続 感じる細菌学 耐性菌&真菌編

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染方史郎の

続 感じる細菌学 耐性菌&真菌編

商品コード 55986
編著 染方 史郎(金子 幸弘)/著
判型 A5判
発行日 2024年6月
ページ 288頁
定価 ¥3,960(税込)
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  • 内容
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  • 書評
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内容

●大好評だった『感じる細菌学×抗菌薬』の第2弾。今回もフルカラー・イラスト満載!
●小難しい細菌の薬剤耐性メカニズムを楽しく&わかりやすく解説!
●意外に知らない真菌の特徴や診断・治療のポイントを解説。真菌の世界を“感じる”ことができる!
 
大好評だった『感じる細菌学×抗菌薬』の姉妹本がついに登場です!
1冊目と同じくフルカラー・イラスト満載の本書は、前半で細菌の薬剤耐性メカニズムや抗菌薬の正しい使い方を、後半では真菌の特徴や診断・治療のポイントについて、基本からわかりやすく解説しています。
「耐性菌も真菌も実はあんまり知らない……」という方に向けて、クリエーター:染方史郎(そめかたしろう)が贈る「細菌・真菌ワールド」を“感じ”ながら楽しく読める1冊です。

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目次

第1章 耐性菌と抗菌薬のキホン
0 「細菌楽」を始めよう
1 薬剤耐性菌
2 耐性機構と耐性獲得機構
3 知っておきたい専門用語
4 抗菌薬
5 抗菌薬の適正使用 薬剤耐性(AMR)アクションプランの概要とAWaRe分類

第2章 手ごわい耐性菌を知ろう
0 Overview
1A MRSA① メチシリン耐性黄色ブドウ球菌と仲間たち
1B MRSA② 抗MRSA薬
1C MRSA③ MRSAの分類
2 VRE バンコマイシン耐性腸球菌
3 Clostridioides difficile クロストリジオイデス・ディフィシル
4 ESBL産生菌
5 CRE/CPE カルバペネム耐性腸内細菌科細菌/カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌
6 MDRP/MDRA 多剤耐性緑膿菌/多剤耐性アシネトバクター
7 BLNAR β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性 インフルエンザ菌

第3章 真菌症と抗真菌薬のキホン
1 真菌と真菌症
2 真菌の概要
3 抗真菌薬

第4章 よくみる真菌を知ろう
1 カンジダ症(candidiasis, candidosis)
2 アスペルギルス症
3 クリプトコックス症
4 ムーコル症とその他の糸状菌感染症
5 トリコスポロン症
6 ニューモシスチス肺炎
7 輸入真菌症

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書評

村木 優一 先生(京都薬科大学 臨床薬剤疫学分野 教授)
感染症治療に強い薬剤師になるための頼れる味方!

 薬剤師は,感染症の薬物治療が必要な患者さんに病院でも薬局でも必ず遭遇します。そのため,「感染症治療に強くなりたい」と思う薬剤師は多いのではないでしょうか。処方された抗微生物薬の適切性を評価するには,効果を示す側(微生物)の特徴を理解することが必須です。しかし,微生物は多数存在し,分類も多く,そもそも目に見えないため,想像することも難しいです。その結果,志半ばで諦めてしまっている薬剤師も多いのではないかと思います。そのような薬剤師や,これから学ぼうとする薬剤師にとって非常に頼れる味方となる一冊が『続 感じる細菌学 耐性菌&真菌編』です。

 本書は,『感じる細菌学×抗菌薬』の第2弾であり,薬剤耐性菌を含めた細菌と真菌を楽しく学ぶことができます。まず,表紙から目を引く本書では,微生物がフルカラーのイラストで示されており,それぞれの特徴が視覚的に理解しやすく解説されています。特に,細菌の薬剤耐性メカニズムについて,基本から応用までをここまで丁寧にわかりやすく解説してくれている書籍は類を見ません。第2弾となる今回は,真菌に対しても詳細な解説が加わっており,第1弾を購入した読者も新たな知識を増やすことができます。

 「細菌学は難しい」と感じている薬剤師や薬学生にとって,本書のコンセプトは「細菌楽(さいきんがく)」であり,著者の染方史郎(金子幸弘)先生の「細菌学を学ぶなら楽しく学んで欲しい」という熱い想いが最初のページから最後のページまで随所に感じられる一冊です。薬剤耐性(AMR)は世界的な問題となっており,一人でも多くの薬剤師が薬剤耐性菌を正しく理解し,抗微生物薬の適正な使用に関わるために必読の書籍です。ぜひ本書を手に取って楽しく学び,感染症治療に強い薬剤師になりましょう。

 

 

菅原 えりさ 先生(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 感染制御学 教授)
魔法のツアーコンダクター

 待望の第二弾『続 感じる細菌学 耐性菌&真菌編』が刊行された。まず,刊行の時期に驚いた。新型コロナウイルス感染症のド派手なパンデミックが去り,「サイレントパンデミック」に向き合わなければならない難しい日常が帰ってきた矢先という絶妙さである。そして第二弾は,あの難しい「耐性菌」,そして「真菌」がテーマだという。さて,染方史郎先生,今度はどんな風にやさしくかみ砕いて解説してくださるのだろうか。第一弾同様,全編カラーで,キャラクターの活躍が期待される第二弾を手にとった。

