2026.02.02

薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年2月上旬]

抗てんかん剤、運転一律禁止を解除へ――厚労省・安全対策調査会

 厚生労働省の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は28日、経口の抗てんかん剤5成分について、一律に「自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させない」ようにする現行添付文書の「使用上の注意」を見直す方針を了承した。今後、「医師の判断に基づき可能」とする内容に改める。
 日本てんかん学会が提出した要望書に基づき、同調査会が審議した。同学会は▽道路交通法では、てんかん患者の自動車運転が一律に禁止されておらず、医師の診断書に基づき公安委員会が可否を判断している。可否の判断後も疾患の状態や抗てんかん剤の影響などを加味した医師の指導に基づき、患者が運転している▽「継続投与では、運転技能に臨床的に意味のある影響を与えない」とする論文が公表された―ことを示した。併せて同学会は、運転の可否を判断する医師が注意すべき「留意事項」もまとめた。
 これらを踏まえ、同調査会は「医師が留意事項を十分理解した上で慎重に判断・指導する」内容への添付文書改訂について異論を唱えなかった。ただ、当該成分は後発医薬品メーカーも多いことから、医療関係者への適切な周知を徹底することなどを念押しした。
 対象の5成分は▽カルバマゼピン(先発医薬品名「テグレトール」)▽バルプロ酸ナトリウム(「デパケン」「セレニカ」)▽ラモトリギン(「ラミクタール」)▽ラコサミド(「ビムパット」)▽レベチラセタム(「イーケプラ」)―。いずれも、ガイドラインなどで第1選択薬として位置付けられており、論文でも検討対象になった。ラコサミドやレベチラセタムの注射剤は、経口剤を服用できない場合やてんかん重積状態に使用される性質のため、今回の改訂の対象から除外された。


― アデムパスとゾコーバ/ゾキンヴィの併用禁忌も解除へ


 また、肺高血圧症治療薬リオシグアト(「アデムパス」)と新型コロナウイルス感染症治療薬エンシトレルビル フマル酸(「ゾコーバ」)および早老症治療剤ロナファルニブ(「ゾキンヴィ」)の併用禁忌を解除することも了承した。当該製剤の添付文書について、「併用禁忌」から削除し、「併用注意」で注意喚起を行う内容に改訂する。
 リオシグアトとエンシトレルビル フマル酸およびロナファルニブの併用については、昨年4月の同調査会でも議論されたが、併用時の代謝酵素CYP1A1に対する阻害作用をin vitro試験データで確認した上で再審議することとされた。その後、提出されたデータを踏まえ、併用禁忌解除は可能との判断に至った。

|2026年1月28日・日刊薬業

服用薬剤調整支援料2、「薬剤レビュー」を評価――研修受講のかかりつけ薬剤師が要件

 2026年度調剤報酬改定の個別改定項目(短冊)で、厚生労働省は服用薬剤調整支援料2の要件と評価を見直す方針を示した。患者の服薬状況を総合的に管理・評価し、処方医に「必ずしも減薬によらない」処方提案を行った場合を評価する。実質的に、いわゆる「薬剤レビュー」を評価する内容となる。特定の研修を受けたかかりつけ薬剤師が実施することを算定要件とする方針だ。
 これまで服用薬剤調整支援料2は、処方医への重複投薬などの解消に向けた減薬提案を評価するものだった。今回の改定では、「必ずしも服用薬剤数の削減によらない服用薬剤調整支援の手法が策定されている状況」を踏まえた評価に見直す。
 「患者の服薬状況などに係る総合的な管理・評価を行うために必要な研修」を受けたかかりつけ薬剤師が、6種類以上の内服薬を服用している患者の薬剤を継続的・一元的に把握・評価し、必要な調整を処方医に文書で提案した場合に算定可能とする。同一患者に対して半年に1回に限り、かかりつけ薬剤師1人当たり月4回まで算定できる。
 具体的に必要な実施事項として、▽薬物治療に関する患者やその家族の主観的情報の聴取▽検査値などの客観的情報の収集▽患者の生活状況や意向の聴取▽各服用薬剤による治療効果・有害事象の評価▽解決すべき薬剤関連問題の特定・整理▽薬剤調整後の観察計画と対応案の立案―を求める。詳細は、別途、通知で示すとしている。


