2026.08.04

薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年8月上旬]

オランザピン、糖尿病禁忌を一部解除へ――制吐目的で、入院下の血糖管理を条件に

 厚生労働省の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は29日、抗精神病薬オランザピン(一般名)の経口剤について、全ての適応症に一律に課している糖尿病患者や既往歴がある患者への投与禁忌を、入院下で抗がん剤投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)の適応症で使用する場合に限って解除する方針を了承した。厚労省は近く、添付文書改訂の通知を発出する。
 同剤は市販後に重篤な高血糖などが報告され、2002年に糖尿病患者らへの投与が禁忌となった。17年に抗がん剤投与に伴う悪心・嘔吐の適応症が追加された後も、禁忌の範囲は変更されなかった。
 これに対し日本癌治療学会(JSCO)は、オランザピンを加えた4剤併用療法が国内外のガイドラインで標準制吐療法に位置付けられているとして、制吐目的に限った禁忌解除を要望。厚労省は要望を受け、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に解除の可否を調査するよう依頼した。
 PMDAは、血糖コントロールが良好な患者に対象を限定し、入院下で厳格に管理すれば、重篤な高血糖関連事象のリスクを最小化できると評価した。
 これを受け厚労省は同日の同調査会で、禁忌を解除する条件として▽入院下でオランザピン投与前と投与期間中に毎日、頻回の血糖モニタリングを行う▽血糖値が十分に安定したことを確認し、退院日を判断する▽退院後に患者の急変に対応できる体制を整える―ことを挙げた。
 またJSCOが血糖モニタリングに関する医療従事者向けの資料を作成し、関連学会と連携して周知する。JSCOが製造販売業者の協力の下、患者向けの情報提供資材を作成することも解除条件とした。同調査会の委員から異論は出ず、厚労省は添付文書改訂の通知発出の準備を進めることになった。

|2026年7月29日・日刊薬業

武田のオーゼイフル錠、承認を了承――第一部会、国内初のナルコレプシータイプ1薬

 厚生労働省が3日に開催した薬事審議会医薬品第一部会において、武田薬品工業のオレキシン受容体作動薬「オーゼイフル錠」の承認が了承された。国内初の「ナルコレプシータイプ1」治療薬で、先駆的医薬品の指定も受けている。中国ではひと足早く7月に承認された。日本よりやや早く申請した米国では、まだ審査が行われている。承認申請が海外とおおむね同じ時期だったことや、国内審査にかかった事務処理期間などを鑑みて先駆的医薬品の指定は取り消されない。
 新有効成分含有医薬品は、オーゼイフルとリズムファーマの「イムシブリー皮下注」の2成分。イムシブリーはメラノコルチン-4受容体作動薬で承認が了承された。「後天性視床下部性肥満」が適応となる。リズムファーマにとって国内参入最初の製品。米国や欧州ではすでに承認を取得している。
 審議事項は他に3成分。新効能・新用量医薬品では、スウェディッシュ・オーファン・バイオビトラム・ジャパン(Sobiジャパン)の補体C3阻害剤「エムパベリ皮下注」について、「C3腎症」と「一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎」の効能追加が了承された。承認条件には、全症例調査や治療に精通した医師との連携が付いた。オーファンパシフィックの尿素サイクル異常症用薬「ブフェニール錠・顆粒」も「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型および2型」の効能を追加することになった。
 ヤンセンファーマのヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体「ステラーラ点滴静注・皮下注」は、既存治療で効果不十分な「中等症から重症の活動期クローン病」の導入療法と維持療法において、小児の用量を追加する。皮下注45mgバイアルも新たに追加する。
 ここまでの5成分はいずれも、希少疾病用医薬品の指定を受けている。
 そのほか希少疾病用医薬品7件と先駆的医薬品2件の指定、田辺ファーマの「ユプリズナ点滴静注」の小児の開発を受けた再審査期間の延長も認められた。
 報告品目は、アッヴィのA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ注用」のみで、「65歳未満の成人における咬筋膨隆」の効能を追加する。併せて「100単位」の剤形追加も行う。
 一方、日本ベーリンガーインゲルハイムがデュシェンヌ型筋ジストロフィーの適応で開発していた「BI 764198」(開発コード)について、希少疾病用医薬品指定の取り消しが報告された。同適応での開発中止に伴う。また、ファイザーの「ビンダケルカプセル」と「ビンマックカプセル」は、承認条件の全例調査に対応したことを確認。千寿製薬の「アイベータ配合点眼液」、塩野義製薬の「スインプロイク錠」の再審査結果は、いずれも「カテゴリー1」で問題なしとした。