 ところで,感染症や感染制御に携わっていると,成書「微生物学」を紐解くことがしばしばある。しかし,その難しさに圧倒されると感じている方も多いのではないだろうか。私もその一人である。

 では,本書はどうだろう。MRSAの解説の冒頭には,第一弾で紹介された「グラム陽性球菌一派」が登場! 「団子で語ろうぜ〔カタラーゼ(+)〕」では思わず吹き出し,「もうこれで絶対忘れない!」とほくそ笑む。少なくとも「難しくて圧倒される」気分にはならない。一方,約9ページにわたる耐性機構の解説にはやはり心してかかる必要があるが,しかしさすがは染方史郎先生,難しい内容でもキャラクターを駆使し,短い文章でやさしくまとめられた解説を読み進めると,「あっ!そうだったのか」と思わせてくれる。それはその後に続く耐性菌の解説すべてにおいて同様である。もちろん,真菌についても物語を読むようにその世界に触れることができ,さらにコラムの「Advance」や「ちょっと横道」は細菌学の奥深さを感じさせてくれる。

 まさにほくそ笑みながら読み進めるうちに,細菌学の重要なポイントを身に付けることができる,こんな指南書が他にあるだろうか。著者の染方史郎先生こと金子幸弘先生の「難しいことをやさしく伝えるご努力とご見識」に心から感謝と敬意をお伝えしたい。

 「感じる細菌学シリーズ」は,複雑でちょっと近寄りがたい細菌学ワールドの旅を「大丈夫だから一緒に行こうよ」といざなう,「魔法のツアーコンダクター」である。

 さぁ! しばしツアーコンダクターに身をゆだね,細菌学ワールドに足を踏み入れてみよう! 感染制御がもっと楽しくなること間違いない。

 

 

栁原 克紀 先生〔長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 病態解析・診断学分野(臨床検査医学) 教授

細菌学を楽しく学べる良書

 私と金子幸弘(染方史郎)先生との付き合いは,彼が医学生である1995年くらいからである。そのころから金子先生は細菌学に興味があり,緑膿菌の実験をしている私のところに手伝いにきていた。それから,細菌学に関する研究で博士号を取られ,米国留学時も緑膿菌の研究室である。彼の人生は迷いなく細菌学研究の一本道であった。そのように細菌学を愛する金子先生がまとめた『感じる細菌学』は,親しみやすいイラストと,わかりやすい文章で,多くの方に愛読されている。今回の続編も素晴らしい出来栄えであり,薬剤耐性菌と真菌といったやや難解なテーマであるにもかかわらず,読みやすい内容になっている。趣向を凝らしたイラストを見るだけでも知識として吸収できる。金子先生の創意工夫が活かされており,登場するキャラクターを一見するだけで,その特徴を理解できる。私も大学で細菌学を講義する立場であるが,菌の特徴を明瞭に表現したイラストには驚嘆している。

 金子先生は内科医としても経験が豊富であり,臨床感染症学もあわせて学べることも本書の特徴である。感染症学と細菌学は密接なつながりがあり,細菌学の知識は感染症学や感染対策を理解するうえで必須である。

医師,薬剤師,臨床検査技師,看護師などの医療関係者に加えて,医学生や医療関係学部の学生にぜひ,読んでいただきたい。楽しい細菌学を感じていただけるものと確信する。読まれた後には,耐性菌や真菌について深く理解していることに気づかれるでしょう。

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序文

 前著『染方史郎の 楽しく覚えず好きになる 感じる細菌学×抗菌薬』は,お陰様で好評を得て,多くの皆様に読んでいただく本となりました。また,関連した講演依頼が増えたこともありがたい限りです。上梓後すぐに,第2弾を執筆するお話をいただいておりましたが,あれよあれよという間に3年以上が経過してしまいました。前著では真菌を掲載できなかったことが心残りでしたので,薬剤耐性菌とセットで真菌をご紹介できることは大変うれしい限りです。
最近は,インターネットで検索すれば多くの情報を得ることができます。ガイドラインなども無料で入手できるものも多く,「このような書籍の位置付けはどのようにあるべきか」ということを本書を書きながら考えました。おそらく,本書の意義は「情報の海のなかから素材を獲得し,いかに上手に美しく盛り付けるか」というところにかかっていると思っています。つまり,情報の整理です。また,整理するなかで切り捨てられる情報もありますので,元の情報にできるだけアクセスできるようにも配慮しました。前著は予想外にご好評をいただき,本書でも期待に応えられるかプレッシャーを感じつつ,執筆が遅くなりましたが,ようやく出版に至りました。前著をお読みいただいた方にも,そうでない方にも,想いが伝わればと思います。薬剤耐性菌を掲載するに際し,前著との重複が気になりました。必ずしも前著をお持ちでない方にもご理解いただけるよう,必要に応じて前著の一部を繰り返し用いています。前著をお持ちの方には,少しくどいと思われるかもしれませんが,ご容赦ください。
最後になりましたが,講義をいつも支えていただいている教室員・講師の皆様,本書関係者の皆様,そして前著から引き続き応援してくれている家族に,この場を借りて感謝の意を表します。

2024年4月吉日
大阪公立大学大学院医学研究科細菌学教授室にて記す
金子 幸弘

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