2025.08.01

薬剤師・医療ニュース from じほう[2025年8月上旬]

院外処方の点数、院内の約7倍に「なぜ?」

 厚生労働省は17日の中医協「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に、薬剤師が処方箋調剤をした際に算定できる診療報酬の点数が、院外処方の場合は院内処方の約7倍になっているという「イメージ」を提示した。委員からは「なぜ同じ業務で対価に差がつくのか分からない」と再検討を求める声が上がった。一方、点数を調整した結果の「院内回帰」を危惧する意見も出た。

 厚労省は、「医師の処方に基づく医薬品の調剤に係る診療報酬(技術料)の合計(イメージ)」として、服用時点が異なる内服薬が2種類、28日分処方されたケースで点数を提示。外来院内処方の場合、算定できる診療報酬は、▽調剤技術基本料2(14点)▽調剤料1イ(11点)▽薬剤情報提供料(4点)▽手帳記載加算(3点)―の計32点と計算した。

 一方、院外処方の調剤報酬は、▽調剤基本料1(45点)▽薬剤調製料1(48点=24点×2)▽調剤管理料1ハ(100点=50点×2)▽服薬管理指導料1(45点)―の計238点と算出。「院内と院外で調剤に関わる報酬上の評価には差がある」と記した。

 

ー 患者がメリット理解しているか」問う声も


 この資料などを踏まえ、牧野憲一委員(旭川赤十字病院特別顧問・名誉院長)は「薬剤師による同じ業務で対価で差がつくのが分からない。これが薬局の増加、裏返しとして、病院薬剤師が不足に陥っている要因とも言える」と指摘。「これだけ差があることを患者がメリットとして理解できているのか、今一度検討する必要がある」と訴えた。

 

ー 厚労省「現状示した」


 厚労省の担当者は会議の記者向けの説明で、院外と院内の「差」を示す資料を提示した意図を問われ、「現状の点数を一通り示した」と答えるにとどめた。


|2025年7月17日・PHARMACY NEWSBREAK

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入院中「2種類以上減薬」がハードルに

 17日にあった中医協「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に、入院時のポリファーマシー対策の現状が報告された。総合的な評価と処方変更、多職種連携を評価する薬剤総合評価調整加算(100点)は伸びつつあるが、要件のうち「入院期間中に2種類以上の減薬」がハードルになっているという。

 薬剤総合評価調整加算の2023年6月審査分の算定件数は7793件。前年から552件伸びているほか、4年前の19年と比べると約3倍になっている。ただ、24年度「入院・外来医療等における実態調査」によると、薬剤総合調整加算を算定できない理由としては、「入院期間中に2種類以上の減薬が難しい」が最も多く、その背景としては、「入院期間が短い」「処方変更への反応を確認しながら1剤ずつ減量する必要がある」などが寄せられた。

|2025年7月17日・PHARMACY NEWSBREAK

零売の省令規定「現行法令に準じた範囲で」

 厚生労働省医薬局の大原拓薬事企画官はじほうの取材に応じ、改正医薬品医療機器等法の施行に向けた方針を語った。今後省令で定める、零売が「やむを得ない場合」や零売時の順守事項については、「現行法令で規定されている対応に準じた範囲で設定・明確化する想定」だと説明。診断行為に当たらないよう、既往歴や服用歴から「医師が診断済み」であることの確認は大前提になるとした。

 5月に成立、公布された改正薬機法では、全ての医療用医薬品を原則処方箋必須とし、処方箋医薬品以外の医療用薬の処方箋なしでの販売(零売)は省令で定める「やむを得ない場合」にのみ可能とすることが盛り込まれた。

 零売はこれまで厚労省が「法的根拠がない通知で規制してきた」として行政訴訟も起こされているが、大原氏は、通知で示してきた内容は「基本的に(改正前の)現行法令に基づいている」と指摘する。

 現行の薬機法と施行規則でも、処方箋薬以外の医療用薬を含む「薬局医薬品」を販売する際、適正使用のために必要と認められる数量に限ることや、必要に応じてOTC医薬品など他の医薬品の使用を考慮したり受診勧奨したりすることなどを求めている。

