薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年1月上旬]

長期品の選定療養、「2分の1」に引き上げへ――「特別な料金」で自維合意
自民党と日本維新の会の両政調会長が12月19日に交わした合意文書には、長期収載品の選定療養で患者が負担する「特別な料金」を引き上げる方針も盛り込んだ。維新の斎藤アレックス政調会長は同日の会見で、長期品と後発医薬品の価格差の「2分の1」とすることで自民側とも合意していると明言した。
長期品の特別な料金を巡っては、中医協の議論で現行の「4分の1」から「2分の1以上」に引き上げる方向で一致。最大で「全額負担」まで拡大する可能性があったが、自民と維新の合意を踏まえて、「2分の1」で検討が進められるもようだ。
合意文書ではこのほか、「長期処方・リフィル処方箋の活用」についても明記。症状の安定している患者に対する一定の医薬品については、「長期処方・リフィル処方箋の原則化」を視野に入れ、「長期処方・リフィル処方箋に対応している旨の院内掲示を必須要件とする」医療機関を拡大するとした。
さらに、栄養保持を目的とした医薬品のうち、代替可能な食品が存在する「食品類似薬」について、経口による通常の食事から栄養補給可能な患者に対する使用は保険給付外とする方針も打ち出した。
― トータルで「約1880億円」の医療費削減効果
斎藤氏は、合意事項のうち、「OTC類似薬の保険給付見直し」で約900億円、「食品類似薬の保険給付見直し」で約340億円、「長期品の選定療養拡大」で約290億円、「長期処方・リフィル処方の推進」で約350億円の財政効果を見込んでいると説明。医療費ベースで合計約1880億円を削減し、現役世代を含む国民負担の軽減につなげると強調した。
|2025年12月19日・PHARMACY NEWSBREAK|
薬剤師の総数、32万9000人で過去最多更新――24年三師統計、伸び率は鈍化傾向
厚生労働省は12月23日、2024年末時点の医師・歯科医師・薬剤師統計(三師統計)の結果を公表した。薬剤師の総数は32万9045人で前回22年と比べて1.7%増加し、過去最多を更新。ただ伸び率は鈍化傾向で、6年制1期生の卒業年という特殊要素があった12年の1.3%増を除けば、今回の伸び率1.7%増は前回22年の0.5%増に続き、過去30年で2番目の低さだった。
三師統計は2年に1度、年末を基準にした届け出を基に集計している。薬剤師の総数は、1990年(15万627人)から約2.18倍、2000年(21万7477人)から約1.51倍に増加。90年代は2年間で10%近く増加する年もあり、2000年代も5%前後で伸長。一方、10年代に入ると5%を上回る年はなくなり、▽20年3.4%増▽22年0.5%増▽24年1.7%増―と波はあるものの伸び率は鈍化しつつある。
24年の年齢ごとの増減を見ると、29歳以下の薬剤師数は2.0%減と減少に転じた。構成比率では、30~39歳が26.6%を占め最多。▽40~49歳22.5%▽50~59歳19.6%▽60~69歳13.1%▽29歳以下12.8%―となっている。平均年齢は薬局薬剤師が46.8歳、病院薬剤師が42.5歳、診療所薬剤師58.4歳などだった。
薬局薬剤師は19万7437人で3.5%の大幅増で、病院・診療所薬剤師は6万3290人で1.3%増だった。
― 人口10万人当たり、最多は徳島・最少は沖縄
人口10万人当たりの薬局・病院薬剤師(診療所含む)の人数は210.6人で、22年時点と比較して8.0人増加した。都道府県別に見ると、徳島の256.6人が最多で、▽兵庫245.6人▽東京240.3人▽大阪232.4人―と続いた。最少は沖縄の155.3人で、次いで▽福井170.4人▽青森175.5人▽三重186.0人―の順で少なかった。
人口50万人以上の政令指定都市・特別区で見ると、神戸市の275.6人が最多で、浜松市の209.8人が最少だった。主に人口20万人以上の中核市別では、甲府市の317.4人が最多、岡崎市が157.7人で最少。類似する人口規模の都市間でも、薬剤師の地域偏在が生じている。
|2025年12月23日・PHARMACY NEWSBREAK|
OTC類似の「77成分」提示――医療保険部会、対象製品は今後精査へ
厚生労働省は12月25日の社会保障審議会医療保険部会で、「特別の料金」の対象となるOTC類似薬77成分を示した。ヘパリン類似物質やエピナスチン塩酸塩などが含まれる。保険外併用療養費制度による新たな負担スキームを2027年3月に施行するため、来年1月からの通常国会に関連法案を提出する。厚労省は77成分に対応する医療用医薬品の品目について、医学的観点を踏まえながら検討する構え。
参考資料によると、77成分は「OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、1日最大用量が異ならない医療用医薬品を機械的に選定した」もの。厚労省保険局は記者向けの説明で、今後、成分の入れ替えや成分数の追加・削除が行われる可能性が「絶対にないとは言えない」としつつ、「これ(77成分)を基に、具体的な品目を精査していく」と説明した。その上で、専門家らによる医学的見解や、薬剤の対象患者などの観点を踏まえ、対象となる品目(製品名)を何らかの会議体で定めていく考えを示した。
そのため、現時点では77成分の五十音順の成分名と、「去痰薬」などの用途のみを示した。成分に対応する品目は明示されていない。ただし、24日の大臣折衝では、約1100品目を対象とすることで合意している。
また1日最大用量が「同じ」ではなく、「異ならない」と表現した理由については、「例えば(薬剤に)1日最大用量が規定されていないケース」があり、こうした場合は77成分に該当する可能性があるためだと説明した。
― 長期品選定療養と重複の場合は?
