チェルノブイリ医療基金について

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 1986426日、旧ソ連ウクライナの北端に位置するチェルノブイリ原子力発電所の4号炉が、全世界を震撼させる空前の大爆発を起こし、特に北半球を主体とする多くの国々に放射能による環境汚染を招いたことは周知の事実であります。なかでも、隣国であるベラルーシ共和国は最大の被害を受け、事故後より様々な健康障害が増加していると言われています。 

1996年4月、ウィーンにおいて開催されたWHO(世界保健機構)、IAEA(国際原子力機関)、EU(欧州連合)の3者による合同国際会議では、現時点で、この事故と因果関係が明らかであると特定される健康障害は、小児甲状腺癌のみであると結論づけています。

私は19913月よりベラルーシ共和国の高汚染地に入り、現地の小児甲状腺検診調査を皮切りに、被災地における医療救援活動を実施してまいりました。そして、19961月からは、首都ミンスクにある国立甲状腺癌センターにおいて、激増する甲状腺癌の外科治療に携わって、今日に至っております。

これまで、日本の多くの心ある方々からの多大な支援を受け、最近になりその活動も少しずつ見え始めてきました。
この度、支援者の皆様の強いご要望もあり、このささやかな医療援助活動の効果をより一層たかめる目的で、郵便局に新たに”チェルノブイリ医療基金”(口座:00550-7-29506)という名称の口座を開設させて頂くことに致しました。

皆々様におかれましては何かと大変なこととは存じますが、今後ともご支援ご協力の程よろしくお願い申しあげます。



1997年7月

菅谷 昭