ハイリスク薬フォローアップ

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月刊薬事 2022年7月増刊号(Vol.64 No.10)

ハイリスク薬フォローアップ

検査値×薬物療法のマネジメントスキルを強化する

商品コード 91312
編著 吉村 知哲/編
判型 B5判
発行日 2022年7月
ページ 308頁
定価 ¥4,400(税込)
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内容

●ハイリスク薬と臨床検査値の関係を紐解く!
●注意深く関わりたいハイリスク薬のフォローアップのポイントを紹介
 
薬剤師は、個々の症例の薬物療法を支援するなかで、治療薬の効果や副作用を評価して減量・中止や処方変更の提案など必要な対策を講じますが、特にハイリスク薬では副作用が重篤となるものが少なくないため、注意深くフォローアップすることが大切です。適切なフォローアップのためには患者から聴き取った自覚症状と、臨床検査値や画像データ、バイタルサインの徴候など総合的に評価することが求められます。しかし、現場でそうした対応ができるようになるには相応の経験やトレーニングが求められます。
本増刊号では、ハイリスク薬に関連する臨床検査にスポットをあて、疾患・薬物ごとにフォローアップの際に評価するポイントをわかりやすく紹介します。
 

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目次

第1章 フォローアップのための基礎知識
1 薬物療法のフォローアップに必要なスキルとは?
鈴木 昭夫
2 ハイリスク薬の薬剤管理
森 英樹
3 臨床検査の特徴とその解釈
竹島 秀美、池田 龍二
4 バイタルサインの基礎──血圧、脈拍、体温、呼吸
北原 加奈之
                           
第2章 疾患別にみるハイリスク薬のフォローアップ
1 DAPT(アスピリン+P2Y12 受容体拮抗薬)──PCI後の血栓症予防
岩切 智美、奥村 学
2 DOAC──非弁膜症性心房細動での投与量調節
森 卓之
3 ワルファリン──心臓弁置換術後の管理、PT-INRのモニタリング
石川 良太
4 ジギタリス製剤──うっ血性心不全治療中の血中モニタリング
佐藤 伸輔
5 アミオダロン──心不全に伴う心房細動におけるモニタリング
甲元 大樹
6 Naチャネル遮断薬──頻脈性不整脈におけるモニタリング
山口 洪樹
7 メトホルミン──消化器症状、乳酸アシドーシスなどのリスク管理
吉武 由華
8 GLP-1受容体作動薬──体重・筋肉量を考慮した適正使用
西田 承平、窪田 創大
9 SGLT2阻害薬──CKD合併症例への適応、脱水・ケトアシドーシスの予防
篠田 康孝
10 イメグリミン──モニタリングと血糖降下薬併用時の注意
中村 智絵、松永 安未、久保田 亜希
11 インスリン──血糖値に応じた投与量調節
田﨑 智也
12 テオフィリン──血中濃度モニタリングによる効果と副作用の評価
守屋 昭宏
13 ステロイド──間質性肺炎の組織型に合わせた投与
葉山 達也
14 シクロスポリン──ネフローゼ症候群におけるTDM
櫻井 淳二
15 インフリキシマブ──潰瘍性大腸炎での効果と副作用の評価
宮﨑 元康
16 メトトレキサート──関節リウマチの活動性に合わせた効果・副作用の評価
坂田 志帆
17 フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸──抗てんかん薬の血中濃度・投与量マネジメント
新部 陽子
18 レベチラセタム、ラモトリギン、ペランパネル、ラコサミド
  ──新世代抗てんかん薬の血中濃度・投与量マネジメント
松浦 泰寛
19 リスペリドン──統合失調症への効果・副作用マネジメント
定岡 邦夫
20 アリピプラゾール──統合失調症への効果・副作用マネジメント
坂東 寛、小川 敦、石澤 啓介
21 SSRI・SNRI・NaSSA──うつ病における副作用モニタリング
小川 敦、坂東 寛、石澤 啓介
22 メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン、リスデキサンフェタミン
  ──ADHDにおける効果・副作用のモニタリング
堀田 彰悟
23 S-1──胃がんへの腎機能を考慮した薬物投与
青山 剛
24 EGFR阻害薬──肺がん治療での副作用マネジメント
廣瀨 智惠美、飯原 大稔
25 マルチキナーゼ阻害薬──腎細胞がん治療、ICI併用療法での副作用、合併症管理
藤堂 真紀
26 CDK4/6阻害薬──乳がん治療での副作用マネジメント
郷 真貴子
27 抗アンドロゲン薬──前立腺がんにおける副作用マネジメント
阪田 安彦
28 免疫チェックポイント阻害薬──肺がんへの治療の副作用マネジメント
吉野 真樹
29 注射用カリウム製剤──電解質異常への投与と誤投与防止対策
櫻庭 好祐
30 抗HIV薬──HIV感染症における効果・副作用モニタリング

築地 茉莉子 

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序文

薬物療法を支援するうえで、薬剤師は薬の治療効果や副作用を薬学的観点のみならず、臨床的な観点からも評価する必要があります。特に、ハイリスク薬では重大な副作用が多いことから、より注意深いフォローアップが必要となります。
ハイリスク薬の治療効果や副作用評価に必要な知識は広範にわたり、瞬時に対応が求められることもあります。具体的には、患者の自覚症状を聴き取り評価することに加えて、客観的評価指標として臨床検査値や画像データを確認し評価すること、さらに、バイタルサインの些細な徴候も見逃してはいけません。そのうえ、これらの客観的評価指標は疾患や薬剤によって評価項目が異なることもあり、それらを瞬時に漏れなく的確に評価することは一朝一夕でできるものではありません。臨床現場で対応ができるようになるには相応の経験やトレーニングに加えて、常に情報をブラッシュアップしていくことが必要となります。
2020年9月に施行となった「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」の改正では、服用期間を通じた継続的な薬学的管理と患者支援の義務化、医師などへの服薬状況などに関する情報提供の努力義務化が盛り込まれています。
薬剤師は、投薬して終わりではなく服薬期間を通して患者をフォローアップすることが必要になりました。特に、ハイリスク薬に関しては、診療報酬上で、医療機関においては「薬剤管理指導料1」として評価され、病棟薬剤業務実施加算の算定要件にも「患者又はその家族に対し、ハイリスク薬等の説明を投与前に行うこと」が要求されています。一方、保険薬局においては「特定薬剤管理指導加算1」として評価されています。これは、所属にかかわらずすべての薬剤師にハイリスク薬の投薬期間を通じての管理が求められていることを示しています。
本増刊号では、ハイリスク薬に関連する臨床検査にスポットをあて、疾患・薬物ごとにフォローアップの際に重要なポイントを初学者にもわかりやすく執筆いただきました。
第1章ではフォローアップのための基礎知識として、薬物療法のフォローアップに必要なスキル、ハイリスク薬の薬剤管理、臨床検査の特徴とその解釈、バイタルサインの特徴とその解釈を取り上げました。第2章では、疾患別にみるハイリスク薬のフォローアップとして、ハイリスク薬の12種類について、代表的な薬剤をピックアップして①疾患と臨床検査、②薬の位置づけと使い方、③効果と副作用のみかた、④フォローアップのポイント──といった点から、症例も提示してわかりやすく解説いただきました。
本増刊号を活用することで、臨床での対応のポイントを理解でき、他職種とのコミュニケーションの精度がより高まることを期待しています。
本増刊号を、薬物療法に携わるみなさまの日常的な薬剤業務および患者サポートに役立てていただければ幸いです。
令和4年7月吉日
大垣市民病院 薬剤部長

吉村 知哲 

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