誰も教えてくれなかった実践薬歴 改訂版
商品コード |
56167 |
編著 |
山本 雄一郎/著 |
判型 |
A5判 |
発行日 |
2024年9月 |
ページ |
212頁 |
定価 |
¥3,520(税込) |
在庫 |
|
内容
●薬歴を見れば、その薬剤師の「仕事の質」がわかる
●“薬局薬学のエディター”が贈る薬歴の定番書がついに改訂!
本書は、薬歴の基本的な書き方・考え方に加えて、薬歴を通した薬学的管理の実践的な考え方を症例ベースで解説。よくある症例であっても、患者情報や薬剤師の考え方によって服薬指導が変化することを実践的に例示します。
改訂版では、電子薬歴や薬機法改正に対応するとともに,診療ガイドラインなどを最新の情報にアップデートしました。新人・若手から、大学で医療記録について学んでこなかったベテランまで、すべての薬剤師におすすめの1冊です。
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目次
Chapter 1 薬歴とは
1 薬歴の歴史
2 POSとは
3 SOAPとは
4 薬歴をつける際のいくつかの注意点
Chapter 2 SOAP形式の薬歴がうまく書けない理由
1 薬歴がうまく書けない理由は誤訳にある
2 ごちゃごちゃした薬歴になってしまいます
3 SOAP形式の薬歴が書けない本当の理由
4 いつも同じ処方なので薬歴に書くことがありません
Chapter 3 薬歴は薬学を通して患者を理解するためのツールである
1 医師と違う視点を常にもつ
2 併用注意は薬剤師の考えを伴って投薬される
3 患者の個人データを薬歴に落とし込む
4 すぐに答える,そこにアセスメントはあるのか
Chapter 4 高齢者の薬学的管理
1 高齢者の高血圧治療
2 高齢者の糖尿病治療
3 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015
4 高齢者の漢方治療
Chapter 5 薬歴から学ぶ
1 薬歴を研修資材にする
2 症例ベースの問題に取り組む
3 学んだことを薬歴に還元する ─ハイリスク薬SSRI/SNRIのリスク
4 ディテールを保存する
コラム
・薬歴は「つける」もの? それとも「書く」もの?
・薬歴は自由に書いていい?
・ストックフレーズはなぜいけないのか?
・SOAPで一番難しいのは?
・薬局薬剤師が抱える構造的な問題とは?
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序文
改訂にあたって
こんにちは,“薬局薬学のエディター”こと山本雄一郎です。この本は,2018年9月に発刊した『誰も教えてくれなかった実践薬歴』の改訂版です。改訂版を発刊するに至った理由はいくつかありますが,その主なものを紹介すると,電子薬歴の台頭や薬機法の改正,そして診療ガイドラインなどの改訂といったところでしょうか。
まず,電子薬歴の台頭に関しては,時代にあわせ,SOAPの(P)の部分の表現を変更しました。次に,薬機法の改正においては,本書のテーマに関連した薬歴や調剤録に関するものについてのみ触れています。最後に,診療ガイドラインなどの改訂に関しては,よくもまあこの短期間でこうも変わるものだなぁ,と思うのと同時に,臨床現場の薬剤師は一生勉強が必要なはずだと再認識したところです。また,初版で扱った薬というのは,なるべく新薬を避け,使い方などが確立している薬のみを意識的に選択したはずでした。筆者としては魂をこめて書いた書籍を,みんなに長く愛してほしいですから。でもでも,その書籍を発刊してわずか数年の間に,その古い薬の患者指導箋が,服薬指導の内容が2度も変更になろうとは思いもしませんでした。薬の情報を新たにする。そういったことも僕らの大事な仕事なのです。
さて薬歴は,調剤を実施するための,薬物療法を患者に対して個別最適化を行い実施するためのツールです。そこには当然,皆さんが勉強してモノにした薬の情報が用いられています。しかし,それだけではないはずです。そこには,そこにしかない患者の情報も記録されているはずなのです。でなければ,薬物療法を誰に対して個別最適化していくというのでしょう。
この本は,その忘れてはいけない患者情報を大事にしています。よって抽象度はぐっと落ちます。しかしながら,そのことでこの本の価値が下がるとは思っていませんし,多くの人に手に取ってもらえたこともその証左だといってもいいかもしれません。また,この本は,薬歴から(もしくは薬歴へ)という他の書籍とは異なる視点(パースペクティブ)から薬学を考えています。この新たな視座は,あなたが取り組んでいるものと組み合わせることで,きっとあなたを臨床面においてステップアップさせる。僕はそう目論んでいます。改訂版では,その意図を補強しました。(後略)
2024年8月 山本 雄一郎
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