― 短冊に「薬剤レビュー」の文言はないが…


 薬剤レビューの研修を10年以上にわたって開催してきた上田薬剤師会の飯島裕也常務理事は、同支援料2で求められる内容について、「まさに薬剤レビューだ」と指摘する。
 薬剤レビューは、薬剤師が患者の薬物治療を最適化するための「包括的かつ高度な専門業務」とされ、①患者の病歴やOTC薬を含めた薬歴、生活情報などを収集②その情報を基に患者が抱える薬物に関連した問題を特定③医師への処方提案や患者への情報提供を行う―という3ステップで実施される。減薬に限らず、追加の処方も含めた提案が求められる。
 厚労省の担当者も、同支援料2の見直しは実質、薬剤レビューを評価するものであると認めた上で、短冊に「『薬剤レビュー』と書いてしまうと一意に定まらないので、その文言は用いないこととした」と説明した。


― 研修」の質担保を 日薬・森氏


 担当者は同支援料2について、「かなり高度な取り組みを求める予定。(算定要件の)研修は座学だけでなく、実務も想定している」とも話した。28日の中医協で森昌平委員(日本薬剤師会副会長)も、「研修の質の担保」の必要性を訴えた。
 研修内容についてはまだ具体的な方針が示されていないが、飯島氏は「学会など一定の規模があり中立的な機関が担うのではないか」との見方を示した。
 見直し後の同支援料2の点数は未定だが、飯島氏は、薬剤レビューにかかる業務負荷や、患者アウトカム向上への貢献を踏まえて、これまでの点数(最大110点)を大幅に上回る評価を期待した。

|2026年1月30日・PHARMACY NEWSBREAK

審議品目の承認了承――第二部会、ファイザーのツカイザなど

 厚生労働省が29日に開いた薬事審議会医薬品第二部会で、ファイザーのヒト上皮増殖因子受容体-2(HER2)選択的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)「ツカイザ」など5つの審議品目が了承された。
 ツカイザは新有効成分含有医薬品で、効能・効果は「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能または再発乳がん」。同剤は2025年9月時点で、米国と欧州を含む50以上の国と地域で承認されている。
 残りの審議品目は効能追加などで、アストラゼネカ(AZ)の喘息治療薬「テゼスパイア」は「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」の効能追加と、それに伴う用量追加となる。
 ノバルティス ファーマのヒト型抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体「イラリス」は、「シュニッツラー症候群」の効能追加と、それに伴う用量追加となる。
 AZの全身性エリテマトーデス治療薬「サフネロー」は既存の「点滴静注300mg」に加え、新投与経路として「皮下注120mgオートインジェクター」を追加する。
 武田薬品工業のフォン・ヴィレブランド病(VWD)治療薬「ボンベンディ」は、小児用量を追加する。同剤は20年3月に「VWD患者における出血傾向の抑制」の効能・効果で承認を取得。現在は18歳以上の患者を対象としている。
 報告品目は3つ。MSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ」は、「局所進行頭頸部がんにおける術前・術後補助療法」の効能と用量追加を報告した。
 ファーマエッセンシアジャパンの長時間作用型モノペグ化プロリンインターフェロン「ベスレミ」は、新たな漸増方法を追加する。同剤は23年3月に「真性多血症(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)」の効能・効果で承認されている。
 ノバルティスの「メキニスト」は事前評価済みの公知申請品目。「がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣がん」の新効能・新用量医薬品として報告した。
 このほか、IPSENの分子標的薬「オジェンダ錠100mg、同ドライシロップ300mg」(一般名=トボラフェニブ)について、条件付き承認制度の適用対象とすることが報告された。申請された効能・効果は「BRAF遺伝子変異または融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫」。厚労省医薬局医薬品審査管理課によると、条件付き承認で申請があった場合は部会に報告するルールがあり、それに基づく手続きという。
 また承認条件の解除3件、再審査結果7件の報告のほか、審議品目として希少疾病用医薬品6件の指定が了承された。

