ここからの精神医学入門
精神科医はどう診ているの?
商品コード |
56105 |
編著 |
西村 浩/著 |
判型 |
A5判 |
発行日 |
2024年9月 |
ページ |
176頁 |
定価 |
¥2,860(税込) |
在庫 |
|
内容
●問診のコツ、患者との接し方を知る
●患者・家族のケアがわかる
●疾患のリアルなイメージを掴む
本書は、こころの病気のありよう、患者さんの実像、そして診療の流れをベテラン精神科医がわかりやすく解説したものです。読者は、精神科医療に関わったことがないか経験の少ない医療者を念頭に置いていますが、医療系の学生はもちろん、精神疾患に関心のある一般の方でも十分に読むことができます。精神疾患や診療の全体像について、具体的なイメージをつかむのに最適な入門書です。
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目次
第1章
1 さまざまな精神症状
2 精神科医が患者に尋ねること
第2章
1 うつ病
2 双極性障害
3 統合失調症
4 PTSD
5 不安障害
6 パーソナリティ障害
7 睡眠障害
8 解離性障害
9 臓器移植と精神医学
10 器質性精神障害
11 アルコール依存症
12 摂食障害
13 認知症
14 知的障害
第3章
1 精神科医の知られざる日常
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序文
「バスの運転手さんとお医者さん」
幼稚園の記録「大人になったらなりたいもの」にそう書いてあります。幼稚園でも一番小さく,喘息やら中耳炎やらでバスによる通院をしていたためにその2つの職業しか知らなかったようです。小学校時代も喘息発作のたびに学校を休み,ある時期は半分くらいしか登校していません。
そこで自宅にある書物を読みます。なぜか“ベッドルームテクニック”といったものが多く,小学3年生のときには「濡れる」も「萎える」も読めました。母に意味を尋ねると「辞書を引きなさい」と言われ,「萎える」は「しぼむこと」とありました。
そんな筆者が医師となって30余年,精神科医として数えきれないほどの患者さんとお会いしてきました。本書は,こころの病気のありよう,患者さんの実像,そして診療の流れをかみ砕いて紹介したものです。読者は,精神科医療に関わったことがないか経験の少ない医療者を念頭に置いていますが,医療系の学生はもちろん,精神疾患に関心のある一般の方でも十分にお読みいただけます。
精神疾患という,ご自身がそうでない方からするとにわかには想像しがたい世界を理解しようとするには,いきなり細かい診断名や治療の詳細を覚えるのではなく,まずは全体像を押さえることが肝心です。本書では症例もたくさん載せていますので,具体的なイメージをもって精神疾患や診療の全体像をつかむことができると信じております。
(中略)
閑話休題。精神疾患を教科書的に説明すると,「慢性期統合失調症では幻覚妄想などの活発な症状が消失あるいはわずかに残存する程度になり,感情鈍麻,積極性低下などの情意面の障害が前景に立つ状態となる」となります。しかし,映画ではこうした内容が視覚的に非常に理解しやすい形で表現されていますから,興味をもたれた方は映画をご覧になることをお勧めします。
本書は,ご指導いただいてきた恩師・先輩たち,ともに治療に取り組んだ同僚や後輩たち,家族,そして何よりもこれまで関わってきたすべての患者さんとそのご家族に捧げます。
どなたかが何かにお困りのときに,わずかでも救われる気分になれる手がかりとなれば幸いです。
西村 浩
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