2026.07.21

これならわかる診療報酬 新設項目から実務対応まで徹底解説!【月刊薬事2026年5月号】

これならわかる診療報酬 新設項目から実務対応まで徹底解説!【月刊薬事2026年5月号】

 令和8年度診療報酬改定では、「薬剤総合評価調整加算」の見直しや、「病棟薬剤業務実施加算1」の新設など、多職種連携における情報共有の強化に向けた改定が注目を集めています。そこで、今年度改定の内容を踏まえ、薬剤師に期待される役割や今後の展望について、特集オーガナイザーの眞野成康先生に話を伺いました。


社会からの薬剤師への期待に応えるには

 診療報酬は診療や調剤行為に対して支払われる公定価格であり、医療者の給与の源泉である。一方で、専門的な業務が国、すなわち社会からみていくらと評価されているのか、その公定価格を通した視点に立てば、その価格が医療者のもつ職能を医療現場で活かすうえでの社会の要請度合と捉えることもできる。したがって、診療報酬の算定を意識して業務にあたることは、結果的に社会の要請レベルに見合う形で患者に安全な医療を提供する、すなわち薬物療法を適正化することにつながるものと考えられる。
 2010年4月の「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(医政発0430第1号)の発出後、最初の診療報酬改定(2012年度診療報酬改定)で「病棟薬剤業務実施加算」が新設された。奇しくも同時期に薬学教育6年制の最初の卒業生が輩出され、病棟における薬剤師の存在そのものが社会に求められるようになった。その後も「薬剤総合評価調整加算」や「周術期薬剤管理加算」、「術後疼痛管理チーム加算」のほか、外来がん治療における保険薬局と連携した治療管理を評価する「連携充実加算」や、診察前面談を評価する「がん薬物療法体制充実加算」も新設され、病院薬剤師の業務が病棟から外来へとさらに拡がりをみせている。また、高度でかつ複雑な医療の外来通院治療への移行や高齢者医療ニーズの増大に伴い、入退院連携や在宅医療の推進がますます重要視されている。
 2026年2月13日に、中央社会保険医療協議会より厚生労働大臣あてに診療報酬改定について答申された。今回は30年ぶりの大幅なプラス改定(+3.09%)として注目されているが、そのうち賃上げや物価上昇への対応、経営環境の悪化への緊急対応に2.9%があてられる。その他では、病院機能の分化や地域医療の強化、外科医の負担軽減などの医師偏在対策のための対応が特徴的だが、薬物療法の適正化に向けた病院薬剤師への期待も大きいと感じる改定である。
 本特集では、診療報酬の基本を復習しつつ、現在の保険医療を取り巻く課題を整理したうえで、2026年度診療報酬改定における薬剤師業務に関連した新設項目や拡充項目などを確認したい。さらに近年の診療報酬改定項目を入院前から入院時、入院中、および退院時あるいは退院後の業務に関連するものなどに整理しつつ、施設ごとの工夫や取り組み事例をご紹介いただく。読者の皆様の今後の業務展開の参考になれば幸甚である。

眞野 成康

月刊薬事2026年5月号

月刊薬事 2026年5月号(Vol.68 No.6)

【特集】これならわかる診療報酬 新設項目から実務対応まで徹底解説!

令和6年度の診療報酬改定では、病院薬剤師の業務に対する大改定がありました。それらの変更に対し、現場ではどのように対応し、算定取得に向けて進めているのか、各施設における工夫や取り組みを紹介します。また、令和8年度の診療報酬改定で新設された項目についての解説と算定のための注意点ついて、最新の情報をお届けします。

目次はこちら

特集にあたって――社会からの薬剤師への期待に応えるには……眞野 成康

■診療報酬、そもそもの話
 最初に知りたい、基本の診療報酬………川上 純一
■社会背景から今後を予測する、診療報酬にまつわるTopics
 高額療養費制度の見直し…………渡邊 大記
 薬剤師の賃上げ事情………………渡邊 大記
 OTC類似薬の自己負担の見直し …渡邊 大記
■新設項目は? 2026年度診療報酬改定
 薬剤師業務にかかわる2026年度診療報酬改定一覧(医科を中心に)………眞野 成康  薬剤総合評価調整加算……… 澁田 憲一
 「病棟薬剤業務実施加算1」(300点)とPBPM………寺田 智祐、片田 佳希
 後発品にかかわる診療報酬改定………川上 純一
 医療DXにかかわる診療報酬改定………舟越 亮寛
■〈実践編〉ここ最近新設された加算にどう対応してますか?
【入退院時】
 入退院時の薬剤師連携にかかわる診療報酬………室井 延之
 褥瘡ケアにかかわる診療報酬………関根 祐介
 周術期にかかわる診療報酬…………柴田 ゆうか
 病院薬剤師の研修にかかわる診療報酬……………崔 吉道

【退院時・退院後】
 退院後のフォローアップにかかわる診療報酬……丸一 泰雅
【がん治療(主に外来)】
 がんにかかわる診療報酬………小澤 有輝

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