2026.04.30

2026年度診療報酬改定でかかりつけ薬剤師はどう変わる?評価体系と実務ポイントを解説

2026年度診療報酬改定を受けて、

「かかりつけ薬剤師の評価はどう変わる?」
「これまで取り組んできた患者対応は、今後どのように見直せばいいの?」

と気になっている薬剤師の方も多いのではないでしょうか?
かかりつけ薬剤師は、患者さんの服薬情報を継続的に把握し、必要なタイミングで寄り添いながら支援する存在です。今回の改定は単なる点数の見直しではなく、薬剤師の実務や関わり方そのものに関わるテーマとして受け止める必要があります。

この記事では、まずかかりつけ薬剤師制度の基本を整理したうえで、2026年度診療報酬改定で示された変更の方向性、そして現場で意識しておきたい実務上のポイントを解説していきます。

かかりつけ薬剤師とは?

まずは「かかりつけ薬剤師」がどのような役割を担ってきたのかを解説します。

かかりつけ薬剤師の役割とは

かかりつけ薬剤師の役割は、患者さんの服薬情報を一元的かつ継続的に把握し、その人に合った薬学的支援を続けていくことにあります。
処方箋を受け付けたときだけ対応するのではなく、過去の服薬歴や副作用歴、アレルギー歴、生活背景なども踏まえながら、必要な説明や確認、相談対応を行うことが求められます。

患者さんが本当に服用できているか、飲み忘れが起きていないか、副作用への不安はないか、他院の薬や市販薬との重複はないかといった点まで見ていく必要があります。

また必要に応じて医師へ情報提供したり、処方意図を確認したりすることも、かかりつけ薬剤師の大切な役割の一つです。

なぜかかりつけ薬剤師制度が重要視されてきたのか

かかりつけ薬剤師制度が重視されてきた背景には、高齢化の進行や多剤併用の増加、在宅療養の広がりがあります。

特に高齢患者さんでは、複数の医療機関を受診していたり、服薬管理そのものが難しくなっていたりすることもあります。かかりつけ薬剤師制度は、そうした日常の薬学的管理を支える仕組みとして位置づけられてきました。

また地域医療の中で薬局に求められる役割が広がってきたことも大きな要因です。地域で暮らす患者さんを継続的に支えるには、処方箋応需だけでなく、療養生活全体を視野に入れた支援が必要です。
今回の2026年度改定でも、こうした流れの延長線上で対人業務や継続支援の実績をより重視する方向が示されています。

従来の評価はどうなっていたのか

従来は、かかりつけ薬剤師に関する評価として、かかりつけ薬剤師指導料やかかりつけ薬剤師包括管理料といった独立した項目が設けられていました。

この評価の考え方には、継続的な服薬支援や24時間対応、在宅対応といった役割をきちんと位置づけるという意義がありました。
一方で、2026年度改定の概要ではこうした従来の包括的な評価のあり方が見直される方向が示されています。

2026年度診療報酬改定とかかりつけ薬剤師の関係

ここからは、今回の本題である2026年度診療報酬改定とかかりつけ薬剤師の関係について整理していきます。

診療報酬改定でかかりつけ薬剤師はどう変わる?

2026年度診療報酬改定の概要では、かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料の廃止になりました。
その上で、電話等による患者フォローアップ、残薬調整に係る患家訪問、服薬状況等に係る総合的な管理・評価など、かかりつけ薬剤師としての服薬管理指導の実務に対する評価を行う方向が示されています。

これまでのように、かかりつけ薬剤師という枠を設けて包括的に評価するだけでなく、実際にどのような継続支援を行ったのかが、より重要になります。

そのため、現場では「点数がどう変わるか」だけでなく「これから何を実践し、どう記録していくべきか」という視点が必要になります。

包括的評価から実績重視の評価へ

今回の改定の方向性を理解するうえで、もっとも重要なキーワードの一つが「包括的評価から実績重視の評価へ」という考え方です。

これまでの包括的評価はかかりつけ薬剤師として患者さんに継続的に関わる体制や枠組みを評価する側面が強くありました。今回の2026年度改定では、その枠組みの中で実際にどのような支援を行ったのか、どのように患者さんの服薬管理に関わったのかといった実績が、より重視される流れになります。

現場感覚で言えば、「かかりつけ薬剤師として関わっている」と言うだけでなく、「その関わりによって何を実施したのか」を示す必要が高まるということです。患者フォローアップ、残薬対応、服薬状況の把握、必要な働きかけなどが、これまで以上に重要な意味を持つようになるでしょう。

2026年度診療報酬改定で対人業務がより重視される背景

今回の見直しは、かかりつけ薬剤師だけに限った話ではありません。
調剤報酬全体として、薬局・薬剤師業務の対人業務における評価を見直す流れが続いており、その中でかかりつけ薬剤師の評価も再編されていると見ることができます。

背景には、薬局に求められる役割の変化があります。
これからの薬局には単に調剤を正確に行うことに加えて、患者さんの療養生活に継続的に関わり、必要なタイミングで支援を行うことが求められています。

