2026.09.10

『薬問 薬剤師国家試験のための薬理 一問一答問題集』刊行記念インタビュー ──木元貴祥先生

 薬剤師国家試験に向けた薬理学の学習では、「覚えることが多すぎる」「勉強しているのに点数につながらない」と悩む薬学生も少なくありません。
 そのような薬学生に向けて、2026年4月に刊行されたのが、『薬学生のための薬単 試験にでる医薬品暗記帳』(以下、『薬単』)です。
 そしてこのたび、その姉妹書となる『薬問 薬剤師国家試験のための薬理 一問一答問題集』(以下、『薬問』)が刊行されました。
 『薬単』で知識を整理し、『薬問』で問題を解いて確認する――。2冊を組み合わせることで、暗記した知識を「実際に使える知識」へと変えていくことができます。
 今回は『薬問』の刊行にあたり、編集担当Oが著者の木元貴祥先生に、本書を企画した背景や制作でこだわったポイント、そして『薬単』との効果的な使い方について伺いました。

「薬単とペアで使える問題集がほしい」という声から

編集担当O
『薬単』に続いて、今回『薬問』もじほうから新たに刊行することになりました。そもそも『薬問』は、どのような思いから生まれたのでしょうか。

 

木元先生
 一番大きかったのは、薬学生のみなさんからいただいた声です。
 『薬単』のように知識を整理して覚える教材だけでなく、「覚えた内容をすぐに確認できる問題集がほしい」「短時間で何度も繰り返せる教材がほしい」という声を以前から多くいただいていました。
 薬理学の勉強では、知識をインプットすることはもちろん大切です。ただ、覚えたつもりになっていても、実際に問題として問われると答えられないことがあります。
 そこで、「覚える」ための『薬単』に対して、「確認する」「答えられるようにする」ための『薬問』をつくりたいと考えました。
 『薬単』で知識を整理し、『薬問』でその知識をアウトプットする。この2冊がセットになることで、より効率的な学習ができると考えています。

 

目指したのは「最短で得点につながる」問題集

編集担当O
薬剤師国家試験対策の問題集は他にもあります。そのなかで、『薬問』はどのような点にこだわって作られたのでしょうか。

 

木元先生
 本書で目指したのは、薬理をできるだけ効率よく「得点源」にすることです。もちろん、すべての知識を網羅することも大切です。しかし、薬学生のみなさんが使える時間には限りがあります。
 薬理学の範囲は膨大ではあるのですが、そのすべてが同じ頻度で国家試験に出題されるわけではありません。そこで『薬問』では、国家試験の過去問を分析し、頻出事項や近年の出題傾向を踏まえて問題を厳選しました。逆に、長年出題されていない内容や、学習に時間がかかるかつ得点につながりにくい内容については割愛しています。
 「全てを完璧に覚える」ことを目標にするのではなく、まずは国家試験において得点に直結する知識を、確実に身につけるための問題集を目指しました。

 

実践問題も「一問一答」に再構成

編集担当O
一問一答形式を採用した理由はありますか?

 

木元先生
 はい。一問一答形式には、短時間で繰り返し学習できるという大きなメリットがあります。
 薬学生のみなさんには、講義や実習で非常に忙しいなかで、少しの時間でも有効に使ってほしいと思います。一問一答なら移動時間などのわずかな隙間時間でもテンポよく問題を解くことができます。
 また、『薬問』では、通常の選択問題だけでなく、国家試験の実践問題で問われるポイントについても、一問一答形式で確認できるようにしています。
 実践問題は、1問を解くために多くの文章を読まなければならないことがあります。しかし、その問題で本当に問われている知識を取り出してみると、「この薬はどの受容体に作用するのか」「この作用機序では何が起こるのか」といった、比較的短い文章に整理できることも少なくありません。
 そのため、『薬問』では実践問題のポイントを短い問題文へと再構成しています。
短時間で問題を解きながら、「この内容はこういう形で問われるのか」ということを確認できるようにしています。

 

「何が違うのか」が一目でわかる工夫

編集担当O
選択肢や解説にもさまざまな工夫がされているようですね。

 

