2026.03.26

薬剤師必見!気象病とは?主な症状と原因を解説

気象病とは

気象病とは

「気象病」・「天気痛」をご存じだろうか?
一般にも広く認知されてきているので、薬局店頭などで気象病の人に応対した経験のある薬剤師や、自身が気象病という薬剤師も多いのではないかと思う。
ここ2~3年で、ネットやテレビなどのメディアだけでなく、耳鼻咽喉科や製薬メーカーサイトでも特集・特設サイトが多く設けられているので、読んだことがある人も多いのではないだろうか。

気象病とは具体的にどんな病気?

気象病は、一言でいえば、気象の変化により引き起こされる体調不良全般を指す。
そして、正式な医学用語ではない。
そのため、医学的な定義などは不明だが、その特徴は大きく以下の2つに分けられるようだ。
①気象の変化により惹起される体調不良:頭痛、めまい、耳なり、肩こりなど
②もともとの持病の悪化:喘息、慢性痛(関節リウマチ、片頭痛などの頭痛、関節痛、腰痛、線維筋痛症など)うつ病・パニック障害など

①は、近年注目されているいわゆる「天気痛」や「寒暖差アレルギー(正式名は血管運動性鼻炎)」などで、②は「気象病」そのものというよりかは、疾患の増悪因子として以前から各領域において認知されているものである。
特に喘息では、小児、成人のガイドライン1)、2)ともに、台風などの気圧の変化を含む気象(変化)を増悪の危険因子として記載している。

気象病はなぜ起こるのか?

気象病の主たる原因は、気象の変化による交感神経・副交感神経のバランスの乱れ、いわゆる自律神経の調整がうまくいかないことによると考えられている。

では、なぜ気象の変化が自律神経に影響を及ぼすのか?
内耳には、皆さんご存知の三半規管と耳石器などからなる前庭器があり、その前庭器がセンサーのように気圧の変化を察知し、その変化を前庭神経が脳に伝達すると考えられている3)
気象病の人は、敏感に気圧の変動を察知するため、気圧を含む気象の変化により、前庭神経から伝達された平衡感覚と、その他の視覚や深部感覚(運動感覚、位置感覚、振動感覚)などからの情報との差異が脳中枢での情報処理の際に混乱を来し、交感神経と副交感神経、いわゆる自律神経のバランスが乱れ、頭痛やめまい、神経性疼痛障害の既往疾患の悪化など、さまざまな症状を引き起こすと考えられている3)

患者さんにも聞いてみよう

喘息や関節リウマチ、片頭痛、その他の慢性痛、精神疾患などのある患者さんでは、天気が悪くなると症状が悪化すると感じている人もいると思われる。
気象病の人は、天気が悪くなると具合が悪くなるのは仕方がないと受け止め、わざわざ話すことでもないと思っている人も多い。

気象病の頭痛を片頭痛と思っている患者さんや、慢性痛がさらにひどくなる患者さんも潜在的には多いと思われる。
気象の変化による不調であれば、ある程度パターンがあるはずなので、患者さんといつ具合が悪いのか一緒に確認してみるとよいだろう。
自分の不調パターンがみえてくれば、患者さん自身も心構えができ、喘息患者であれば台風や長雨などの時期に薬を手元に置くなど、対応も可能となる。

引用文献

  • 1)喘息予防・管理ガイドライン2024」作成委員:喘息予防・管理ガイドライン2024(日本アレルギー学会喘息予防管理ガイドライン2024WG・監),協和企画,2024
  • 2)日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023(滝沢琢己,他・監),協和企画,2023
  • 3)佐藤 純:気象変化と痛み.Spinal Surgery,29(2)153-156, 2015

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