 ただ、こうした対応を行った上でないと零売してはならないという“禁止規定”が「現行法令にはなかった」とし、法令に書かれていないことを理由に「不適切な事例」も見られたことから、今回の改正法で明確に規定することになったとした。

 公布から2年以内の法施行に向けて、零売が「やむを得ない場合」や零売時の順守事項を省令で定めることになるが、「現行法令で規定されている対応に準じた範囲で設定・明確化していくことが想定される」と大原氏。具体的には、「医師に処方され服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元にない状況となり、受診もできず、OTC薬などで代用できない場合」を例示した。

 「受診できない場合」や「OTC薬などで代用できない場合」の解釈については、「例えば『OTC薬は添加剤が合わないので、いつも使っている医療用薬がいい』という患者もいると聞くので、そういった個々の患者の事情を踏まえて(薬剤師が判断する)というところになるのかなと思う」としつつ、省令やガイドラインでどこまで規定するかは現時点では未定だと強調した。

 また大原氏は、「疾患名」に基づく効能・効果や用法・用量で承認されている医療用薬を薬剤師が「診断」に当たらないよう零売するためには、「医師が診断済み」であることの確認が必須になると指摘。患者の既往歴や服用歴の確認は大前提であり、省令でも明確化する方針を示した。

|2025年7月22日・PHARMACY NEWSBREAK

創部の洗浄など従来以上に厳重に実施を

破傷風トキソイド出荷停止で、救急医学会など

 沈降破傷風トキソイド「生研」が出荷停止となったことを受け、日本救急医学会の溝端康光代表理事と日本外傷学会の渡部広明代表理事は17日までに、両学会員向けに連名で注意喚起を行った。両学会員に対し、今まで以上に創部の洗浄やデブリドメント(壊死組織や感染組織、異物などを除去し、創傷を浄化する治療法)を厳重に実施するよう呼びかけている。日本救急医学会の横堀將司理事が明らかにした。

 両学会の代表理事は、同剤の出荷停止によって、救急・外傷診療の現場に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘。今後の動向を注視することも説明している。

 同剤の効能・効果は破傷風の予防。初回免疫では3~8週間隔で2回接種する。医薬品医療機器総合機構(PMDA)が作成している患者向け医薬品ガイドには「初回免疫、追加免疫、または再追加免疫を受けた人で、破傷風感染の恐れのある負傷を受けたときは直ちに1回接種を受けてください」と記載されている。

 同剤を巡っては、製造工程の適格性の検証結果に疑義が生じたため、製造販売元のデンカから販売元の田辺三菱製薬に対する入庫遅延が発生。6月19日から限定出荷を開始していた。その後、デンカにおける製造工程の適格性の再検証にさらなる時間を要することが分かり、田辺三菱は、今月9日から同剤の出荷を停止することを医療関係者向けサイトで周知していた。

|2025年7月17日・ 日刊薬業

飲酒量低減治療補助アプリ収載へ

キュア・アップが開発

 中医協総会は16日、医療機器3製品、臨床検査1製品の保険適用を了承した。この中にはCureApp(キュア・アップ)のアルコール依存症治療補助プログラム「CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ」も含まれる。同プログラムの保険収載予定日は9月1日。

 使用目的は、アルコール依存症患者の飲酒量低減治療補助。患者用と医師用のアプリで構成される。同社によると、患者が飲酒量や体調を患者用アプリに入力。その情報を基に、アプリを通じて、疾患に関する情報提供や個別化された目標の提案を行い、減酒に向けた患者の行動変容を促す。また、医師は医師用アプリで患者ごとのデータや、心理社会的治療の支援コンテンツを確認することができる。

 医療機器としての保険適用決定区分はC2(新機能・新技術)、保険償還価格は7010円。ピーク時(発売5年度目)の使用患者は9819人、販売額は7.2億円と予測する。

 

ー エムポックス核酸検出の検査も収載へ


 東洋紡の臨床検査「ジーンキューブMPXV」の保険適用も了承した。エムポックスウイルス核酸検出のための定性PCR法となる。ウイルス感染が疑われる患者に対して、診断を目的に用いる。保険収載予定日は8月1日。

 決定区分はE3(新規項目)で、保険点数は700点。ピーク時(初年度)の使用患者は2700人、販売額は1890万円と予測する。

|2025年7月16日・ 日刊薬業

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