薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年9月上旬]

「管薬の資質向上」へチェックリスト161項目――愛知県薬が作成、チェーンでの活用も推奨
愛知県薬剤師会は、管理薬剤師の資質向上を目的に、管理薬剤師が最低限取り組むべき役割や業務を161項目に整理した「チェックリスト」を作成した。県薬は法令順守の徹底を促すとともに、各薬局によるチェックリストの自己評価結果を把握する。スコアの低い項目の傾向が分かれば、それらをフォローする研修会の企画につなげる。担当する杉浦伸哉常務理事(生涯学習部会長)は、チェーン・個店の形態にかかわらず全ての薬局に役立つリストだとし、県内の薬局への普及を進める考えを示した。
愛知県薬では2023年に重点事業計画「あいやくVISION2028」を策定し、「管理薬剤師の資質向上」を最重点事業の一つに位置付けた。川邉祐子会長は、企業によっては経験3年ほどで管理薬剤師に就くケースもあるとし、「『企業で研修をしている』と言われるが、職能団体として、最低限の質の担保を目指したいという思いがあった」と説明。そのため、事業を担当する生涯学習部会には、チェーン薬局の関係者を広く登用し、部会長にスギホールディングス副社長の杉浦氏を抜擢した。
部会では、管理薬剤師の自己点検ツールとしてチェックリストの作成を決定。順守すべき各種法令や要件を洗い出し、▽従業者の監督▽意見具申▽情報の収集・報告▽「情報提供」業務▽薬局の構造設備▽物品管理▽薬局業務―の7大項目(161項目)に体系化した。各項目について、0(実施していない)~3(適切に実施している)の4段階で評価できるようにし、確認が望ましいタイミングや関連法規の詳細を掲載している。
杉浦氏は、「最低限」の水準とすることで、161項目に収まったと振り返り、「それだけ管理薬剤師の業務というのは多岐にわたっていることを、皆さんに把握してもらいたい」と述べた。魚住三奈副会長は、管理薬剤師以外の薬剤師もリストに目を通すことで、その役割や責任の重さを知るきっかけになると期待を寄せている。
リストは近く正式に発表し、現場での活用を促す予定。今年度の研究事業として、アンケートでリストの活用状況について検証も行う。杉浦氏は、普及の状況を可視化しながら周知を進めていくとし、「会員の大半が取り組んでいるというところまで、早めに実現したい」と意欲を示した。
― 管薬の責務、開設者・経営側の理解重要
杉浦氏は、今回作成したリストをチェーン薬局でも積極的に活用することを推奨する。「チェーン薬局の経営側の立場で言うと、会社としても薬局の適正管理を当然考えているが、それが公に正しいかどうかを見ていくことも大事だ」と指摘。「公的な部分でのチェックをしながら、会社としてもチェックをする。いわゆる答え合わせができるという意味で、個人的にはすごくありがたい」と述べた。
また、このような取り組みを通じ、開設者が管理薬剤師の責務を理解することも重要だと強調。「開設者や経営層が、薬局ビジネスをどう考えるか、ということがまさにトラブルにつながる部分だと思っている」との認識を示した。その上で、「管理薬剤師が『私の立ち位置がこうだ』と自信を持って言える、そのためのチェックになるという意味で非常にいいツール」と強調した。
|2026年9月1日・PHARMACY NEWSBREAK|
第一部会、エキスコプリなど通過――レケンビの皮下注製剤も
厚生労働省は26日の薬事審議会医薬品第一部会で、小野薬品工業の抗てんかん薬「エキスコプリ」や、エーザイのアルツハイマー病治療薬「レケンビ」の皮下注製剤などの承認を了承した。審議事項は13件、報告事項は4件だった。
エキスコプリの効能・効果は「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」。2020年に韓国のSKバイオファーマシューティカルズから導入した製品で、26年6月時点で欧米を含む45の国・地域で承認されている。同剤は新有効成分含有医薬品。小児の部分発作を対象とした臨床第3相試験を実施しているため、再審査期間を2年延長し、10年にする。
アレクシオンファーマは2つの新有効成分含有医薬品が部会を通過した。1つ目は補体C5阻害薬「クライジェファ皮下注」で、再審査期間は8年。効能・効果は「全身型重症筋無力症(ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)」。2品目は、抗アミロイド線維抗体「アミロペイブ点滴静注」だ。効能・効果は「全身性ALアミロイドーシス(免疫グロブリン軽鎖がκ型優位の場合に限る)」。
日本イーライリリーの「オンスイク注」は、「インスリン療法が適応となる2型糖尿病」を適応症とする週1回皮下投与の基礎インスリン製剤。新有効成分含有医薬品で、再審査期間は8年。ヴィアトリス製薬のヒスタミンH3受容体拮抗・逆作動薬「ウエキクス」には、2つの効能・効果がある。1つ目の「持続陽圧呼吸(CPAP)療法等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気」は再審査期間が8年。もう一方の「ナルコレプシー」は希少疾病用医薬品の指定を受けており、再審査期間が10年に設定された。ルンドベック・ジャパンの抗CGRP抗体「ビエプチ点滴静注」も新有効成分含有医薬品だ。再審査期間は8年。効能・効果は「片頭痛発作の発症抑制」。
