Chernobyl Medical Fund Newsletter (1)


 支援者の皆々様へ

菅谷 昭

 様お元気でいらっしゃいますか。
早いもので、本年もあと残りわずかとなりました。
 2005年、皆様にとってどんな年でしたでしょうか。
 嬉しかったこと、生きる喜びをおぼえたり、夢や希望がかなえられたことなど。
 その反面、悲しかったこと、心を痛めた様々な事故や事件など。
 まさに悲喜こもごも、今年も本当に色々な出来事がありました。でも総じて、一体この先、日本がどうなっていくのかと憂慮せざるを得ない状況にあるような気がしておりますのは私だけでしょうか。取り越し苦労であると願わずにはいられません。
 そんな中で最近、私の心に一つの光明を灯してくれる事柄がありました。
 10月初旬、私が某市の小学校PTA主催の講演会で、「人の生き方に教科書はない」という演題で、保護者や5、6年生を対象に話をさせていただき、後日、子どもたちからの感想文が送られてきました。ここに二人の生徒の文章を掲載させていただきますのでご覧下さい。 

 *写真上:日野原重明先生(過日、文化勲章受章、私の恩師の1人)、小沢征爾氏と一緒(広島市於)

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 私は、去年まで松本市のとなりの朝日村に住んでいました。そんなわけなのか、少し興味があり、いつもより少し熱心に耳をかたむけました。もちろん菅谷さんの生き方にも関心がありました。
 「人間の生き方に教科書はない」すごいですね。心から感動しました。学校から家に帰るまで、そしてその後も思い起こしては感激し、「みんなを支えられる人になりたいな、人の心の中に宿れる人になりたいな、なってやるぞ!」と思ってました。全然聞きづらくなかったので、この事は、はっきりと覚えています。あと、「考えたらそれを行動に移してみる」というのも印象的です。
 考えを行動に移すと、いい事って自分にも返ってくるんですね。喜びやうれしさ、心からの感動などが。
 私は菅谷さんのお話を聞いているとき、すごく楽しかったです。かん者さんが小さなきずを見てうれしがっている所は、自分がその場にいるような気持でした。菅谷さんの一言一言が私の心に強くひびきわたりました。
 私は、菅谷さんのように、考えを行動に移し、それを成しとげられる人になりたいです。めだたなくてもいいから、だれかに幸せをあたえられる人になりたいです。

 菅谷さんの話で、一番印象に残っているのは、「人生に教科書はない」という言葉です。
 しょうがなく医学部に入って、あんなに多くの人を幸せにしたなんてすごいですね。
 そんな、何があるかわからない人生に、決まったことがあるなら、ぼくはそんな人生はいやです。
 ぼくは菅谷さんのお話を聞いて、人にはいろいろな人生はあるけど、決まっていないんだと思い、なにかほっとしました。人生は自分で決められるんだと思いました。先生たちも同じことを言っているような気がします。でも菅谷さんが言うと説得力があります。講演会ありがとうございました。

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 私はこれを読み、子どもたちのこんなにも素直な感性に驚嘆すると同時に、21世紀の日本を担ってくれる彼らの“命”と“健康”をしっかり守ってやることが、私たち大人の責務であると、改めて強く認識しました。皆さんもそう思いませんか。
 来年もどうぞよろしくお願いいたします。
 皆々様のご健勝、ご多幸を祈念しつつ。




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