【連載】シンプルに始める 薬剤師の生成AI仕事術[Case3]①

この連載では、薬剤師の日常業務で生成AIを活用する際に“どのようなプロンプト(質問、命令)を生成AIに入力すれば、どのような回答が得られるか”を、具体的な事例に沿って解説します。欲しい結果を得るためのプロンプト作成のコツが身につきます!
Case3 医薬品安全性情報を抜粋したい①
今回は、Drug Safety Updateから当院採用医薬品の情報を抜粋します。
入力プロンプト
#医薬品安全性情報:添付のPDFは、日本製薬団体連合会が発行している医薬品安全対策情報Drug Safety Update (DSU)です。これを医薬品安全性情報の情報源としてください。DSUには、新たに使用上の注意などが改訂された情報について、医薬品個別に掲載されており、前半に 「重要」な改訂情報が、その後の 「その他」の改訂情報が記載されています。各改訂情報は,一般名 (成分名)および薬効分類のタイトルの次に改訂情報が示され、表の下に対象となる個別の医薬品名が列挙される構造を繰り返しています。
#当院採用医薬品リスト:添付のcsvファイルには、当院採用医薬品の個別医薬品名(販売名;1列目)と一般名(成分名;2列目)が格納されています。
#出力内容:医薬品安全性情報の中から、当院採用医薬品の情報 (個別医薬品の販売名と一致するもの)だけを抜き出し、各改訂情報について、以下の項目を出力してください。
・ 安全性情報区分(「重要」か「その他」か)
・ 対象となる個別医薬品名 (販売名)
・ 改訂情報(改訂された項目名、「新設」・「追加」・「削除」などの区分,および改訂内容)
#留意事項:元資料のPDFにならい、実際に追加改訂された部分については下線かつ太字としてわかりやすく表示してください。
ワンポイントアドバイス
👉 PDFの読み込みは、生成AIはあまり得意ではなく、特に表形式の読み取りはかなり苦手です。そのためDSUの構造について、生成AIに丁寧に説明しましょう
👉 今回の課題は、製品名と一般名が登場するので、採用医薬品リストについても丁寧に解説しましょう
👉 どの項目とどの項目を掛け合わせて抽出するかも記載しましょう
👉 必要な出力項目を具体的に指示しましょう
👉 改訂部分を太文字で表記してもらうなど、その後に加工する手間が少なくなるように指示しましょう
各生成AIのオススメ度
このCaseでは、①複数のファイルを添付すること、②PDFの中身を解析すること、③2つのデータを掛け合わせること(しかも標準コードなどのように完全一致しない可能性が高い日本語レベルで)など、かなり高度な要求をしていることがご理解いただけるかと思います。
さて、こんな複雑な処理を求められた場合に、今の高性能モデルたちは高い精度の回答を生成してくれるでしょうか。
《②に続く(会員限定)》
1996年北海道大学卒。医薬品情報専門薬剤師、上級医療情報技師、診療情報管理士、日本メディカルAI学会公認資格、ディープラーニング実装師A級などの資格をもち、情報(AI)に強みをもつ


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