2026.10.02

薬剤師・医療ニュース from じほう[2026年10月上旬]

疑義照会は「処方箋記載漏れ」時のみ――OTC類似薬で厚労省通知、来年3月1日施行

 厚生労働省は30日、OTC類似薬の使用に追加負担を求める一部保険外療養制度を来年3月1日に施行するための政省令を公布した。留意事項をまとめた通知も発出し、処方箋様式の変更点や、薬局での具体的な対応方法も解説。薬局での負担増が懸念されていた疑義照会については、処方箋の「一部保険外療養」欄の記載が漏れている場合のみ求められると明確化した。
 「要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品の処方又は調剤に係る一部保険外療養について」と題した通知では、薬局での処方箋の確認方法を明記。新たに設けられる「一部保険外療養」欄に「〇」の記載があれば、患者に追加負担の支払いを求める。「―」の記載なら追加負担の対象外となるが、▽「患者希望」欄に「×」か「レ」の記載がある▽「変更不可(医療上必要)」「患者希望」のいずれの欄にも記載がなく、薬局で患者が長期収載品を希望した場合―は、長期品の選定療養の追加負担の支払いを求める。

 なお、処方箋様式は当分の間、改正前の様式を手書きなどで修正して使用可能とする経過措置を設ける。また、制度施行前に処方され、施行後に処方箋が薬局に提出された場合(リフィル処方箋や、分割指示のある処方箋の2回目以降の調剤も含む)は、追加負担の対象にはならないとした。


― 「子ども・妊婦」確認できれば疑義照会不要

 また通知では、薬局での疑義照会が必要なケースとして、「処方箋に対象のOTC類似薬が記載されているのに、一部保険外療養の欄に何の記載もない場合」のみを挙げた。追加負担の対象外となる「18歳までの子ども」や「OTC薬を服用できない妊婦や授乳婦」であることが薬局側で確認できれば、疑義照会を行うことなく、追加負担を求めなくてよい運用にする。ただし、処方医への事後報告は必要となる。
 薬局で追加負担の支払いを患者に求める際は、調剤する医薬品が、OTC薬との代替性が特に高いことから、一部保険外療養として薬剤費の4分の1の追加負担が求められる旨を「説明することが適当」だとした。
 通知ではこのほか、追加負担の対象外となる場合について、9月16日の社会保障審議会医療保険部会が取りまとめた内容よりも詳細な取り扱いを記載している。


― 専用サイト開設

 厚労省は同日、一部保険外療養に関するウェブサイトを開設。関係法令・通知、追加負担の対象となるOTC類似薬(77成分1042品目)の一覧などを掲載している。国民向けの広報資材も順次作成し、このサイト上で公表する予定。

|2026年9月30日・PHARMACY NEWSBREAK|

OTC類似薬の追加負担、計算方法を周知――厚労省、長期品の選定療養も同方式に変更

 厚生労働省保険局医療課は30日付の事務連絡で、来年3月1日に施行するOTC類似薬の一部保険外療養について、患者に求める追加負担の計算方法を周知した。長期収載品の選定療養の追加負担についても、同様の計算方法に見直すとした。
 一部保険外療養の追加負担分は「薬価の4分の1×投薬全量」で算出する。例えば1錠16.5円の内服薬を1日2錠30日分処方した場合、16.5円の4分の1は4.13円で、これに60錠を乗じると247.8円になり、1円単位を四捨五入して250円となる。
 一方、後発医薬品との差額の2分の1の追加負担を求める長期品の選定療養ではこれまで、薬価を「点数」に変換して計算する方式となっていた。一部保険外療養の施行に合わせて、長期品の選定療養の追加負担分の計算方法も来年3月1日から「先発医薬品と後発品の差額の2分の1×投薬全量」を用いることにする。


― 消費税の取り扱いは「年度末めどに示す」

 一部保険外療養の追加負担分に対する消費税の取り扱いについては現在、政府内で検討中であるため、「本年末をめどに追って示す」とした。厚労省は2027年度の税制改正要望で、非課税にするよう求めている。現在、選定療養の追加負担分には10%の消費税が課されている。
 事務連絡は「要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品の処方又は調剤に係る一部保険外療養における費用の計算方法について」と題し、地方厚生局などに発出された。

|2026年9月30日・PHARMACY NEWSBREAK|

精神科のオン診、患者の安全確保を要望――日精協、厚労相に

 日本精神科病院協会は29日、精神科・心療内科領域におけるオンライン診療でのトラブルが多発しているとして、患者の安全確保を求める要望書を上野賢一郎厚生労働相に提出した。現行規制が機能しているかの監査を行った上で、不適切なものには行政指導を含めた対応を直ちに講じるよう要請した。
 現在確認されている問題点として以下のような例を挙げた。▽精神科薬(睡眠薬を含む向精神薬)の長期処方が安易に行われている▽安易に診断書を発行している▽患者の救急時や急変時への対応ができていない▽医師でなく患者が薬剤や期間別の料金設定を選択する▽メールやチャットのみで処方や診断書の発行が行われている―。
 こうした事例について、現行の法令・基準を適切に順守しているか確認する必要があると指摘。自由診療のオン診も医療法・医師法の適用対象であることから、違反が疑われる場合は「厳格な監査・指導等が必要」とした。
 さらに相談・情報提供を一元的に行う窓口を厚生労働省の責任の下で設置することも求めた。
 提出後の会見で山崎學会長は、「患者の利便性だけを考えてオンライン診療が進み、オンライン診療ビジネスのようなものが世間にはびこってきている感じがする」と危惧。森隆夫副会長は「患者の不利益になる形のオンライン診療は決して認めるべきではない」と強調した。
 同日は山崎会長が上野厚労相に要望書を手渡した。森副会長と自見英子参院議員も同席した。山崎会長によると、上野厚労相は「至急関係部署に対応を指示する」と応じた。