木元先生
 特にこだわったのは、「間違えたときに、何が間違っているのかをすぐに理解できること」です。
 例えば、受容体を「刺激する」のか「遮断する」のか、という違いだけで正誤が変わる問題がたくさんあります。
 問題を間違えたときに、解説を読んでも「結局、何を間違えたのだろう」となってしまうと、次もまた同じ問題で間違えてしまいます。
 そこで『薬問』では、間違えやすいポイントや重要な部分を赤字にしています。
正誤問題でも、「間違っている」ということだけを確認するのではなく、「どこをどう直せば正しい文章になるのか」を理解することが大切です。
 一問一答は単純に答え合わせをするためのものではなく、問題を通じて知識を修正し、整理するためのツールでもあります。試験前には赤シートを使って右ページの解説文だけをチェックするといった使い方もできるようにしています。


 

「できる・できない」を見える化する

編集担当O
問題には重要度を示すマークも付いています。

 

木元先生
 国家試験対策では、「どこから勉強するか」を決めることも非常に重要です。
 そこで、問題ごとに重要度を示すことで、まず押さえるべき問題を把握できるようにしています。
 例えば、★★★の問題で間違えることが多ければ、そこは国家試験に向けて優先的に復習したほうがいいです。逆に、重要な問題を確実に解けるようになってきたら、より細かい知識の確認へ進むことができます。
 また、問題の横にはチェックボックスも設けています。「知っている」「知らない」だけでなく、「一度間違えた」「もう一度確認したい」といった形で、自分の学習状況を記録してほしいと思います。問題集は1回解いて終わりではありません。
 『薬問』は、何周も繰り返すことで、自分の弱点が見えてくるような使い方をしてもらいたいと思っています。

 

薬理学の基礎から、新傾向まで

編集担当O
目次を見ると、第1章から15章まではほぼ『薬単』と同じです。
「第16章 新傾向&出題予想問題」について教えてください。

 

木元先生
 近年の国家試験では新しい医薬品や新しい作用機序が問われることもあります。そのため、過去問だけを繰り返すのではなく、新傾向や今後問われる可能性のある知識についても確認できるようにしました。

 

編集担当O
問題集なのに「一般名索引」を作られた理由はありますか?

 

木元先生
 一般名からストレスなく問題・解説のあるページを探せるようにしました。また、薬学生から「この薬、他の範囲でも出てきたぞ!…でも、どこだったっけ?」となってしまうので、問題集であっても一般名索引を作ってほしい!とリクエストをいただきました。それに応えたかたちでもあります。


 

『薬単』でインプット、『薬問』でアウトプット

編集担当O
ここからは、姉妹書である『薬単』との関係について伺います。この『薬問』は単独でも十分利用できるとは思いますが、2冊はどのように使い分けるのがおすすめでしょうか。

 

木元先生
 基本的には、「『薬単』で整理して覚える」→「『薬問』で確認する」という流れがおすすめです。
 『薬単』では、薬剤師国家試験で重要となる医薬品について、適応、作用機序、副作用のポイントを整理しています。例えば、「この薬はβ1受容体を遮断する」「この薬はM3受容体を刺激する」と覚えたとします。そこで『薬問』を解いて、「では、その作用によってどのような薬理作用が現れるのか」「国家試験では別の薬とどのように比較して問われるのか」を確認する、この往復が非常に大切だと考えています。

 

「覚えたつもり」を「答えられる」に変える

編集担当O
『薬単』と『薬問』を併用する最大のメリットは何でしょうか。

 

木元先生
 知識を「覚えたつもり」で終わらせず、「得点できる知識」に変えられることだと思います。単語帳を読んでいるときには、「知っている」と感じることがあります。しかし、問題として聞かれたときには答えられないこともありますよね。これは、知識がまだ十分に定着していない状態だからです。
 『薬単』で知識をインプットして、『薬問』でアウトプットすることで、「本当に覚えられているか」を確認できます。そして、問題を間違えたら『薬単』に戻る。 この繰り返しができることが、2冊を併用する大きなメリットです。

 

編集担当O
『薬問』と『薬単』は、章立ても対応していますね。

 

木元先生
 そうですね。2冊を迷わず行き来しやすいように、構成もできるだけ合わせています。
 『薬単』と『薬問』を姉妹書として設計したことで、
「知識を確認する」→ 「問題を解く」→「間違えた知識に戻る」
という学習サイクルをスムーズに回せるようになっています。


 

『薬問』は、いつから使えばいい?

