検査値の読み方などの一般的な解説に始まり、検査値と処方箋を関連づけてみるため、「ケースでわかる検査値の読み方と疑義照会」として34のケースが紹介されています。患者背景、処方内容、検査値。これらから何を考え、どう行動すべきか。具体的な疑義照会の文言まで記載されています。
 本書は、病院薬剤師から開局薬剤師に向けたエールのようにも思えます。本書を読み、どのような薬にどのように対応すべきか、薬局での下準備を始めるときです。そして次のステップ、「この薬を処方されていますが、この検査がなされていないようですが…」なんて疑義照会に広がったら、医療の質は間違いなく向上するはずです、さあこの本片手に、一歩踏み出しましょう!


狭間研至先生(ファルメディコ株式会社 代表取締役社長)

 薬剤師が検査値を学ぶ。一昔前までは、薬剤師には馴染みの薄かったテーマに切り込む実践書が本書です。院外処方箋に検査数値が印字されることも多くなったいま、病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師にこそ是非、ご一読いただきたいと願う一冊です。
 その理由は、3つあります。
 1つめは、チーム医療の一員として患者さんを疾病の治癒や症状の改善、治療中の思わぬ病状変化に対応していくためには、医療人の共通言語としての検査値や異常値やメカニズムを理解しておくことは極めて重要です。本書においては代表的な検査数値の概要がまとめられており、初学者にも最適です。
 2つめは、患者さんに処方された薬剤の内容を監査し、必要な疑義照会を行って調剤を行うことや、正確な服薬指導を行うことは薬剤師の業務そのものです。従来、患者さんの状態を知ることは、詳細な問診やお薬手帳の確認などによって行われてきましたが、検査数値を知ることで、より個別具体的な判断が可能になります。本書では、具体的な症例呈示が数多くなされており、薬剤師が自分の担当する患者さんを思い浮かべやすく、現在取り組まれている業務に活かしやすい内容です。
 3つめは、「対物」から「対人」へと薬剤師業務がシフトするなかで、薬剤師の仕事は薬をお渡しするまでだけではなく、薬をお渡しした後までに拡がりつつあります。検査数値を経時的にフォローすることは、この薬をお渡しした後の状態に責任をもつ(=薬剤師法25条の2の指導義務を果たす)ためには極めて重要なことです。いままで馴染みのなかった業務に取り組む薬剤師にとって、本書は実践的かつ有効なツールになることでしょう。
 是非、お手許におき、現在そして未来の臨床業務にお役立ていただきたいと思います。


篠原久仁子先生(フローラ薬局 代表取締役・薬剤師)

 わが国では、高齢化とともに複数の疾患を合併することで、多剤投薬になるポリファーマシーや残薬が問題となっている。2015年厚労省より示された「患者のための薬局ビジョン」では、患者に身近な薬局のかかりつけ薬剤師が、他科受診の多剤投薬・重複投与の状況を継続的・一元的に管理して、効果・安全性をチェックし、適正使用に貢献することが求められている。これからのかかりつけ薬剤師としての役割発揮のキーワードは、“モノからヒトへ”だ。医療機関と薬局との間で、患者の同意のもと検査値などを共有することで、患者の腎機能に応じた処方量のチェックや副作用の早期発見など、処方の適正化に結びつくことが期待されている。一方で薬局では、処方内容からこの検査値をどう活用すればよいのか、検査値からどう疑義照会したらよいのか、戸惑うことも多いのではないだろうか?
 本書は、臨床検査値の解説にとどまらず、例えばワルファリンからNOACの切り替え時など、現場で出会う処方箋をもとにして、具体的な検査値のチェックポイント、検査値に基づいた疑義照会の会話例、症例のポイントまで、まさに知りたかった内容が実践的に解説されている。これも全国的にはまだ少ないが、執筆された増田先生のおられる九州大学病院では、院外処方箋に検査値の印字を開始し、近隣地域の薬局と検査値の活用法について毎月研修会を重ね、そこで質問されたり、必要性が感じられた内容が本書にまとめられている。薬薬連携の研修会やベッドサイドに立つ病院薬剤師、在宅医療に関わる薬剤師、そして何より患者のためにかかりつけ薬剤師を目指す薬剤師に必携の書である。


