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(5〜15)4月26日:「15回目のチェルノブイリ・デー」(モーズリ市)
朝食を済ませたあと、アパートを出て近くを散歩。遅い北国の春は、突然、街路樹の葉を浮き立つような若緑色に変化させる。まだ多少肌寒い。しかしさわやかに晴れあがった空をそよ風がわたる。新しく掘りおこされた広大な畑には、肥沃な大地の香が満ちている。もうすぐジャガイモの植え付けや、野菜の栽培がはじまる。そして春を待ちこがれていた子どもたちは、一斉に外へ出て終日遊ぶ。15年前はのこの日も同じであったろう。だが何も知らない人びとは、大人も子どもも恐るべき“死の灰”を浴び続けていたのだ。道端に咲くたんぽぽの鮮やかな黄色や、ベラルーシの桜の清楚な白さが見る人の心を和ませる。
正午から、市庁舎前の広場で「第15回チェルノブイリ事故慰霊式典」が多くの市民や児童たちの参加のもとで挙行された。全員犠牲者の霊に深い哀悼の意を表した。



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