城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、長期収載品の選定療養で新たに後発医薬品との価格差の「2分の1」相当が選定療養の対象となることに言及。その上で、今回の77成分の「特別の料金」の対象について、「両制度(長期品選定療養とOTC類似薬)にまたがる薬剤もあるのではないか。その点も踏まえ、自己負担額が過重にならないよう丁寧な制度設計と運用をお願いしたい」と述べた。
この点についても保険局は記者向けの説明で、「OTC類似薬で『特別の料金』を徴収する場合、長期品の選定による『特別の料金』は徴収しないことを想定している」と述べた。長期品選定療養とOTC類似薬の両制度で二重に追加負担が生じることはなく、OTC類似薬の「特別の料金」だけが生じることを説明した。
― 3割負担者は薬価の「47.5%」
「特別の料金」の対象薬剤については、薬価の「4分の3」には従来通りの保険が適用され、残る「4分の1」は特別の料金として全額負担となる。このため3割負担の患者であれば、保険適用部分として22.5%と、特別の料金として25%、合わせて47.5%が、薬価に占める患者の負担割合になる。通常の3割負担と比べると、17.5%の負担増になる。
ただし、元々の薬価が安ければ、患者の負担額も大きくは増えない可能性がある。また子どもや慢性疾患患者など、そもそも配慮が必要な患者については、こうした負担増を免除する想定だ。
25日の医療保険部会では、医療保険制度改革の最終的な「議論の整理(案)」を示した。前回「P」(ペンディング)だったOTC類似薬の記載を含め、大筋で案を了承した。
|2025年12月25日・日刊薬業|
新医薬品22製品を一括承認――10月以降の部会通過品目、厚労省
厚生労働省は12月22日、10月以降に薬事審議会の医薬品第一・第二部会を通過した新医薬品22製品を承認した。医薬品部会で審議した19製品と、医薬品部会に報告した3製品が対象。「体液貯留」の過少集計を理由に、一度は承認が見送られたヤンセンファーマ(J&J)の新医療用配合剤「リブロファズ配合皮下注」についても、改めて承認が下りた。
10月に医薬品部会を通過した品目のうち、新薬の薬価収載に関わらない7製品(既存品の効能追加など)は11月20日付で承認されている。それ以外の中外製薬の濾胞性リンパ腫治療薬「ルンスミオ皮下注」や、塩野義製薬の抗うつ薬「ザズベイカプセル」など、これから今後薬価収載する品目が承認された。ルンスミオは新剤形の追加。
11月27日の第二部会を通過した品目には、カルビスタファーマシューティカルズの新規血漿カリクレイン阻害薬「エクテリー錠」などがある。同剤は遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作に対する国内初の経口治療薬。またグラクソ・スミスクライン(GSK)の抗IL-5モノクローナル抗体「エキシデンサー皮下注」は、気管支喘息と鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の2つの効能・効果を取得した。
12月3日の第一部会通過品目には、キッセイ薬品工業が成長ドライバーとして期待する子宮筋腫治療薬「イセルティ錠」などが含まれている。
リブロファズは8月の第二部会で承認を了承されたものの、その後、申請資料に記載していた副作用の「体液貯留」が、実際より少ない数で報告されていたことが判明し、9月の承認を見送っていた。ヤンセンが修正データを再提出し、添付文書およびRMP(医薬品リスク管理計画)の修正を行ったことを受け、今回の承認に至った。
日本新薬のCD123阻害薬「エルゾンリス」に対しては、一定数の症例が集まるまでの間、小児患者の全例調査を行うよう求める承認条件を課した。同剤は、小児患者に対する臨床試験成績がなく、海外でも使用経験が限られており、医薬局の医薬品審査管理課長と医薬安全対策課長が22日に連名の留意事項通知を出した。
|2025年12月22日・日刊薬業|
薬局薬剤師の残薬確認、報酬上評価へ弾み――中医協総会、継続管理や患者宅訪問が対象
2026年度診療報酬改定に向けて開かれた12月19日の中医協総会では、薬局薬剤師による残薬確認を後押しする意見が相次いだ。厚生労働省は、外来患者の残薬の継続管理や残薬確認のための患者宅訪問を想定。これら業務について、調剤報酬上での評価に弾みがついた形だ。
厚労省が今年度に実施した患者調査では、自宅に残薬があると回答した患者は全体の約半数に上った。残薬が増加するほど「整理したい」と考える患者の割合が高くなる傾向も示された。また、別の調査では、薬局薬剤師が残薬に対応するきっかけとして「患者とのやりとり」が最も多く、特にかかりつけ薬剤師が患者から受ける相談の約6割が残薬に関するものだった。一方、課題として残薬調整を行おうとしても「患者が全ての薬剤を持参しない」ことが挙げられている。
森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、外来患者でも薬剤師が患者宅を訪問して残薬確認や整理に取り組んでいると説明。医師と連携した残薬の継続管理と併せて、調剤報酬上の評価を新設するよう求めた。これに対し、江澤和彦委員(日本医師会常任理事)も訪問による残薬確認は「多職種連携による残薬対応として意義のあること」などと述べた。
松本真人委員(健保連理事)も「薬剤師の対人業務として残薬の確認をぜひしていただきたい」と歓迎。ただし、評価の「新設」ではなく「要件や基準を見直すことが現実的だ」と述べた。また、評価対象は「実際に在宅患者を訪問するといった、より踏み込んだ取り組み」に限るよう求めた。
|2025年12月19日・PHARMACY NEWSBREAK|