イラストでよくわかる
放射線治療・放射線化学療法とサポーティブケア
商品コード |
47219 |
編著 |
監修:池田 恢(市立堺病院放射線治療科部長)
編著:阿南 節子、井関 千裕、北爪 麻紀、河野 えみ子、 櫻井 美由紀、祖父江 由紀子、徳島 裕子
イラスト:櫻井 秀也 |
判型 |
B5判 |
発行日 |
2015年4月 |
ページ |
80頁 |
定価 |
¥2,200(税込) |
在庫 |
|
内容
患者の治療への理解を深め、不安をやわらげるために。
患者に直接みせて使える「イラストブック」、待望の第3弾は放射線治療とサポーティブケア!
●こんな時に使える!!
・医療者が患者に直接イラストを見せて、治療の説明や副作用の対策・日常生活の工夫などを説明できる
・放射線の基礎知識を親しみやすいイラストで解説し、患者の治療への理解を深める
「がん」三大治療のひとつである放射線治療は、医療技術の飛躍的な進歩によって幅広いがんに用いられ、放射線と化学療法との併用など、高い治療効果と副作用の軽減が図られていますが、目に見えない放射線による治療には、患者の不安が大きいのも特徴です。 本書は、「放射線とは何か?」「ベクレル、シーベルト、グレイなどのことばとは?」など、治療を受ける前に理解しておくべき放射線の基本知識や、起こりうる副作用と対策・日常生活の工夫、また就労支援の問題など、がん患者を取り巻くさまざまな事がらについて、親しみやすいイラストを用いて、医療従事者が直接患者に見せて説明できるよう作られています。放射線治療にかかわるすべての医療従事者と患者とのコミュニケーションツールとしてご活用ください。
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目次
Chapter1 がん治療と放射線
1 放射線とは何か
2 遺伝子の損傷と修復
3 放射線治療のメカニズム
4 放射線に関連した「ことば」
5 放射線によるがん治療の考え方
6 放射線治療のしくみ―外照射で重要な再現性
7 放射線治療の方法―外照射
8 放射線治療の方法―RI内用療法,密封小線源治療
9 放射線の治療(外照射)のプロセス
10 放射線の治療―さまざまな外照射治療
11 他の治療法との組み合わせと目的
Chapter2 副作用と対策
12 副作用の起こる時期(急性期,晩期)と症状
13 悪心・嘔吐
14-1 疲労・倦怠感
14-2 放射線治療による宿酔
15 放射線局所療法の副作用
16 放射線皮膚炎
17 脱毛
18 放射線治療による口腔の問題
19 放射線食道炎
20 放射線肺炎
21 放射線性腸炎
22 排尿障害
23 浮腫
24 認知機能への影響
25 骨髄抑制
26 腫瘍崩壊症候群
Chapter3 上手につきあうために
27 食事の工夫
28 放射線治療に関わるスタッフ
29 放射線治療時の注意―患者と家族のために
30 就労支援
31 放射線治療とセクシャリティの問題
32 がんサバイバーシップと「がん患者会」の効用
資料編
1 悪心・嘔吐時の食事の工夫
2 放射線治療中のお勧めの食べ物,控えたほうが良い食べ物
など
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書評
兵庫県立がんセンター がん看護専門看護師 橋口周子
近年、患者や家族の放射線治療に対する関心は高まっており、実際に治療をうける患者も年々増加傾向にあります。しかし、放射線治療は、手術や抗がん剤治療と比較して「イメージがつき辛い治療」であり、その分、未知な体験を目前にして、不安や気がかりを多く抱えることは容易に想像がつきます。患者・家族は、不安を和らげるための対処行動として情報を得ようと行動されることがあります。そのため、自分と同じ患者から話を聞こうと思うでしょうし、医療者に質問することが多くあると思います。ですが、放射線治療を経験した患者は少なく、また、医療従事者でも放射線治療を正しく理解する機会も乏しかったこともあり、患者・家族が正しい情報を得ることが難しい状況でもあります。
本書は、①医療従事者が、放射線治療を受ける患者・家族に、直接イラストを見せながら情報提供・説明が行えるツールとして、②患者・家族の放射線に対する不安や恐怖を少しでも緩和し、放射線治療に前向きに取り組めることを目的に、放射線や放射線治療の概要、有害事象の発生機序や対処方法、日常生活のアドバイスを的確に解説しています。
最近、放射線治療に関する書籍が多く発刊される中、本書は、患者・家族や医療従事者にとって、理解が難しい放射線や治療のしくみについての知識がわかりやすく述べているだけでなく、その知識を患者・家族への説明をする際の考え方や、どのようにそれらの知識を使用し、理解を深めていけばよいのかを具体的に解説しているところは、他書に類をみないところであると思います。
本書が、放射線治療をうける患者・家族にとって、治療そのものを理解し、前向きに取り組む気持ちを支えるだけでなく、がんであっても、放射線治療を受けていても自分らしさを維持できる力を身に着け、また、医療従事者にとっても、患者・家族に対して自信を持って支援できるための一助になることを確信しています。
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