|2026年9月29日・MEDIFAX Web|

免疫CP阻害剤など添文改訂へ――厚労省が指示

 厚生労働省医薬局医薬安全対策課は29日、免疫チェックポイント阻害剤9成分などへの添付文書改訂を指示した。
 重大な副作用として「重度の胃炎、食道炎」を追加するのは▽アテゾリズマブ(遺伝子組換え)▽アベルマブ(遺伝子組換え)▽セミプリマブ(遺伝子組換え)▽チスレリズマブ(遺伝子組換え)▽デュルバルマブ(遺伝子組換え)▽トレメリムマブ(遺伝子組換え)▽レチファンリマブ(遺伝子組換え)―の7成分。ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)には「食道炎」を追加し、イピリムマブ(遺伝子組換え)は「重度の食道炎」を「重度の胃炎、食道炎」に改める。
 そのほか、▽アザチオプリンに「可逆性後白質脳症症候群」「肝類洞閉塞症候群/肝中心静脈閉塞症」▽アプレミラストに「肝機能障害」▽オシメルチニブメシル酸塩に「再生不良性貧血」▽セルペルカチニブに「皮膚粘膜眼症候群」▽トシリズマブ(遺伝子組換え)とそのバイオ後続品に「薬剤性過敏症症候群」―の副作用情報を追加。アレクチニブ塩酸塩には、重度の高トリグリセリド血症を発症し急性膵炎に至った症例が報告されていることを新規記載する。

|2026年9月30日・日刊薬業|

向精神薬不正取得防止へ「報告フォーム」――栃木県薬、早くもマイスリー291錠を確認

 栃木県薬剤師会は、意図的な多重受診による向精神薬の不正取得を防ごうと、今月、独自の「報告フォーム」の運用を始めた。不正取得が確認された場合、薬局が報告フォームを用いて地域薬と県薬に連絡。県薬が、会員メールで当該者のイニシャルや生年月日、医薬品名などを共有する。立ち上げから2週間ほどで、1カ月間にマイスリー錠を計291日分(291錠)、処方・調剤された事例が報告され、注意喚起を行った。
 意図的な多重受診による向精神薬の不正取得は各地で確認されている。今年6月には栃木市内でも、1カ月で7つの医療機関を受診し、フルニトラゼパム錠とトリアゾラム錠を各200日分、リボトリール錠42日分、レンドルミン錠30日分、ゾピクロン錠24錠、合わせて724錠を処方・調剤されていた事例が確認されていた。
 今期から栃木県薬の会長に就任した森昌平氏は8月、こうした事案が全国的に相次いで報道されていることも踏まえ、会員に向けて改めて注意喚起する通知を発出。向精神薬の重複投与や不正取得は、患者の健康被害や依存症のリスクを高めるだけでなく、医薬品の不正譲渡や転売につながる恐れがあるとし、▽薬局でのオンライン資格確認による患者の受診状況や服薬状況の把握▽お薬手帳の確認▽必要に応じた処方医への疑義照会―など、適切に対応するよう呼びかけていた。
 さらに、不正取得の事案では、患者が複数の医療機関・薬局を短期間に次々と回る傾向があることから、対応策として9月から「報告フォーム」の運用を開始した。薬局で意図的な不正取得を確認した場合は、保険者への情報提供と同時に、フォームを活用し、地域薬と県薬へ報告するよう求めた。フォームには、保険の種別、氏名のイニシャル、性別、生年月日、居住する市町、調剤実績の日付、受診中の医療機関名、医薬品名などを記載する。


― 運用開始から半月、第1号報告

 報告フォームの運用開始は3日に各地域薬会長を通じて会員に周知され、18日には第1号の報告が下野市内の薬局から寄せられた。当該患者は、普段からマイナ保険証やお薬手帳を薬局に持参していなかったが、今回、オンライン資格確認による薬剤情報の閲覧に同意したことで、重複投与の具体的な内容が発覚した。8月19日~9月17日に8医療機関を10回受診し、マイスリー10mg錠計291日分(291錠)を処方されていた。報告を受けた県薬は、即座に会員に情報をメールで周知。県内の他の薬局に来局する可能性があるとして、注意を呼びかけた。
 森氏は取材に対し「不正取得を防ぎ、県民を守っていくために、この報告フォームを作った」と説明。医師会とも連携しながら進めていると強調した。「実際にすぐにこの仕組みが機能したことが良かった」とし、全国に横展開できる仕組みだとの考えを示した。

|2026年9月30日・PHARMACY NEWSBREAK|

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