|2026年8月3日・日刊薬業

日薬、熊本地震の義援金を募集――県薬通じて被災会員に

 日本薬剤師会は3日、熊本地震により被災地が甚大な被害を受けていることに鑑み、義援金の募集を始めた。締め切りは10月末日。義援金は、県薬剤師会を通じて被災会員に贈る。
 送金先は、郵便振替貯金口座「00120-7-13712」、口座名義は「公益社団法人 日本薬剤師会」。払込取扱票などの通信欄に「令和8年熊本地震義援金」である旨を記載するか、通信欄がない場合は払込人名の前に「クマモトギエンキン」と付記するよう求めている。
 ゆうちょ銀行以外の金融機関から送金する場合は、支店名「〇一九店(ゼロイチキユウ店)」、支店コード「019」、預金種別「当座」、口座番号「0013712」。
 問い合わせ先は、日薬会計・厚生課(TEL:03-3353-1190)。

|2026年8月3日・PHARMACY NEWSBREAK

「ロキソニンS」の指定2類移行、「条件付き」で了承――安対調査会、登販の副作用対応などに懸念

 29日にあった厚生労働省の薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会では、第1類医薬品のロキソプロフェン(製品名「ロキソニンS」など)の指定第2類医薬品へのリスク区分変更についても議論した。委員からは、登録販売者による重篤副作用などへの早期発見・対応などに懸念が示され、「条件付き」での移行が了承された。今後、厚労省が具体的な条件を整理し、パブリックコメントにかける。調査会やパブコメの結果を踏まえ、医薬品等安全対策部会での審議に移る。
 今年4月から導入した、一般用医薬品のリスク区分変更の要否を定期的に検討する仕組みの第1弾。区分指定から3年が経過した第1~3類医薬品で要望の申し出があり、適正使用状況など一定の基準を満たしていれば、安全対策調査会・部会で区分変更の要否を審議することになった。
 要望資料では、ロキソプロフェンの指定第2類への変更を希望する理由に、一般用医薬品として10年以上の販売実績があることや、「懸念された『妊娠後期の妊婦が服用してしまうリスクが高い』という点を含め安全性上の重大な懸念は認められていない」ことなどが挙げられた。
 厚労省は▽副作用発現状況▽患者背景▽適正使用▽仮に区分を変更する場合に考えられる対応―4点を審議に当たっての論点として提示。委員からは、登録販売者への研修の徹底の必要性や、重篤な副作用への対応などに懸念が示された。


― 情報提供「努力義務」ではなく「義務」に

 舟越亮寛委員(亀田総合病院薬剤管理部長)は、ロキソプロフェンの使用に対しては、併用薬や疾患のチェックを含め、さまざまな「妥当性の判断が必要」だとして、「チェックリストの照合だけでは、NSAIDsの領域は非常に危険」だと指摘。第1類から指定第2類に移行する場合でも、情報提供は「『努力義務』ではなく『義務』にする」などの対応の必要性を訴えた。
 この点について、事務局の厚労省は「法令そのものを改正する議論は別の場」だと説明。その上で、情報提供の厳格化を含むロキソプロフェンの区分変更の条件を「審議会(安全対策調査会)の決定事項」として、「例えば薬局開設者や店舗販売業者に運用上お願いすることは行政的な措置としては可能」だとした。

|2026年7月29日・PHARMACY NEWSBREAK

公知申請事前評価の3剤、保険適用に――リツキサンやテモダールなど

 厚生労働省医薬局の医薬品審査管理課と医薬安全対策課は27日付の課長連名通知で、同日開催の薬事審議会医薬品第二部会で「公知申請して差し支えない」と事前評価した品目の適応追加などが保険適用可能になったことを周知した。対象品目は、全薬工業の「リツキサン点滴静注100mg」「同500mg」(一般名=リツキシマブ〈遺伝子組換え〉)、大原薬品工業の「テモダールカプセル20mg」「同100mg」「同点滴静注用100mg」(テモゾロミド)、サノフィの「タキソテール点滴静注用20mg」「同80mg」「ワンタキソテール点滴静注20mg/1mL」「同80mg/4mL」(ドセタキセル水和物)―。
 リツキサンは「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫」に対する効能・効果で、用法・用量の記載に関し、成人に限定する縛りを一部削除する。小児に用いる場合は、投与間隔や投与時期、併用する他の抗がん剤などについて、国内外の最新ガイドラインを参考にするよう求めている。
 テモダールは「下垂体がん」と「難治性下垂体腺腫」を効能・効果に追加する。
 タキソテールとワンタキソテールは、乳がんに対する1回最高用量を100mg/平方メートルとする。投与量の選択に当たっては、国内外の最新のガイドラインなどを参考にするよう求めている。

|2026年7月28日・日刊薬業

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