2026年度 診療報酬改定における主な変更点

ここでは2026年度改定における主な変更点をかかりつけ薬剤師に関する内容に絞ってご説明します。

かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止

まず押さえておきたいのは、かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料の廃止が示されたことです。
これまで独立した評価項目として位置づけられていたものが見直された形になります。

この変更だけを見ると「かかりつけ薬剤師の評価が弱くなるのでは」と感じるかもしれません。
しかし実際には、役割そのものが軽く見られているわけではありません。むしろ、これまで包括的に見ていたものを、より具体的な実務に即して評価する方向へ移していくと考えましょう。

服薬管理指導の実務を評価する仕組みへの見直し

2026年度改定の概要では、電話等による患者フォローアップ、残薬調整に係る患家訪問、服薬状況等に係る総合的な管理・評価の実施など、服薬管理指導の実務を評価する方向が示されています。

患者さんの服薬実態を把握し、必要に応じて介入することが、これまで以上に重要になると考えられます。

現場としては日々の服薬支援を点ではなく線で捉える意識が、より求められるようになるでしょう。

2026年度改定では継続的な実務がより問われる

かかりつけ薬剤師制度では、患者さんとの関係性や同意の扱いが実務上の大事なポイントになってきました。
2026年度改定でも、その前提が完全になくなるわけではないと考えられますが、今回の見直しでより強く打ち出されているのは、継続的な実務の評価です。

形式としての同意や登録だけではなく、その後にどのような支援を行ったのかが、今後はより重要になります。
患者さんの服薬状況を追えているか、残薬や副作用の問題に気づけているか、必要なフォローにつなげているか。そうした日々の実践がこれまで以上に問われるようになるでしょう。

かかりつけ薬剤師に求められる対人業務の変化

ここからは2026年度改定を踏まえて、かかりつけ薬剤師に求められる対人業務がどう変わっていくのかを整理していきます。

今回の改定で特徴的なのは、患者さんへの継続支援をより具体的な実務として捉えている点です。日常業務の中で「どの患者さんに、どのようなタイミングで、どのような支援を行うのか」をこれまで以上に意識する必要が出てくるでしょう。

服薬フォローアップの重要性が高まる

電話等による患者フォローアップが評価の方向性として示されたことで、来局後の継続支援の重要性はさらに高まると考えられます。
患者さんは薬局を出た後の生活の中で、はじめて服薬の困りごとに直面することも少なくありません。服薬開始後の状況確認には大きな意味があります。

かかりつけ薬剤師としては、患者さんが薬を受け取った後も継続して見守る姿勢がより重要になります。

在宅・患家訪問を含む支援の位置づけ

2026年度改定の概要では、残薬調整に係る患家訪問や、在宅患者訪問薬剤管理指導の促進も対人業務に関する見直しとして示されています。
これは、外来の窓口対応だけでなく、患者さんの生活の場そのものに入り込んだ支援が重視されていることを意味します。

今後は、かかりつけ薬剤師の役割を考える際にも外来対応だけで完結しない支援が一つの柱になっていくでしょう。

薬剤師として今後意識したいポイント

最後に制度改定を踏まえて、薬剤師として今後どのようなことを意識していきたいかを解説します。改定はその場限りのイベントではなく、日々の実務や学び方を見直すきっかけにもなります。

2026年度診療報酬改定の情報を継続的に確認する

2026年度の改定内容について現時点で示されている概要だけでは、運用の細部までは分かりません。今後の正式な告示・通知等を継続的に確認する姿勢が重要になります。

最新情報を受け身で待つのではなく、自分から確認しにいくようにしましょう。

制度理解だけでなく実務力も磨く

制度の知識はもちろん重要ですが、それだけでは十分ではありません。
今後は患者フォローアップ、残薬調整、継続的な服薬支援など、実務の質そのものを高めることがより重要になります。

患者さんにとって必要な支援を実際に行い、その支援を継続できる力がなければ、改定の流れにうまく対応することはできません。

書籍や専門情報を活用して改定対応を深める

今回のように制度変更と実務の変化が強く結びついているテーマでは、単なる速報だけでなく、背景や現場対応まで整理された情報に触れることが大切です。
制度の言葉だけを追うよりも、薬剤師としてどう実践していくかを考えながら学ぶほうが、理解も深まりやすくなります。

改定対応をきっかけに、普段から信頼できる情報源に触れる習慣を持つことは、今後の実務にもキャリアにもプラスになります。

まとめ

2026年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止と、包括的評価から実績重視の評価への転換が示されました。

今後は、患者フォローアップ、残薬調整、服薬状況の総合的な管理、患家訪問を含む継続支援など、かかりつけ薬剤師としての実務が、これまで以上に重要になります。

制度が変わる時は現場の支援の質を見直す機会でもあります。
今後の正式な告示・通知等を確認しながら、制度理解と実務力の両方を積み重ねていくことが、これからのかかりつけ薬剤師にとってますます大切になっていくでしょう。

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