Chernobyl Medical Fund Newsletter
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 ◆チェルノブイリ医療基金特別講演会

 いつもチェルノブイリ医療基金にあたたかいご支援とご理解をいただきありがとうございます。
さる11月9日(日)、松本市市民活動サポートセンターにおいて、この夏(7/25〜8/2)の、ベラルーシ共和国訪問の報告会を兼ねた講演会を開催いたしました。当日は市内でも催しの多い日で、期待していた人数は集まらなかったのですが、菅谷先生の司会で少人数でもなごやかな雰囲気の中、ベラルーシを訪問した4人のメンバーがそれぞれ語ってくれました。


 ず最初は、CMFから団長の千原氏がプロジェクターを使って出発時の話からスタートしました。詳しくは前号のニューズレター(21号)をご覧いただければ判りますが、実際に画像を見ての話には、つい苦笑をしてしまう微笑ましい場面もあり、また真剣な皆さんの表情が伝わってきて、過密なスケジュールの中、本当に頭の下がる思いでした。改めてお疲れ様でしたと申しあげます。
 番目は長野県立こども病院新生児科部長の中村友彦先生と同医師の佐野葉子先生のベラルーシ・周産期医療視察報告。こちらも前号をご覧いただければ詳細はわかりますが、ニューズレターに載らなかった写真も沢山あり、ミンスク、ゴメリ、モーズリと9ヶ所もの産科・小児科の病院を視察し、その他ベラルーシ医科大学、保健省の訪問等、中村先生が本当に意欲的に視察して来てくださり、その熱意にただただ感服するのみでした。
 佐野先生は4段階に分かれているというベラルーシの医療の説明、自身が勤務されているこども病院との比較など、女医という立場での視点も感じられ、初めて訪れたベラルーシの感想もふくめて、チェルノブイリ原発事故への思いなど語ってくださいました。
お二人ともこの訪問を通じて、ベラルーシの医師達が自国の医療をさらに発展させようとする熱い思いを感じられ、いまだに高濃度の放射能汚染の影響が心配される中、生まれてくる子供達のために何らかの形でかかわっていきたいと思われたようです。
報告会の最後には、CMFの中澤氏が初めて訪れたベラルーシの感想を、主婦、また母親、一女性としての視点から感じたことなどを語ってくれました。


 第2部菅谷先生の「チェルノブイリ医療支援:将来の方向性」と題した講演で、今後の支援のあり方をどうつないでいくかを語っていただきました。
講演会に出席して下さっていた、こども病院の宮坂勝之院長もお話に加わってくださり、CMFのこれからの医療支援に協力してくださるという心強いお言葉もいただきました。
 今回の講演会に須坂市から奥様と二人で来てくださった成島隆雄さんという支援者の方がいらっしゃいました。
 その方は菅谷先生が信州大学を辞めて、単身ベラルーシに...という信濃毎日新聞の記事を見てから先生を応援してくださっているという方。ニューズレターは勿論、先生の記事をほとんど一冊のファイルに整理され持ってこられました。ニューズレターには何ケ所もマーカーがいれられ、何度も読み返してくださっているご様子、CMFでもあそこまできれいに整理してはなく、恥ずかしいやら頭が下がるやら、先生もびっくりされていました。全国の支援者の皆様の中にも、同じような方がいらっしゃるのではないかと思います。成島さんの熱い気持に接して胸がいっぱいになりました。
 最後に、今回の講演会を開催して、少しずつでも活動を絶やさず続けていくことの大切さを、また、その活動が支援者の皆様に支えられていることを改めて感じました。先生がいつもおっしゃっている「あせらず、気負うことなく、地道に、自分のできる範囲で」が私どもCMFのモットーでもあるように、またCMFのマークにある「Japan-Belarus-Earth」。私たちは地球市民であるということを心に強く刻み込んだ一日でした。


理事長 宮田 貴美子




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