ICH原薬GMP Q&A集 第2版

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ICH原薬GMP Q&A集 第2版

商品コード 47660
編著 日本PDA製薬学会 原薬GMP委員会/編
判型 A5判
発行日 2015年10月
ページ 288頁
定価 ¥4,950(税込)
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内容

●実践的なQ&Aを通して、規制の考え方・ポイントを理解し、対応できる!

初版「ICH原薬GMP Q&A集」(2005年7月刊)は、原薬GMPに関する方法論や事例などについて、日本PDA製薬学会 原薬GMP委員会による編集でQ&A形式でまとめられました。
2005年の初版発刊後、10年が経過し、ICHの進展による新しいガイドラインの発出、原薬を含む医薬品のグローバル化や不良医薬品の増加とともに、日本が2014年7月にPIC/Sに正式加盟を果たすなど、GMPを取り巻く環境は大きく変化しました。
本書では、昨今の規制動向を反映、最新情報を盛り込み、Q&Aの内容を全面的に見直しました。

<本書のポイント>
・日本PDA製薬学会メンバーの知見と経験をもとに、現場の求める実践的な知識をQ&A形式でまとめました。
・日本PDA製薬学会や、原薬GMP委員会が主催したセミナーでの、実際の質疑応答も整理して掲載。

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目次

第1章 序 文
第2章 品質マネージメント
第3章 従業員
第4章 構造及び設備
第5章 工程装置
第6章 文書化及び記録
第7章 原材料等の管理
第8章 製造及び工程内管理
第9章 原薬・中間体の包装及び識別表示
第10章 保管及び出荷
第11章 試験室管理
第12章 バリデーション
第13章 変更管理
第14章 中間体、原薬等の不合格及び再使用
第15章 苦情及び回収
第16章 受託製造業者(試験機関を含む)
第17章 代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者
第18章 細胞培養・発酵により生産する原薬のガイドライン
第19章 臨床試験に使用する原薬

