2026.06.16

薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年6月下旬]

選定療養、4割超の病院でGE採用に影響――薬価研・医療制度小委調査

 日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会の医療制度小委員会(荒川伸介小委員長〈キッセイ薬品工業薬事部薬事課主幹〉)は12日、病院23施設を対象にした調査結果を報告した。長期収載品の選定療養導入に関し、後発医薬品の採用や処方に「影響があった」と回答した病院は10施設(43.5%)。特に貼付剤や塗布剤は使用感を理由に後発品への切り替えが進みにくい実態が確認された。加えて、追加負担を支払ってでも先発医薬品を選択する患者が一定数いることが分かった。
 同小委は2024年度、同年度診療報酬改定の影響を把握するため、薬局向けの調査を実施した。今回、病院への影響も把握する目的で追加で調査を行った。調査期間は25年11月~26年2月で、回答した23施設の多くは400床以上の大規模病院だった。
 選定療養導入の影響があったと回答した施設からは、具体的な事例として▽処方の多い長期収載品の院内採用を後発品に切り替えた▽供給不安のある品目を先発品に戻した▽医療上の必要性に該当しない先発品の処方は極力避けている▽後発品で処方した品目が、患者の希望で先発品に戻らなくなった─といった内容が寄せられた。薬局向けの調査では、患者への制度説明に関する負担を指摘する意見が比較的多かったが、病院向けの調査では、そうした声は少なかったという。
 バイオ後続品(バイオシミラー)の採用・処方促進に関する課題も浮かび上がった。▽医師が先行品と後続品を似て非なるものと考えており、切り替えの理解が得られにくい▽先行品との副作用の違いやアナフィラキシーの懸念がある▽先行品と後続品でデバイスが異なる場合、先行品を好む医師や患者がいる─といった意見が上がり、生物学的同等性などの観点から、医師に対する説明にも苦慮している現状がうかがわれた。
 また、薬価制度に関する設問では、中間年改定に対して業務負担の増加や病院経営への影響を懸念する意見が目立った。院内の在庫管理の手間が増えていることや、在庫の資産価値や収益シミュレーションの変動について指摘する声があった。不採算品再算定や最低薬価引き上げについては、薬局調査時には安定供給の観点から薬価の引き上げを許容する意見が見られたが、病院調査では医薬品購入費の増加などを懸念する声が上がった。


― 各国の政策動向も共有

 このほか同小委は、米国や英国、フランス、ドイツの医療制度や薬価制度の最新動向に関する研究報告も取りまとめた。特に米国の最恵国待遇(MFN)価格政策について、制度の概要やこれまでの経緯を整理。海外主要国の薬価を参照して米国内の薬価を引き下げる考え方や、政策を推進する3つのプログラム(「GENEROUS」「GLOBE」「GUARD」)などを紹介した。

|2026年6月12日・日刊薬業

「ラストAG」は3成分、追補収載――レボレードやビラノアに後発品参入

 厚生労働省は11日、後発医薬品の薬価基準追補収載を官報告示した。収載日は12日付。「レボレード」「ビラノア」など10成分に、合計15規格39品目の後発品が初参入する。またオーソライズド・ジェネリック(AG)の算定薬価が後発品と同じ扱いをされるのは、これが最後。そのため今回の後発品追補は、実質的に「AG収載のラストチャンス」とされていた。厚労省によると、今回は新規と後追いを合わせて3成分6品目のAGが収載される。
 後発品が初めて参入する先発品は次の通り。▽大鵬薬品工業のアレルギー性疾患治療剤「ビラノア錠20mg」「同OD錠20mg」▽ノバルティス ファーマの経口造血刺激薬「レボレード錠12.5mg」「同錠25mg」▽エーザイの抗てんかん剤「フィコンパ細粒1%」「同錠2mg」「同錠4mg」▽オルガノンのアレルギー性疾患治療剤「デザレックス錠5mg」▽田辺ファーマの多発性硬化症治療剤「イムセラカプセル0.5mg」/ノバルティス ファーマの「ジレニアカプセル0.5mg」▽ファイザーの過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤「トビエース錠4mg」「同8mg」▽武田薬品工業の本態性血小板血症治療剤「アグリリンカプセル0.5mg」▽バイエル薬品の子宮内膜症に伴う疼痛改善剤・月経困難症治療剤「ヤーズフレックス配合錠」▽レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパンのホモシスチン尿症治療剤「サイスタダン原末」▽ユーシービージャパンの抗てんかん剤「ビムパット点滴静注100mg」「同200mg」―。


― フォシーガに後追いAG

 2026年度薬価制度改革ではAGとバイオAGの算定薬価を、先発医薬品およびバイオ先行品と同額に見直すことにした。このルール改正は、今年10月以降に新たに収載する品目から適用される。
 厚労省によると、通常の後発品と同時に初収載されるAGは2成分3品目ある。「ビラノア錠20mg」「同OD錠20mg」(一般名=ビラスチン)には第一三共エスファが、「ヤーズフレックス配合錠」(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス)にはバイエルライフサイエンスが、それぞれAGを出す。
 また既に後発品が存在する成分に、後追いでAGを発売するものも2成分3品目ある。バイエルの月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス)にはバイエルライフサイエンスが、アストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ錠5mg」「同錠10mg」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)にはニプロが、それぞれAGを出す。


