薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年1月下旬]

最低薬価は3.5%引き上げ――24年度の平均乖離率以内が条件【中医協】
厚生労働省は16日の中医協薬価専門部会で、2026年度の薬価算定基準の見直し案を示し、了承された。この中で、最低薬価を3.5%引き上げることを報告し、剤形ごとの改定後の最低薬価も示した。25年度改定では3%引き上げだったため、前回から0.5%分、引き上げ幅が拡大した。ただし、24年度の最低薬価品目の平均乖離率(12.1%)を超えた品目は対象外となり、引き上げを受けられない。
薬価制度改革の骨子に従い、最低薬価については、新たに外用塗布剤で規格単位に応じた価格が設定された。具体的には、日本薬局方収載品の塗布剤は1g当たり「10円80銭」に決まった。規格単位が「1g」ではなく「10g」や「1mL」のケースでも、同様に「10円80銭」となる。
点眼・点鼻・点耳液には、点眼剤の最低薬価を適用することも決めた。局方収載品の点眼剤は「92円50銭」から「95円70銭」に引き上げられ、点眼・点鼻・点耳液は点眼剤と同じ「95円70銭」で設定された。その他の引き上げ後の薬価は表の通りで、いずれも3.5%の上げ幅となる。
― 3.5%の根拠は「物価など勘案」
引き上げ幅を「3.5%」とした根拠について、事務局の保険局医療課は「24年9月から25年9月までの過去1年間の国内企業物価指数の前年同月比などを総合的に勘案して設定した」と説明した。
また平均乖離率要件で、直近の25年度薬価調査ではなく前回「24年度」の平均乖離率を参照する理由については、「1年前(24年度調査)の平均乖離率よりも安売りしているものについて、最低薬価引き上げを見合わせるため」と趣旨を説明した。
― 150億円超・2倍以上なら類似薬に再算定
同日示された薬価算定基準案では、昨年末の薬価制度改革の骨子には明記されていなかったルールの細部も判明した。これまで市場拡大再算定の類似薬は、市場拡大再算定が発動すると「共連れ」ルールで再算定を受けていたが、「共連れ」の廃止に伴い、類似を理由とした再算定はなくなった。ただし類似薬が、効能追加を問わず四半期再算定のタイミングで「年間販売額の合計額が150億円を超え、かつ基準年間販売額の2倍以上」などの基準を満たす場合には、その品目が再算定に該当するかどうかを判断する仕組みになった。
|2026年1月16日・日刊薬業|
リジュセア、選定療養の対象に――参天製薬の近視進行抑制薬【中医協】
中医協総会は9日、参天製薬の近視進行抑制薬「リジュセア」(一般名=アトロピン硫酸塩水和物)を選定療養の対象にするとともに、治療に関する検査の技術料を保険外併用療養費とし、同剤の薬剤費を患者の負担にする方向で了承した。点数など詳細については今後議論する。2月の答申を経て、6月に施行する予定。
同剤を巡っては、現在、近視の診断から投与までの一連の行為が全額自由診療となっている。ただ近視の診断や、眼鏡やコンタクトレンズ着用に必要な診療行為は通常、保険診療として行われている。そのため、コンタクトレンズの着用を目的に受診した患者が、同剤の処方も希望した場合、近視の診断と近視進行抑制治療が「混合診療」と見なされる恐れがある。
そこで厚生労働省は、同剤を選定療養の対象にするとともに、治療に関する検査(屈折検査)の技術料を保険外併用療養費としてカバーし、薬剤費を患者の全額自己負担とすることを提案した。
― 診療側と支払い側、共に賛同
診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、同剤を選定療養の対象とする方針に賛同し、検査に関して、学会のガイドラインを踏まえた適切な制度設計を求めた。
支払い側の松本真人委員(健保連理事)も、同剤を選定療養とする方針に賛同した。同剤を選定療養の対象とすることについては、コンタクトレンズ着用の場合との公平性の観点から「やむを得ない」としつつ、すでに薬事承認取得後に自由診療で処方された製品について選定療養の対象となることは「望ましくない」とコメント。今回の対応はあくまで「例外的な対応」との認識を強調した。
― 改定整理案、薬価は骨子から変わらず
厚労省は9日の中医協総会に、2026年度診療報酬改定に関するこれまでの議論の整理案を示した。薬価に関する記載部分は、昨年末に了承された骨子の段階から大きな変更はない。今後、中医協にもう一度諮り、その後パブリックコメントを募る予定だ。
|2026年1月9日・日刊薬業|
アスピリン、添文改訂指示――重大な副作用に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」
厚生労働省医薬局医薬安全対策課は13日付の課長通知で、アスピリン(一般名)や同成分の配合剤などについて、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう指示した。重大な副作用として、新たに「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追加する。
