薬剤師・医療ニュース from じほう[2025年11月上旬]

中医協の特A「除外規定」廃止論に困惑――モール薬局関係者、“後付けペナルティー”には憤り
10月24日の中医協総会で、特別調剤基本料A(特A)の除外規定の廃止を求める意見が出たことに対して、医療モールの薬局を手がける薬局関係者から困惑の声が上がっている。不動産取引など医療機関と「特別な関係」がある場合、医療モールの薬局が特Aに転落しかねないためだ。特別な関係のあるなしにかかわらず、これまでルールにのっとって運営してきた薬局に対し、“後付けペナルティー”を科すような方向性には憤りを訴える関係者もいる。
敷地内薬局をテーマとした同日の中医協では、医療機関と特別な関係のある薬局で集中率が50%を超える店舗を対象とした特Aの施設基準を巡り、「当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」とされている除外規定について議論。診療・支払い側双方から廃止論も出た。単に廃止されれば、薬局と医療機関が賃貸借関係などにある医療モールの薬局には特Aが適用されることになる。
こうした動きに、大阪府内の医療モールで薬局を運営する薬局の幹部は「後出しじゃんけんだ」と強く反発。「もともと問題はなかった出店形態なのに、後からいろいろ理由をつけてペナルティーを科すようなやり方はやめてほしい」と憤る。仮に、特別な関係があるからといって医療モールの薬局を特Aの対象とするのであれば、新規出店の薬局のみを対象にするべきだと主張する。
関東で医療モールの薬局を手がけるチェーンも「後付けのペナルティーは皆、対処に困る。ルールにのっとってやっているつもりが途中からルールが変わるというのは(対応が)大変」と訴える。同社の医療モールの薬局は基本的に薬局も医療機関もテナントで入居しているため、特別な関係はないが、除外規定は「現状のままでいいのではないか」と考えている。
―特別な関係があるケースは少ない?
関西で医療モール開発を進める薬局の経営者は今回の廃止論について、「利益供与に当たるかどうかがポイント」と受け止める。同社は薬局と医療機関が契約を結ぶ形態ではないため、特別な関係には当たらず、今後も医療モールの開発を続ける考えだ。「私の知る限り、特別な関係がある医療モールの薬局はほとんどないのではいか」と見立てる。
一方、仮に医療モールの店舗が特Aになった場合には、「非常にマイナス。経営的なダメージがあり、モールの薬局のうまみはなくなる」と率直に語る。中医協の議論に関しては「毎回この時期の議論は一番きつい議論が行われて、そこから折衷案が出てくる」と予想する。
―遡及につながるなら「断固反対」
医療モールに取り組むあるドラッグストア関係者は、仮に医療モールの薬局が特Aに該当することになれば、「多くの薬局が影響を受ける」と懸念。モール型の薬局でも広域の処方箋を取り扱い、さらに予防やセルフケアにも貢献しているとし、この部分は評価されるべきだと強調した。
薬局チェーン関係者は、いわゆる「特別調剤基本料Aの除外規定の抜け道を巡る議論が、現行ルール下で運営されてきた敷地内薬局への遡及につながる方向であるならば、断固として反対する」との姿勢を表明した。
|2025年10月31日・PHARMACY NEWSBREAK|
塩野義のザズベイ、承認を了承――第一部会、注意喚起の文言を次回報告
厚生労働省は30日に薬事審議会医薬品第一部会を開催し、塩野義製薬の「ザズベイ」(一般名=ズラノロン)の製造販売承認を了承した。田辺三菱製薬の「ユプリズナ」(イネビリズマブ〈遺伝子組換え〉)は「IgG4関連疾患の再燃抑制」の効能追加を了承された。承認関連の審議事案は、この2件のみ。
ザズベイは既存薬とは異なる作用機序を持つ抗うつ薬で、シナプスやシナプス外のGABAA受容体に対するポジティブアロステリックモジュレーター。新有効成分含有医薬品として申請され、製造販売承認を了承された。効能・効果は「うつ病・うつ状態」。
ただし、他剤からの切り替えや他剤への上乗せに関しては、添付文書で注意喚起する方針だ。臨床試験で他剤への上乗せで有効性を示せなかったため。次回の部会で、他剤との併用や上乗せに関する注意喚起について、添付文書の文言を報告する。承認予想時期は最短12月で変わらない。
―報告品目は1件
報告品目は1品目のみ。ノバルティス ファーマの「ベオビュ」(ブロルシズマブ〈遺伝子組換え〉)は「増殖糖尿病網膜症」の効能追加と、用量の追加を報告した。また「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」について、現在は4週間隔で投与開始しているが、6週間隔を追加した。
そのほか、希少疾病用医薬品の指定取り消しも了承された。ノーベルファーマのシロリムスは、「限局性皮質異形成II型に伴うてんかん発作」の予定効能・効果で指定を受けていたが、開発中止に伴い、取り消される。
|2025年10月30日・日刊薬業|
チャンピックス供給再開、4年以上ぶり――ファイザーの禁煙補助薬