宮﨑長一郎先生(有限会社宮﨑薬局/日本薬剤師会 常務理事)

 患者さんに向けての医療情報の開示は、処方箋の発行もその一つであるが、臨床検査値についても2000年前後から進みはじめたように記憶している。処方箋とともに検査値を印字した用紙を手にした患者さんが増えたのがその頃である。また、最近では一部の大学病院から処方箋に必要な検査値を印字することも増えている。在宅医療のなかでも、医師などとの情報共有においては検査値を理解し、処方監査や提案に活かすことも必要になりつつある。院外処方箋の発行が70%を超えて、病棟薬剤師の活動も進展している現在、薬剤師が検査値を入手し、それを調剤に活かすことに対してNoという勢力はない。逆にいえば、ここで検査値に基づく処方監査や処方提案の実績を患者さんたち含めた国民へ示すことがたいへん大事なことだろう。
 本書は、このような状況でほしいと感じていた書籍である。はじめに検査値に関する見方が示され、事例に基づき理解が深まるように解説がなされている。しかも、薬剤師の視点に立っているところが嬉しい。ともすれば、これまでの類書では検査値の測定法や基準値の解説が多く、薬剤師的にどのように活かせばいいか書かれていないことが多かった。これまでの病棟での薬剤師活動が生んだ書籍といえる。
 一読するもいいが、少人数のサークルで読みあわせをしたり、自分の薬局の症例とつきあわせて読み進めば、必ず目の前の患者さんの役に立つ本である。備えておくだけでなく、われわれがどのように使うかが試される一冊でもある。

 

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序文

 医薬分業は、薬物治療という点において医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し国民医療の質的向上を図るものであり、長い歴史のなかで確立されてきた。現在、多くの病院では診療録の電子化が進み、病院薬剤師は電子カルテに集約された患者情報や臨床検査値を日々活用しながら処方監査や服薬指導などを行っている。保険薬局薬剤師が入手できる情報は、手にした処方箋に記載された薬剤名、用法・用量および患者からの聞き取りに限られる。一部を除く医薬品のほとんどは、適切に使用したうえでの意図しない重篤な副作用には「医薬品副作用被害救済制度」による保護を受けることができる。一方、適宜検査を行いながら使用することが義務づけられた医薬品も登場しており、調剤においても臨床検査値活用の重要性が高まってきた。
このような情勢変化のなか、医薬分業の要となる「かかりつけ薬剤師」の育成、普及と定着を目指す観点から、処方箋発行機関となる病院では保険薬局への臨床検査値の情報提供に際し、お薬手帳に転記する取り組みに加え、院内の情報システムを再構築し、院外発行する処方箋に臨床検査値を印字するなどの新たな体制の整備を進めている。
九州大学病院においては2015年6月8日より院外処方箋への臨床検査値の印字を開始した。臨床検査値は患者の病態を客観的に判断できる一指標になるため、処方監査や医師への疑義照会および薬学的知見に基づく患者指導に役立ち、より適切な薬物療法に貢献できる。近い将来、一元管理された処方データ、臨床検査データおよび診療録などがオンラインで共有できる体制が整うことが想定され、「かかりつけ薬剤師」としての保険薬局薬剤師に寄せられる期待はいままで以上に大きくなる。
九州大学病院薬剤部では、院外処方箋に印字された臨床検査値を保険薬局薬剤師がどのように理解し、どのように処方監査に活かせばよいか、必要に応じてどのような疑義照会を行えばよいかについて、保険薬局薬剤師を対象にグループワークを行い、そのノウハウの普及に取り組んできた。今回、本書を企画するにあたり、これまでのグループワークで得た知見や経験を活かし、保険薬局薬剤師が臨床検査値を十分に活用できる実践的な内容になるよう心がけた。これまで臨床検査値を読む機会が少なかった保険薬局薬剤師には、経験によらず質の高い処方監査の実践とそれに基づく医薬品の適正使用推進を目指し、本書を活用いただければ幸いである。

2016年9月

九州大学病院 教授・薬剤部長
増田 智先

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