|2026年1月29日・日刊薬業

26年度改定、「短冊」議論一巡――中医協総会、「門前減算」に意見なし

 中医協総会は28日、前回に続き2026年度診療報酬改定の個別改定項目(いわゆる短冊)を取り上げ、議論が一巡した。調剤報酬を巡っては、病院の近隣など薬局密集地域や医療モール内に新規開局する場合の「門前薬局等立地依存減算」など、都市部への新規開局抑制を目的とした項目が盛り込まれているが、委員から目立った発言はなかった。もう1回「短冊」の議論をした後、2月前半に答申をまとめる。
  森昌平委員(日本薬剤師会副会長)の意見は1点のみ。服用薬剤調整支援料2の算定要件には新たに、「かかりつけ薬剤師」で、「患者の服薬状況などに関する総合的な管理・評価をするために必要な研修」を受けることが盛り込まれる。このことを踏まえ、「資質や能力などを備えた薬剤師が対応することが重要。質が担保できるような研修内容であるべきだ」などと求めた。これ以外の項目には触れなかった。


― 都市部の小規模薬局増加に「歯止めを」松本委員


 松本真人委員(健保連理事)は、調剤全体について、「薬局ビジョンに沿って薬局の立地を門前から地域に移行させるために、敷地内薬局の広がりや都市部における小規模薬局の増加に歯止めをかけることが重要」と強調。敷地内薬局については「駆け込み開局」を防ぐためにも、短冊通りに進めるよう求めた。
 このほか、調剤管理料を巡っては内服薬を調剤した点数を4区分から2区分(28日分以上の長期処方とそれ以外)への見直しを評価。重複投薬・相互作用等防止加算を廃止し、新たに「調剤時残薬調整加算」と「薬学的有害事象等防止加算」に分けて評価することも「賛同」するとした。
 後発医薬品調剤体制加算を廃止し、医薬品の安定供給を確保する取り組みも評価する「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ改編することにも賛同した。

|2026年1月28日・PHARMACY NEWSBREAK

審議品目3件の承認了承――第一部会、アクイプタやソホノスなど

 厚生労働省は23日、薬事審議会医薬品第一部会を開催し、アッヴィのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬「アクイプタ錠」とIPSENのレチノイン酸受容体ガンマ(RARγ)作動薬「ソホノスカプセル」など、審議品目3件が了承された。
 アクイプタの効能・効果は「片頭痛発作の発症抑制」。2025年11月時点では、この適応症で欧米を含む60超の国・地域で承認されている。経口CGRP受容体拮抗薬としては、ファイザーの「ナルティーク」(適応症は「片頭痛発作の急性期治療および発症抑制」)に続き国内で2剤目となる。
 アクイプタについては、小児開発の治験計画届が提出され、開発が実施中であることから8年(予定)の再審査期間を10年(予定)に延ばすことも了承された。
 ソホノスの効能・効果は「進行性骨化性線維異形成症」。投与対象は成人と8歳以上の女児、10歳以上の男児で、25年12月時点で米国を含む5カ国で承認済み。
 アクイプタとソホノスの2剤は新有効成分含有医薬品。審議品目のもう1剤は、ノボ ノルディスク ファーマの「キーンス配合注 フレックスタッチ」。効能・効果は「インスリン療法が適応となる2型糖尿病」。共に週1回投与の基礎インスリン製剤「アウィクリ」と、GLP-1受容体作動薬「オゼンピック」を配合した。キーンスは新医療用配合剤で週1回投与となる。
 このほか審議事項として、太陽ファルマの高血圧・狭心症・不整脈・片頭痛治療剤プロプラノロール塩酸塩(一般名、製品名「インデラル錠10mg」)を特定用途医薬品に指定することを了承した。小児と乳幼児に適した0.5mg錠の開発を提案したことが評価された。
 希少疾病用医薬品7件の指定も了承された。対象品目は▽エーザイのE2086(開発コード、予定効能・効果=ナルコレプシー)▽太陽ファルマのメキシレチン塩酸塩(一般名、球脊髄性筋萎縮症)▽バイエル薬品のBAY3401016(アルポート症候群)▽三和化学研究所のパルツソチン塩酸塩(先端巨大症・下垂体性巨人症)▽インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンのアキサチリマブ(遺伝子組換え、造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病)▽アストラゼネカのテゼペルマブ(遺伝子組換え、好酸球性食道炎)▽サノフィのリルザブルチニブ(IgG4関連疾患)―。
 このほか報告品目として一部変更承認の4件、再審査結果6件が報告された。

|2026年1月23日・日刊薬業

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