臨床の疑問に答える がん薬物療法アップデート

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月刊薬事 2016年1月臨時増刊号(Vol.58 No.2)

臨床の疑問に答える がん薬物療法アップデート

商品コード 93495
編著 編集:増田 智先(九州大学病院 教授・薬剤部長)
判型 B5判
発行日 2016年1月
ページ 244頁
定価 ¥3,850(税込)
在庫 品切れ

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内容

●標準治療,最新のエビデンス,副作用モニタリング,支持療法――
この1冊でがん薬物療法のいまがわかる!

がん医療における薬剤師の役割は年々広がり、がん専門薬剤師を取得する薬剤師も増えていますが、その一方で「エビデンスの数が多くて整理できない…」「がん患者に接した経験が少ない…」など、困難を感じている方も少なくないはず。
そこで、臨床の第一線で活躍する医師・薬剤師が、現在の標準治療や最近の注目エビデンス、薬物療法マネジメントのポイントなどをわかりやすく解説。知っておくと役立つ副作用モニタリングや支持療法のコツが具体的に紹介されています。明日から自信をもってがん医療に関われるようになるヒン卜が詰まった1冊です。

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目次

第1章 がん治療に関わるすべての薬剤師が知っておきたいこと
 1.がん治療の基本        竹中 圭、南 博信
 2.がん薬物療法の基本      池末裕明、増田智先

第2章 薬物療法のスタンダードとマネジメント
 1.肺がん
・標準治療とエビデンス    原谷浩司、中川和彦
・薬剤師の腕の見せ所       藤井宏典、飯原大稔
 2.胃がん
・標準治療とエビデンス    有山 寛、草場仁志、馬場英司
・薬剤師の腕の見せ所       末次王卓
 3.大腸がん
・標準治療とエビデンス    杉山雅彦、沖 英次、前原喜彦
・薬剤師の腕の見せ所       秦 晃二郎
 4.乳がん
・標準治療とエビデンス    中山美恵、石黒 洋
・薬剤師の腕の見せ所       河添 仁
 5.膵がん
・標準治療とエビデンス    古瀬純司
・薬剤師の腕の見せ所       臼井浩明
 6.前立腺がん・腎細胞がん
・標準治療とエビデンス    山﨑俊成、小川 修
・薬剤師の腕の見せ所       高田慎也
 7.婦人科がん
・標準治療とエビデンス    高橋佳容子、勝俣範之
・薬剤師の腕の見せ所       今村牧夫
 8.皮膚がん
・標準治療とエビデンス    中村泰大、山本明史
・薬剤師の腕の見せ所       石川 寛
 9.造血器腫瘍
・標準治療とエビデンス    一戸辰夫
・薬剤師の腕の見せ所       山本 崇、尾崎淳子

第3章 すべての薬剤師が知っておきたい抗がん薬の薬物動態
 1.抗がん薬とトランスポーター   梶原望渡、増田智先
 2.抗がん薬と薬物代謝酵素       清水万紀子、山崎浩史

付表 抗がん薬一覧

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序文

「化学療法」は元来,生体に侵入した異生物を薬物という武器で制圧することを念頭に感染症領域で始まったとされる。「悪性新生物」としても知られるがんまたは悪性腫瘍は、外因的に侵入した異生物のように無限に増殖し宿主の生命維持機能を破壊するものとして、殺細胞性の高い薬物を用いた「がん化学療法」という概念が広まったと考えられる。がん化学療法は臓器ごと、領域ごとにそれぞれ進化し、時には他の領域で著明な効果を示した技術・薬物の導入と改変を経て今日に至る。疾病の診断、治療、予防という薬物使用の目的はどの領域においても同様であるが、がん薬物療法におけるそれは特徴的である。すなわち、がんそのものの制圧を目指した薬物療法、それに伴う副作用の予防と対処(支持療法)、術後の再発予防などさまざまな目的をもった複数の薬物使用が一連のスケジュールに則って計画される「レジメン」という標準療法を基本とする。このレジメンに従い、医師は診断と治療方針の決定と計画、薬剤師は薬用量提案、投与後の副作用モニタリングと容態変化への臨機応変な対策の提案、看護師はきめ細かい患者の容態ならびに本人と家族の精神的サポートにそれぞれの専門的知識と技術を発揮する。このように、がんの領域において進化してきた多職種による有機的連携は、最近どの領域においてもその必要性と有効性が評価されており、「チーム医療」として糖尿病、感染制御、移植、精神疾患など広く医療一般に定着してきた。
この度、がん領域の薬物治療における医師・薬剤師の協働を念頭に本書をまとめる機会をいただいた。実地臨床における医師と薬剤師の連携は最終的に生命予後のみならず患者本人ならびに家族のQOL改善につながることは自明である。同一の領域における医師の知識や技術基盤に加え、薬剤師の知識と領域ごとのユニークな職種間連携の実際、さらには分子標的薬を含めた臓器横断的な新しい治療法の今後の展望等に至るまで、各領域の著名な先生方にご多忙ななか執筆いただく幸運にも恵まれた。したがって、本書のタイトルには「がん化学療法」ではなく「がん薬物療法」という用語を用いることとした。薬剤師の特徴として、生涯を通じて複数の領域を経験することがしばしばあるため、新たな領域に関わる際の領域それぞれの基本的な考え方やこれまでの経緯を速やかに身につけるための参考として、あるいは次世代の新しい治療法開発のための土台として本書が一助となれば幸いである。また、将来がん領域における専門薬剤師を目指す若手にとっても単に認定資格を受けるための参考ではなく、熱い想いの詰まった本書を手に,ベッドサイドにて患者に向き合う際にもぜひ活用いただきたいと考える。

 2016年1月

増田 智先


 

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