― ビラノアに10社参入、薬価4掛け

 後発品の参入が最も多いのは「ビラノア」で、10社に上る。このため「内用薬で収載希望が7品目超」ルールに該当し、薬価は先発品の4掛けで算定される。参入するのは▽キョーリン リメディオ▽沢井製薬▽第一三共エスファ▽ダイト▽高田製薬▽辰巳化学▽東和薬品▽日新製薬▽Meiji Seika ファルマ▽陽進堂ホールディングス―。
 「フィコンパ」(一般名=ペランパネル水和物)には、共和薬品工業と高田製薬の2社が参入した。両社製品の一般名は共にペランパネルとなっており、名称に「水和物」が付いていない点が先発品と異なる。
 今回の6月追補全体では、66品目の後発品が収載される。内訳は、内用薬57品目、注射薬9品目。外用薬と歯科用薬剤の収載はなかった。収載数が多かった上位3社を見ると、東和薬品が13品目で最多。次いで日新製薬が9品目、第一三共エスファが8品目となった。

|2026年6月11日・日刊薬業

薬局製剤指針、47処方追加でパブコメ――5成分は薬剤師の判断で減量可に

 厚生労働省は10日、薬局製剤の“レシピ集”に当たる「薬局製剤指針」の改正案を公表し、パブリックコメントを開始した。新たに47処方を追加するほか、ダイオウなど5成分を含む処方については、薬剤師の判断で減量を可能とする。意見募集は7月9日まで。改正と適用は9月上旬を予定している。
 改正案では、▽ダイオウ▽カンゾウ▽マオウ▽ブシ▽サンシシ―の5成分を含む処方のうち、5成分の分量が「1.0~2.0g」のように幅を持って記載されている場合は、「最大分量を基本とし、薬剤師の判断により、最小分量までの範囲で分量を選択することを可能とする」とした。例えば、下痢しやすい患者に対して「ダイオウ」の量を減らすといった対応が薬剤師の判断で可能となる。
 2024年度の厚生労働科学特別研究事業「薬局製造販売医薬品の範囲の見直しに向けた研究」(研究代表者=伊藤美千穂・国立医薬品食品衛生研究所生薬部長)では、1種類の生薬で1製剤とする「単味生薬製剤」も薬局製剤指針に追加すべきと提言していたが、今回の改定案には反映されなかった。

|2026年6月10日・PHARMACY NEWSBREAK

HPVワクチン、男性も定期接種対象に――27年4月めどに、自民・議連が決議

 自民党の「HPVワクチン推進議員連盟」(田村憲久会長)は9日、男性へのHPVワクチン定期接種化について、2027年4月をめどに実現するよう求める決議文をまとめた。世界各国で男性が定期接種の対象になる一方で、日本では定期接種化の検討が遅れ、男性がHPV関連疾患のリスクにさらされていると指摘している。同議連の三原じゅん子幹事長は、日刊薬業の取材に対し、男性への定期接種化実現を求める要望書を、早期に上野賢一郎厚生労働相に提出する方針を示した。
 三原氏は、WHO(世界保健機関)が男女双方へのHPVワクチン接種を推奨している一方で、日本では男性への定期接種化が実現していないことを改めて指摘。国際標準のHPV感染対策を推進するため、HPVワクチンの定期接種について、27年4月をめどに男性にも拡大するよう主張した。
 日本では積極的接種勧奨再開後、女子の接種率は回復しているものの、諸外国に比べて接種率が低いため、決議文では、接種率の目標を設定するとともに、接種率向上に向けた実効性のある施策を推進し、HPV関連疾患の早期制圧を目指すよう求めている。

|2026年6月9日・日刊薬業

私大薬学部、6年制定員充足率は92%――5学部は3割台 私薬大協・4月時点まとめ

 日本私立薬科大学協会は10日までに、4月1日現在の各私立大薬学部の入学定員と入学者数の状況をまとめた。6年制は入学定員1万181人に対し入学者は9422人となり、定員充足率は92%。全60学部のうち半数の30学部が100%を下回り、3割台も5学部あった。
 3割台となったのは、低い順に▽日本薬科大▽千葉科学大▽徳島文理大▽城西国際大▽奥羽大―の5つ。日本薬科大(33%)は定員240人に対し入学者は81人だった。今年度から設置者を変更し、薬学部を存続させた千葉科学大(34%)は定員100人に対し入学は34人。城西国際大(38%)は定員を110人から60人へと減らしたものの、入学者数は23人にとどまり、全国の薬学部で最も少ない入学者数となった。同大は3月に、薬学部医療薬学科の27年度以降の募集停止を発表している。
 4年制も合わせた入学定員の合計は、昨年比250人減の1万826人だった。鈴鹿医療科学大が4年制を新設し30人増となった一方、6年制で募集停止した医療創生大など6大学が減員して280人減。差し引きで大幅なマイナスとなった。


― 入学者数最多は東京薬科大

 6年制の入学者数の最多は東京薬科大。定員420人に対して493人が入学し、定員充足率は117%だった。次いで、明治薬科大(385人)、京都薬科大(376人)となった。

|2026年6月10日・PHARMACY NEWSBREAK

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