ファイザーが、ニトロソアミン問題への対応を理由に4年間以上にわたって停止していた禁煙補助薬「チャンピックス」の供給を、30日から再開したことが分かった。再開の前提となる製造方法等変更に関する一部変更承認が下りたためだ。供給が再開されたことで、医療機関の間で、休止していた禁煙外来を復活させる動きが広がる可能性もありそうだ。
同社は医療関係者向けサイトで、同剤の供給を30日から通常出荷の形で再開することを周知。「長期出荷停止で多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」との謝罪コメントも載せた。
同剤は、禁煙治療の中心的な薬剤として使用されていたが、ニトロソアミンが社内基準値を超えて検出されたため、2021年6月に日本を含む全世界で出荷停止になった。その後、同社は基準値を満たすための製造方法等変更に関する一変承認申請を24年7月末に行った。当初は承認を経て25年上半期に出荷を再開する予定だったが、今年6月に延期を発表。その際に同社は「新たな再開時期は未定だが、承認取得後に速やかに再開できるよう準備を進める」としていた。一変承認が下り製造を再開したことや、需要予測を踏まえても安定した出荷が可能と判断したことから、供給再開に踏み切った。
|2025年10月31日・PHARMACY NEWSBREAK|
外来抗菌薬、Access群27%止まり――北海道名寄市で実態調査、WHO目標届かず
薬局システムを手がけるファルモ(東京都新宿区)は28日、北海道名寄市における外来での抗菌薬使用の実態調査結果を発表。薬剤耐性化の危険性の少ないAccess群の使用割合は27%にとどまったと報告した。一方で、供給不足の影響で、通常は最後の手段とされる「Reserve群」の使用が増加する傾向が確認されたため、安定供給と適正使用の両立が課題だとしている。
WHOは薬剤耐性菌(AMR)が世界的な公衆衛生上の脅威となっていることから、抗菌薬を臨床的重要性と薬剤耐性化の危険性の観点から3つのカテゴリー(リスクの低い順にAccess、Watch、Reserve)に分類。使用される抗菌薬全体のうち、Access群の割合を60%以上にすることを目標に掲げている。
一方で、同社によると日本では地域ごとに外来での抗菌薬の使用実態を明らかにした研究は少なく、特に地方都市のデータが不足しているという。こうしたことから、名寄市内の7つの薬局を対象に、2022年7月~25年3月に受け取った約3万件の抗菌薬の処方箋データを分析した。
結果は、全処方のうち81.1%が14日以内の短期処方で、その中では特に、第2・第3世代セフェム系薬やニューキノロン系薬などWatch群が多用されていた。また、全処方の22.5%を占めるWatch群のセファクロルに供給不足が発生した後、Reserve群のファロペネムの使用が増加していた。
同社は、これら結果を受け「地域薬剤師会や基幹病院、行政を主体とし、抗菌薬の使用状況を可視化し、適正使用に向けて改善を試みていくことが重要」と指摘している。
|2025年10月28日・ PHARMACY NEWSBREAK |
高用量インフルワクチン、定期接種追加「妥当」――厚労省小委
厚生労働省の小委は22日、高齢者対象の高用量インフルエンザワクチンについて、定期接種に加えることを「妥当」と判断した。国立健康危機管理研究機構(JIHS)が提出したファクトシートなどを踏まえ、有効性や安全性、費用対効果が十分と評価した。
ファクトシートによると、高用量ワクチンは標準量と比べて発症予防効果や入院予防効果が優れていたほか、年齢が高いほど相対的な有効性が高い傾向がみられた。安全性についても重篤な有害事象の頻度が同等だった。
費用対効果については、75歳以上を対象とした場合が最も良好となった。ただ、現行の標準量ワクチンの対象者が、65歳以上と60~64歳で基礎疾患を持つ人であることや、65歳以上に対する高用量の費用対効果も良好だった点を踏まえ、委員からは「柔軟に選べるようにすることが重要」などの意見が出た。
今後は来年度の定期接種化を念頭に、具体的な対象者や運用方法などを親会議の「予防接種基本方針部会」で議論する見通し。
―RSVの母子免疫ワクチン、「費用対効果優れる」
同日は小児のRSウイルス感染症予防についても議論した。母子免疫ワクチンを定期接種した場合に関し、非接種と比べて「費用対効果に優れる」とする厚生労働科学研究の報告があった。一方、抗体製剤を投与する場合は「費用対効果の観点からは検討を要する」とされた。
ワクチンと抗体製剤のいずれについても今後、定期接種化を視野に予防接種基本方針部会で議論が進められる方向。ただ、抗体製剤は費用対効果に関して引き続き小委で検討を重ねる方針とした。
小委の正式名称は厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の予防接種基本方針部会「ワクチン評価に関する小委員会」(委員長=鈴木基・国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所感染症疫学センター長)。
|2025年10月22日・ MEDIFAXweb |
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