アスピリン単剤と、▽アスピリン・ダイアルミネート▽アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩▽アスピリン・ランソプラゾール▽クロピドグレル硫酸塩・アスピリン―については、「重大な副作用」に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追加する。
一般用のかぜ薬・解熱鎮痛薬であるアスピリン含有製剤やアスピリンアルミニウム含有製剤についても、同様の副作用症状に関する注意喚起を追記する。
― クリースビータで「高カルシウム血症」
一方、協和キリンのヒト型抗FGF23モノクローナル抗体のブロスマブ(遺伝子組換え、製品名「クリースビータ」)に関しては「重要な基本的注意」に、「本剤の投与により、血清カルシウムまたはPTHが上昇する可能性がある」と明記し、同剤投与前・投与中の定期的な血清カルシウムとPTH測定を求めている。
関連の改訂として、「重大な副作用」の項に「高カルシウム血症」の記述を新たに加え、高カルシウム血症に基づくと思われる臨床症状が出た場合には、投与を中止するよう求めている。
― ツイミーグで「重度の食欲減退」
住友ファーマの糖尿病用剤イメグリミン塩酸塩(「ツイミーグ」)については、「重大な副作用」として「重度の食欲減退、嘔吐」を加え、「食欲減退、嘔吐から脱水状態に至った症例が報告されている」との内容を追加する。
|2026年1月13日・日刊薬業|
病院薬剤師の施設間情報連携を評価へ――中医協、残薬対応で処方箋様式見直しも検討
9日の中医協総会で示された、2026年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論の整理案では、ポリファーマシー対策として、病院薬剤師による施設間の情報連携を促進し、転院・退院後も継続的な薬物治療が行えるよう、薬剤総合評価調整加算の要件や評価を見直すことが記載された。また、薬学的介入の実績を適切に評価するため、病棟薬剤業務実施加算についても、薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導の実績に応じた評価へ改めるとしている。
この他、薬局が患者宅で残薬の存在を確認した場合に、医療機関と連携して円滑に処方内容を調整できるよう、処方箋様式を見直す。処方箋様式は、長期処方やリフィル処方箋を推進する観点からも検討するとしている。
|2026年1月9日・PHARMACY NEWSBREAK|
薬剤師国試、29年度から5科目に再編へ――改訂コアカリ対応、出題形式の変更も
2024年度入学生から適用された新たな薬学教育モデル・コア・カリキュラム(改訂コアカリ)に対応した薬剤師国家試験の見直し方針がほぼ固まった。試験科目は、これまでの7科目から、改訂コアカリの大項目である「社会と薬学」「基礎薬学」「医療薬学」「衛生薬学」「臨床薬学」の5科目に変更する。科目間を横断して出題する「複合問題」は、科目の組み合わせの自由度を高め、薬剤師としての実践的能力をより適切に評価する。29年度の第115回国試から適用する予定。
厚生労働省は昨年12月26日、医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会を開催。国試の在り方に関する基本方針案について、部会長一任で取りまとめることを了承した。
基本方針案では、試験科目について、現行の「物理・化学・生物」「衛生」「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「法規・制度・倫理」「実務」の7科目から、改訂コアカリの大項目に合わせた5科目に改めると明記。改訂コアカリの大項目には「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」と「薬学研究」もあるが、これらについては独立した科目立ては行わない。
問題数は、▽必須問題=90問▽一般問題(理論)=125問▽一般問題(実践)=120問―の計335問とする。総合的理解を問う出題が増加している現状を踏まえ、一問当たりの解答時間を確保する観点から、複合問題の出題数をこれまでより10問削減する。
複合問題や連問は一般問題(実践)で出題し、必須問題や一般問題(理論)は単問のみの出題とする。いわゆる「禁忌肢」を含む問題については、引き続き出題する。過去に出題された問題の利活用については、全問題の20%程度とする。合格基準は従来の方針を継続する。
― CBTでの一部代用 「現時点では難しい」
これまでの検討会では、試験科目のうち「基礎薬学(物理・化学・生物)」の評価は、実務実習前に実施する薬学共用試験「CBT」に集約できないかについても検討したが、「現時点では難しい」と結論付けた。CBTは単問のみで構成され、実務実習を行うための知識レベルを確認するもので、総合的な理解度を問う国試とは試験としての性質や求める能力が異なるとした。
基本方針案については今後、微修正を加えた上で、年度内に決定版を厚労省ホームページで公表する。
|2026年1月8日・PHARMACY NEWSBREAK|