精神科医療を理解するための
第1章 精神科薬物療法を理解するにあたって
精神科薬物療法の基本的な考え方
第2章 精神科で使う薬の基礎知識
抗精神病薬
抗うつ薬
抗不安薬・睡眠薬
気分安定薬
認知症治療薬
発達障害治療薬
依存症治療薬
第3章 ツールの活用と実践
等価換算の活用法とピットフォール
アセスメントツールの活用法
減量・減薬の提案とその実践
第4章 ガイドラインに基づく疾患別のポイントと注意点
統合失調症
不安症,強迫症,心的外傷後ストレス障害
うつ病
双極症
認知症
不眠症
神経発達症(発達障害)
第5章 知っておきたい精神保健福祉法
精神科医療をめぐる法制度のあゆみ
精神保健福祉法の概要・制度等
資料編
1.精神薬学会認定薬剤師制度について
2.症例報告の書き方
「精神科医療を理解するための精神科薬物療法テキストブック」の上梓にあたって
この度,「精神科医療を理解するための精神科薬物療法テキストブック」を上梓することとなりました。
約4年前に上梓された「じっくり読めてしっかり身につく 精神科薬物療法ガイド改訂版」は,更にその約4年前に上梓された「パパッと読めてちゃんと身につく 精神科薬物療法ガイド」の改訂版でもあり,「精神科薬物治療の基本的な考え方」を精神科専門医から解説してもらい,そのうえで精神科専門薬剤師を中心に各向精神薬の特徴と使い方について解説しました。そして,改訂版での大きな特徴として,ガイドラインに基づく精神科薬物療法を疾患ごとにそれぞれの薬物治療ガイドラインの作成に関わった精神科医に解説してもらうことで,エビデンスを基にした精神科薬物治療を理解,実施できるように工夫しました。このような初版から改訂版に至る流れを受けて,「精神科医療を理解するための精神科薬物療法テキストブック」が作成されました。
「テキストブック」としたのは教科書としての要素が強くなったためです。本書は,これまで精神科領域で使用されてきた向精神薬と精神科薬物療法の理解に加え,精神科薬物療法の現場,つまり,精神科医療を総合的に理解するために新たに精神保健福祉法に関する解説を加えたことが大きな特徴となっています。これまでも論じられていますが,現在,精神科医療は入院中心の医療から患者さんが地域で自分らしく生活していくための支援を含んだ医療に転換が進んでおり,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」により,精神障害があってもなくても,住みたい場所で安心して自分らしく暮らせる地域を構築することを目指した取組が行われています。このような精神科医療の新たな展開において,入院医療における病棟機能も精神科救急急性期医療病棟・精神科急性期治療病棟と精神科地域包括ケア病棟を中心とした,急性期から早期に地域医療に繋がるための機能に変化してきています。
このような精神科医療の変革において精神科薬物療法は,より効果的で副作用の少ないものとならなければなりません。そして,病院薬剤師も薬局薬剤師も薬物治療を通じて包括的に機能していく必要があります。特に薬局薬剤師の精神科薬物療法と精神科医療における知識の向上は,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」において,精神疾患患者が地域において健康的に自分らしく生活していく為に益々重要となります。本書の活用により,薬剤師が適切な薬物治療を通じて地域包括システムに寄与することを期待します。
2025年8月
公益財団法人住吉偕成会 住吉病院
昭和医科大学薬学部 病院薬剤学講座
昭和医科大学烏山病院
吉尾 隆
| 価格 |
|---|
| SKU |
| 評価 |
| 割引 |
| ベンダー |
| タグ |
| 重さ |
| 在庫 |
| 簡単な説明 |
Description here
Description here