Chernobyl Medical Fund Newsletter (3)


事故と健康障害

 チェルノブイリ原発の事故後より、汚染地の住民には種々の疾患が増加していると言われています。

 内分泌臓器の病気(例、甲状腺疾患)、消化器系の病気(例、胃腸障害)、循環器系の病気(例、心臓病)、血液の病気(例、白血病)、中枢神経系の病気などです。

 しかし、これらのうち、明らかに事故との関係が認められ、異常に増加しているのは、子どもの甲状腺ガンだけであります。他の病気については今後も科学的に調査を継続し、その結果を検討すべきであると、1996年の国際会議(オーストリアのウィーンで開催、WHO、IAEA、EUによる合同会議)では結論づけています。その意味では、今後いかなる被害状況が発生してくるのか、注意深く見守っていく必要があると思われます。【汚染地図=GIF画像】

ベラルーシ国立甲状腺ガンセンター

 国立甲状腺ガンセンターは、チェルノブイリ事故後甲状腺ガン、特に小児におけるガンの急激な増加に伴い、1990年、甲状腺ガン専門の診断・治療ならびに研究機関として、保健省の管轄下に設立されました。ただし、財源不足のため、従来からのミンスク腫瘍病院に併設されたのであります。

 センターの総責任者には、長年にわたりベラルーシにおける甲状腺腫瘍疾患の第一人者として活躍してきた、ミンスク医科大学腫瘍学講座のデミチク教授が任命されました。この時点で、ベラルーシ国内における小児甲状腺ガンの外科治療は、原則としてすべてこのセンターで実施されることが定められました。したがって、現在、世界各地に報ぜられるチェルノブイリ事故後の小児甲状腺ガンの実態に関する全情報は、本センターから発信されています。



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