編集担当O
『薬問』は、どのような時期の薬学生に使ってほしいですか。

 

木元先生
 幅広い時期で使っていただけると思います。
 まず、薬理学を学び始めた薬学生なら、講義の復習として使えます。
 CBT対策では、重要な知識が身についているかを確認するために使えます。
 実務実習の前後には、これまで学んだ薬理を短時間で復習することもできます。
 そして6年生の国家試験対策では、苦手分野の確認や、直前期の総復習にも使えます。
 一問一答形式なので、まとまった時間が取れないときでも取り組みやすいと思います。
 電車での移動時間や、授業の合間などに数ページだけ進める、といった使い方もできます。

 

まずは1周。そして「間違えた問題」を中心に繰り返す

編集担当O
具体的な使い方のおすすめはありますか。

 

木元先生
 最初からすべてを完璧に解こうとしなくて大丈夫です。まずは1周してみて、「できる問題」と「できない問題」を分けてください。
 そして、間違えた問題を中心に2周目、3周目と繰り返していく。
 重要なのは、「全部を同じ回数だけ解く」ことではなく、「自分ができないところに時間を使う」ことです。
 また、『薬単』と併用する場合は、問題を間違えたときに答えだけを覚えるのではなく、『薬単』に戻って関連する薬をまとめて確認してみてください。
 1つの薬を覚えるだけではなく、「同じ薬効群にはどんな薬があるのか」「何が違うのか」を確認すると、知識がつながっていきます。




「薬理が苦手」を得点源に変えるために

編集担当O
最後に、『薬問』を手に取る薬学生のみなさんへメッセージをお願いします。

 

木元先生
 薬理学は、覚えることが多く、苦手意識を持っている薬学生も多い科目だと思います。
 しかし、重要なポイントを整理し、繰り返し確認していけば、薬理は得点源にすることができる科目でもあります。
「覚える」→「解く」→「間違いを確認する」→「もう一度覚える」
この繰り返しで、知識は少しずつ確実なものになっていきます。
 『薬問』は単独でも使える問題集ですが、より効率よく学習したい方には、ぜひ『薬単』と一緒に使ってほしいですね。
 『薬単』で知識を整理し、『薬問』で確認する。この2冊を往復しながら学習することで、「知っている」という状態から、「国家試験で答えられる」という状態へ進んでもらえたらと思います。
 『薬問』と『薬単』が、薬学生のみなさんの毎日の学習を支え、国家試験合格につながる力になれば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。

 

『薬問』&『薬単』で、知識を得点力へ

木元先生
「覚える」→「解く」→「間違いを確認する」→「もう一度覚える」
このサイクルを何度も繰り返すことが重要です。
 『薬学生のための薬単 試験にでる医薬品暗記帳』は、国家試験で重要となる医薬品の知識を整理し、理解を伴った暗記をサポートする一冊として編集しました。
 そして、『薬問 薬剤師国家試験のための薬理 一問一答問題集』は、その知識が本当に身についているかを確認し、試験で答えられる力へとつなげる一冊です。
 『薬単』でインプット。『薬問』でアウトプット。
 姉妹書を行き来しながら、薬理をぜひ「得点源」へ変えていただければと思います。




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本書『薬問』は、薬剤師国家試験対策に最適な一問一答形式の問題集です。収録問題は薬剤師国家試験の過去問をもとに、頻出事項や近年の出題傾向を踏まえて厳選しています。さらに長年出題されていない内容は見直し、実践問題は要点を押さえた短文問題へ再構成しました。解説は簡潔にまとめ、重要事項は赤字(赤シート対応)で強調するなど、効率よく復習できる工夫を随所に盛り込んでいます。『薬問』単独でも知識の確認から試験直前の総復習まで幅広く活用できますが、より学習効果を高めるためには『薬単』(薬学生のための薬単 2026年4月刊)との併用もおすすめです。『薬単』で整理した知識を『薬問』でアウトプットすることで、知識を確実な得点力へとつなげます。(※本書に赤シートは付属していません。)

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木元 貴祥(きもと たかよし)

株式会社PASSMED代表取締役。
全国の大学や専門学校で講義を行う傍ら、新薬情報オンライン薬学生プレミアなどのWEBサービスも展開している。
主な著書には『イラストでつながる薬のはたらき』(KADOKAWA)、『薬の使い分けがわかる! ナースのメモ帳』(メディカ出版)、『新薬情報オフライン』(金芳堂)、『知らないと絶対損する! 薬剤師のためのお金(マネー)の強化書』(じほう)がある。

@passmed_kimoto

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