資 料1
資 料2

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序文

   序

医薬品GMPは、1962年に米国で始まり、CGMP、EU-GMPやGMP規則「医薬品の製造および品質管理に関する基準」などその歴史も長く、医薬品の製造現場にも定着している。一方、原薬では、ICH Q7A 原薬GMPのガイドライン発出までGMPの明確な規定がなく、各国でその運用は異なっていた。米国FDAは、1990年代後半にCGMPを適応しつつ、運用面では原薬の査察ガイド(1991年)をもとに査察を実施していたが、現実とのギャップを埋めるために原薬GMPに関するガイダンス(ドラフト)を作成した。EUでは、1970年に発足したPIC(医薬品査察協定)のGMPをもとに、原薬製造所の査察などを行っていた。一方で、原薬製造の主体が、これらの地域から新興国へ移行する中、適正な原薬を確保するため、ICHの3極においても原薬GMPのガイドラインの必要性が認識された。ICHでは、1990年代後半からPICのGMPをもとに、議論がなされ、2000年11月にICH Q7Aとして最終合意(STEP4)に至った。日本では、「原薬GMPのガイドライン」(ICH Q7A、医薬発第1200号)として、2001年11月に発出された。ICH Q7Aは、実質的にグローバルで運用される初のGMPガイドラインとなり、その考え方は、原薬だけでなく製剤のGMPにも参考になるものであった。
ICH Q7Aの発出に伴い、行政当局だけでなくPDAをはじめ各種団体から説明会の開催あるいは解説・解釈などが出されたが、原薬GMPに馴染みの薄い企業にとっては、より実践的なものが必要であった。
日本PDA製薬学会では、ICH Q7A 原薬GMPのガイドライン(以降,Q7と略す)の実践指針の作成を目指し、製薬あるいは関連各社より集まった有志により原薬GMP委員会(2002年5月)を立ち上げ、検討を重ねた。その集大成として、「原薬GMP委員会 報告会」を2003年11月に開催し、Q7の関心の高さを反映して、多くの聴講者を集めた。
その後の報告会、当委員会主催の教育コースやPDA/FDA Joint Regulatory Conference などでの議論、質問などを普遍的な内容へと検討を行い、2005年6月に「ICH 原薬GMP Q&A集―FDAの考えに沿ったQ7Aの実践―」として出版した。しかしながら、本書も初版出版後、10年が経過し、ICHの進展による新しいガイドラインの発出、原薬を含む医薬品のグローバル化や不良医薬品の増加とともに、日米がPIC/Sに加盟するなど、GMPを取り巻く環境は大きく変化した。詳細は後述するが、このような変化を鑑みてQ&A集の全面見直しを行い、この度第2版出版の運びとなった。
2000年代に入り、米国FDAは医薬品品質向上を目指す国際戦略として、他の国々の医薬品行政当局との情報共有の強化ならびに、医薬品品質に関わる科学基準の国際的調和、公衆の健康増進と保護のための技術革新を促進するために、ICHガイドラインの制定に積極的に関与するとともに、コンセンサススタンダードなど(ASTM、ISPEなどのガイドライン)との連携も進めた。その結果、Q7から始まったICHガイドラインの医薬品の承認申請事項以外の分野への拡大は、ICH Qトリオと呼ばれるQ8(製剤開発)、Q9(品質リスクマネジメント)、Q10(医薬品品質システム)ならびにQ11(原薬の開発と製造)に及んだ。特にQ10は、Q7では詳細な記述のない経営陣の責任と医薬品開発の活動まで拡大した医薬品ライフサイクルにおける品質マネジメントシステムに言及している。また、科学とリスクに基づく取り組みを奨励し、製品ライフサイクルの全期間にわたり継続的改善を促進するものでもある。Q7は、新しく発出されたガイドラインと本質的なギャップはないが、発出から約15年が経過したため、ICH-IWGで運用面に関するQ&Aの検討がなされ、2015年7月に合意(STEP4)に至った。
プロセスバリデーション(PV)に関しては、米国FDAから2008年に合理的な実験計画とデータの評価、製品ライフサイクル管理(開発~市販後)、リスクベースのアプローチ、進歩した技術の利用などを盛り込んだPVのドラフトガイダンスが発出され、2011年に最終化した。
EUでも、EU-GMPにPart II(Q7の取り込み)やPart III(GMP関連文書)を追加するとともに、ICH Q9とQ10の概念が加えられた。付属文書(Annex)においても、Annex 1(無菌医薬品の製造)の刷新、コンピュータ化システムバリデーション(CSV)に関連したAnnex 11ならびにバリデーション関係のAnnex 15(2015年10月施行)の改正がなされた。また、Part 1 Chapter 3(施設)とChapter 5(生産)の交叉汚染の防止に関する箇所についても、毒性学的評価〔一日許容曝露量(PDE)や毒性学的懸念の閾値(TTC)など〕が盛り込まれて、2014年8月に最終化(2015年3月施行)された。
このような医薬品ならびにGMPのグローバル化の流れの中で日本は、2012年3月にPIC/Sに加盟申請し、PIC/S GMPとのギャップを解消するため、2013年8月にGMP施行通知(薬食監麻発0830第1号)、同年12月にGMP事例集(2013年版)を発出し、2014年7月にPIC/Sへの正式加盟を果たした。
一方で、医薬品のグローバル化は、不良医薬品(Counterfeit,Falsified Medicineなど)の蔓延や盗難、すり替えなどの犯罪を促進した。Q7はトレーサビリティを含めた流通過程の管理に言及しているが、今後は、さらに管理範囲を広げたGDP(Good Distribution Practice)の観点から、トラッキングシステム構築、コールドチェーンマネジメントや偽造品・不良医薬品の対策を考慮しなければならない。
本書の改訂にあたっては、このような医薬品を取り巻く環境や規制の大きな変化を反映する内容とし、すでに十分に定着したと考えられるQ&Aについては削除した。また第18章については、当時の時代背景を反映して、クラシカル発酵もしくは遺伝子組換え微生物を用いた原薬を対象に記述され、遺伝子組換え動物細胞を用いた原薬に関する内容は非常に少なかった。今回の改訂では、世界的に医薬品の主流が抗体医薬を中心としたバイオ医薬品になるとともに、シングルユース製品の利用が増えてきていることなど、バイオ医薬品の市場や製造技術の大きな変化を踏まえ、初版の内容を見直した上で、抗体医薬原薬製造に関連する内容を大幅に増やし、各Q&Aを該当するその他の各章に関連付けて整理した。
本書は、行政当局の見解をまとめたQ&A集ではなく、日本PDA製薬学会メンバーの知見と経験をもとに、業界標準と考えられる見解や事例をまとめたものであることを前提に、現場で役立つ実用書として活用していただければ幸いである。
最後に、本書の改訂にあたり、貴重な資料や知見、経験の惜しみない提供とともに、執筆、編集に多大な尽力をいただいた日本PDA製薬学会 原薬GMP委員会メンバー各位に感謝申し上げる。

2015年10月

     日本PDA製薬学会 原薬GMP委員会 委員長
         井上 国見
       (協和ファーマケミカル株式会社)

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