抗アミロイドβ抗体「レケンビ皮下注250mgペン」の効能・効果は「アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制」。500mgを週1回、皮下注射する。既承認の点滴静注製剤は2週に1回、医療機関で投与する必要があるが、皮下注製剤なら在宅での投与が可能。皮下注製剤は米国でも今年7月に承認されている。
このほか希少疾病用医薬品7件の指定も審議し、了承した。
報告品目では、塩野義製薬の芳香族炭化水素受容体調節薬「ブイタマークリーム0.5%」などを了承した。ブイタマーの効能・効果は「アトピー性皮膚炎」。小児用量を追加する新用量・剤形追加に係る医薬品。12歳未満の小児に1日1回塗布する。既存の1%製剤は、成人と12歳以上の小児のアトピー性皮膚炎、成人の尋常性乾癬で承認されている。
|2026年8月26日・日刊薬業|
要指導薬「シアリス」、全国販売開始――一部ドラッグに加え薬局でも 約1万店舗で
エスエス製薬は31日、国内初となる要指導医薬品の勃起不全(ED)治療薬「シアリス」(有効成分名=タダラフィル)の全国販売を開始した。先行販売をしていなかった薬局チェーンなども取り扱いをスタート。同日時点で、全国の薬局・ドラッグストア約1万店舗で販売しており、取扱店舗数は順次増える見込み。
要指導薬のシアリスは4錠(4回分)包装で、有効成分は1錠中タダラフィル10mg。購入希望者がチェックシートに回答し、薬剤師がその結果を確認した上で、服用可能と判定された場合に購入できる。本人のみ購入可能で、1度に購入できるのは1箱まで。メーカー希望小売価格は5808円(税込み)。
販売する薬剤師は、エスエス製薬が提供するオンライン研修プログラムを受講する必要がある。同社は、受講後のテストに合格した薬剤師が従事する店舗にのみ、製品を供給する。
全国発売に先立ち、7月31日からは大手ドラッグストアチェーンなどの一部店舗で先行販売を実施。販売体制や情報提供、本人購入の確認などのプロセスを確認したが、大きな問題はなかったという。
同社は購入希望者向けにチェックシートの確認・入力ができる公式LINEアカウントを開設している。先行発売では、LINEのチェックシートを活用して来店する利用者が多く、同社マーケティング本部の阿部麻樹子統括部長は、「消費者側や薬剤師の負担軽減につながっているとの声も頂いている」と説明した。シアリスの販売では、購入者が気恥ずかしさを感じるケースもある。
― 日本調剤、457店舗で取り扱い開始
日本調剤は、同社457店舗での取り扱いを開始した。日本調剤六本木薬局(東京都港区)では、投薬台の上や店舗の一角にシアリスの空箱が積まれた。同社薬剤本部ヘルスケア推進部の平野正樹次長は、薬局においては「第1類薬と要指導薬は非常に需要が高い商品」だとし、シアリスについても各店舗で「コーナー取りをして展開する」と販売に力を入れる考えを示した。
また、今後同社の全薬剤師がオンライン研修を受講する方針で、利用者のニーズに合わせ、「どこの店舗に行っても取り寄せでお買い求めいただける体制を整えていきたい」と語った。
|2026年8月31日・PHARMACY NEWSBREAK|
中外、バミキバルトを国内申請――非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫で
中外製薬は25日、抗IL-6モノクローナル抗体バミキバルト(一般名)について、非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を予定適応症として、同日付で厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。同剤は6月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。承認されれば、同疾患に対する国内初の抗IL-6抗体治療薬となる見込みだ。
同疾患の日本における推定患者数は約2万6000人。現在はステロイド療法が標準治療となっている。同剤はスイス・ロシュからの導入品。硝子体内投与用に設計されており、眼内のIL-6シグナリングを特異的に阻害することで、炎症や血管透過性亢進を抑制し、黄斑浮腫と視力の改善が期待される。
|2026年8月25日・日刊薬業|
OTC類似薬、追加負担分を非課税に――厚労省、税制改正要望
厚生労働省は2027年度の税制改正要望で、来春導入予定のOTC類似薬の一部保険外療養制度に関して、「税制上の所要の措置を講ずる」よう求めた。厚労省の担当者によると、具体的には、薬局で患者から受け取る追加負担(特別の料金)に、消費税を課さないよう要望したという。
一部保険外療養は、OTC類似薬の薬剤費の一部を「特別の料金」として患者に追加負担を求める制度で、27年3月の施行を予定している。「特別の料金」はOTC類似薬の「薬剤費の4分の1」、対象となる医薬品の範囲は「77成分(1042品目)」とする。
後発品のある長期収載品を患者が希望した場合などに追加負担を求める「選定療養」制度では、追加負担分に10%の消費税が課されている。しかし、OTC類似薬の一部保険外療養制度は、長期品の選定療養と違って患者に薬の選択権がなく、対象薬が処方されれば原則として追加負担が発生する。このため、患者団体などが負担増を懸念していた。厚労省はこうしたことも踏まえて非課税を要望したとみられる。
なお厚労省は、制度が複雑化しないよう、OTC類似薬の一部保険外療養と、長期品の選定療養の対象となる成分が重なった場合は、前者の追加負担分を優先して徴収し、後者の追加負担分は求めない方針を示している。今回の税制改正要望が実現すれば、この場合、追加負担分は非課税となる。
|2026年9月1日・PHARMACY NEWSBREAK|