薬剤師必見!天気痛とは?天気痛への対策からアレルギーとの関係まで

天気痛とは
気象病の中で、最もよくみられる症状の一つが天気痛だろう。
天気痛はときに、めまいを伴う頭痛で、気圧の変化が原因となる。
天気痛あるあるに、「理由がわからないけど頭が痛いなぁ」と思っていると雨が降ってきて、「あ、天気痛だったのか」とわかる、というのがある。
天気痛がどの程度痛いのかは個人差だけでなく、固体内差もあり、その時々で違い、そこはかとなく痛いときもあれば、鎮痛薬を飲んでも全く治まらないときもある。
天気痛への対策

ズバリ、意識しすぎない。
天気痛がある人はよく経験していると思うが、痛みが軽いときは、他に集中することがあると痛みが紛れ、気にならなくなることも多い。あくまでも経験則ではあるが、頭痛は「頭痛がしているかも」と思うとどんどん痛みが増すこともあるので、あまり意識しすぎないことも悪化させないコツの一つである。周囲の天気痛持ちに聞くと、同じように気にしないようにすることでやり過ごしている人が散見された。
個人的には、ものを考えられないほど痛いときには鎮痛薬を頓服するが、人によっては、少しでも頭痛がすると鎮痛薬を服薬する人もいる。月に10回以上の鎮痛薬の服薬が受診の目安といわれている。
1)発現パターンを把握する
天気痛をやり過ごすにも、どのようにして頭痛やめまいが引き起こされるかの条件は個人差があるため、自分が痛いと思う日のパターンを知ることが対策の第一歩となる。
雨が降る前に痛い人、雨が降っているときに痛い人など、人によってもいつ痛くなるのかは異なる。いつ痛いのかを把握しておくことで、自分のパターンがみえ、天気痛なのか、違う要因なのかの判断ができるようになる。
2)晴れていてもやってくる天気痛
晴れていても頭痛やめまいがすることはよくある。そのようなときは天気図を確認するとよい。
遠くにいる台風の影響で頭痛が起きる人は少なくないが、台風以外の低気圧でも天気痛の原因となるので、注意が必要である。
個人的には1、500km圏内で、1,000hPa未満の低気圧が35km/hr以上の速さで移動する、または台風がいるなどの条件でも頭痛やめまいが起こることがわかってきた。
3)微気圧変動
低気圧が近づいてくる際の気圧変化のなかに、0.5hPa以下の微小な気圧の変動である「微気圧変動」というものがある。
この微気圧変動の気圧の波形は、気圧が小刻みに変化するため、なめらかな線ではなく、ギザギザとした鋭角な波線で描かれ、一目で気圧が安定していないことがわかる。
この微小な気圧の変化により頭痛やめまいを起こす人もいる。
4)頭痛薬などによる対応
医療機関を受診した場合、天気痛の治療では、頭痛には鎮痛薬を、めまいには五苓散などの漢方薬や抗めまい薬が処方される。
最も注意すべきは、受診せずにOTC薬の鎮痛薬を漫然と使用することである。
頭痛薬を購入する人には、月に10回以上服用するような場合は、一度、頭痛外来などを受診すると良いこと、また、副作用として消化器症状が有名だが、NSAIDsは漫然と服用し続けることによる腎機能低下の可能性1)にも注意が必要であることなどを、薬剤師は説明すると良いだろう。
アレルギーと天気痛

気象病よるめまいと天気痛で耳鼻咽喉科を受診した際、医師から「スタディは出ていないけれど、気象病のめまいや天気痛を訴える人に、アレルギーのある人が多いといわれていて、実際に診療していても多いと感じる」と言われたことがある。
確かに、内耳で気圧の変化を感知することで、気象病が惹起されるといわれている2)。その一方で、内耳の免疫反応によりめまいや頭痛が誘発されていると考えられてもいる3)。
気象変化により、気管支喘息が悪化するように、内耳でも炎症反応が惹起されるのであれば、アレルギー既往患者に多いのも、道理かもしれない。
天気痛と再現性
天気痛のある者同士でよく話題になるのが「再現性のなさ」である。固体内差があり、台風などの大物や低気圧の移動などによるパターンはみえるものの、頭痛の種類も日によってバラエティに富むため、再現性が低く、仲間内(?)では、正式な疾患となるのは、難しいのではないかと話している。このように、再現性が低いことや、前述のように晴れていても頭痛などが起こる日もあり、自分自身でも何が原因で症状が出ているのかわからない人も多いだろう。
とはいえ、痛いものは痛いし、ふわふわとしためまいを抱えながら階段を下りるのも心許ない。
ひっそりと鎮痛薬や五苓散を購入している人は、こんな天気痛の悩みを抱えているかもしれない。このような人を見かけたら、天気痛かどうか声をかけてみてはいかがだろうか。
天気痛なのか、他の頭痛なのかは判明しないかもしれないが、声がけが受診のきっかけになり、よりよい対処法が見つかるかもしれない。
引用文献
- 1)小茂田昌代・企画・編,日本アカデミック・ディテーリング研究会・編:なるほどと思わせる処方提案の考え方.調剤と情報11月臨時増刊号,2025
- 2)佐藤 純:気象変化と痛み.Spinal Surgery, 29(2)153-156, 2015
- 3)原田 保:内耳の免疫反応について.耳鼻臨床, 補41:175-184, 1991
