サクッと学べる! OTC薬ポケットメモ [第2回]

この連載では、薬剤師や登録販売者が押さえておきたいOTC医薬品の選び方や販売時の注意点について、ポイントを絞って解説することで、明日からの実務に役立つ知識がサクッと身につきます!
患者さんからよくあるQ&Aや、より詳しい商品比較については、書籍「商品選びの超決定版 OTC薬ポケットマニュアル」をご参照ください。
皮膚の乾燥は年齢や生活環境などさまざまな要因で生じ、症状に合わせた適切なOTC医薬品を選ぶことが重要です。保湿成分にはヘパリン類似物質や白色ワセリン、尿素のほか、痒みを伴う場合に有用な配合剤など多くの選択肢があり、部位や症状に応じた使い分けが求められます。そこで今回は、乾燥症状への基本的なアプローチから成分・剤形の選び方を解説します。
薬剤選びのキホン
OTC医薬品における保湿剤には、ヘパリン類似物質や白色ワセリン、尿素の他に、これらの保湿成分に鎮痒薬などを加えた配合剤があります。商品を選択する際は、年齢などの基本的事項を確認したうえで、「乾燥する部位は、どのあたりですか?」と症状を聞き取るとスムーズに対応しやすいでしょう。
乳幼児は生後数カ月を過ぎると過剰だった皮脂分泌が低下することで乾燥しやすくなり、高齢者は加齢に伴い皮脂や角質の水分保持能が低下することで乾燥しやすくなります。また、皮膚が乾燥する原因は、空気の乾燥や紫外線などの物理的要因のほか、アトピー性皮膚炎や透析などの疾患・治療による要因の場合もあります。
妊娠中や授乳中の場合は、ヘパリン類似物質や白色ワセリン、尿素の使用が検討できます。
皮膚の乾燥
まずは保湿効果の高い成分であるヘパリン類似物質が候補となります。ヘパリン類似物質は医療用医薬品においても頻用されている成分であり、持続性の高い保湿作用に加え、血行促進作用、抗炎症作用などがあります。乳幼児から高齢者まで頻用されている成分ですが、血液凝固を抑制する作用があることから、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の人には使用できないため注意が必要です。
白色ワセリンは乾燥を直接改善するわけではないですが、皮膜を作ることで皮膚から水分が蒸発するのを防ぎます。皮膚の保護も目的とした場合に、低コストで有用な選択肢となるでしょう。
尿素は水分保持作用とともに、角質軟化作用も有します。乾燥によるかさつき、硬くなってしまった(角化症)手やかかとなどに適しています。ただし、皮膚刺激作用があるため、傷口や炎症部位には使用できません。
乾燥の症状に痒みを伴う場合は、保湿成分に抗ヒスタミン薬や鎮痒薬などを加えた配合剤が候補となります(ステロイド外用剤と保湿剤などを併用することも可)。また、ビタミンA、ビタミンE、組織修復成分のアラントインなどさまざまな成分を配合した商品があります。
しもやけ
寒さなどによる血行不良が原因となるしもやけには、ヘパリン類似物質を選択します。
ひび、あかぎれ
軽度なひび、あかぎれには、まずはヘパリン類似物質を選択しますが、薬剤による刺激が気になる場合は白色ワセリンも候補となります。
保湿剤に含まれる成分の注意点を以下の表にまとめました。
剤形の選び方
剤形はクリーム剤、ローション剤、スプレー剤など多様です。さらに、クリーム剤は水性・油性、ローション剤は乳液タイプや化粧水タイプなどに細かく分かれているため、使用する部位や使用感の好みなどに応じて選ぶとよいでしょう。手の届きづらい背中の乾燥などには、広範囲に塗布できるスプレー剤が向いています。

OTC薬ポケットマニュアル
定価3,630円(本体3,300円+税10%)
来局者の背景から"選んではいけない商品"を見分けるテクニックが満載!
第1章では、薬効群ごとに、症状や患者背景に応じた薬剤選びのポイント、受診勧奨の目安などをコンパクトに整理。また、250品以上の商品を写真付きで解説し、それぞれの特徴や使い分けのコツをわかりやすく紹介しています。第2章では、妊婦・授乳中に使用できない商品や、乗り物の運転が不可となる商品など、現場で「これだけは押さえておきたい」という情報を一覧形式で掲載。ポケットサイズでサッと確認でき、「選んではいけない商品」の見極めにも役立ちます。知識の引き出しを増やし、症状に合わせたイチ押し商品を選びたい方におすすめです。
