研修医・総合診療医のための

循環器内科ファーストタッチ

¥4,730

●急変対応から慢性疾患の管理のコツまで,この一冊に!
●問診・身体診察・検査のポイントを紹介!
●豊富な画像と患者説明例付きで研修医の頼りになる!

 
循環器疾患をいかに診て、いかに治すか? 緊急を要する病態も紛れ込む循環器領域では、問診、身体診察や検査を駆使することが欠かせません。そこから治療までのポイントを症状・疾患ごとにレクチャーする本書は、研修医や一般内科医に最適な1冊です。循環器内科のプロが実臨床で押さえておきたい点を平易に解説します。
編著
髙橋 尚彦/編
発行日
2025年11月
判型
B6変型判
ページ数
464頁
商品コード
56815
ISBN
9784840756815
カテゴリ
目次

第1章 総論

1 胸痛

2 呼吸困難・労作時息切れ

3 動悸

4 失神

5 浮腫

6 チアノーゼ

 

第2章 心不全

7 急性心不全

8 慢性心不全

 

第3章 虚血性心疾患

9 安定狭心症

10 冠攣縮性狭心症

11 急性冠症候群

 

第4章 不整脈

12 期外収縮

13 発作性上室頻拍

14 心房細動

15 心室頻拍

16 心室細動

17 ブルガダ症候群

18 QT延長症候群

19 洞不全症候群

20 房室ブロック

21 徐脈性心房細動

22 脚ブロック

 

第5章 弁膜症

23 僧帽弁狭窄症

24 僧帽弁閉鎖不全症

25 大動脈弁狭窄症

26 大動脈弁閉鎖不全症

27 三尖弁閉鎖不全症

 

第6章 感染性心内膜炎

28 感染性心内膜炎

 

第7章 心臓腫瘍

29 左房粘液腫

 

第8章 心筋疾患

30 拡張型心筋症

31 肥大型心筋症

32 心アミロイドーシス

33 心臓サルコイドーシス

34 急性心筋炎

35 薬剤性心筋炎

 

第9章 心膜疾患

36 急性心膜炎

37 心タンポナーデ

38 心膜液貯留

39 収縮性心膜炎

 

第10章 先天性心疾患

40 心房中隔欠損症

41 心室中隔欠損症

42 成人期ファロー四徴症

43 Valsalva洞動脈瘤破裂

 

第11章 大動脈疾患

44 大動脈瘤

45 大動脈解離

46 高安動脈炎

 

第12章 末梢動脈疾患

47 末梢動脈疾患

48 急性動脈閉塞症

 

第13章 肺高血圧症

49 肺高血圧症

 

第14章 静脈疾患

50 下肢静脈瘤

51 深部静脈血栓症

 

第15章 血圧異常

52 高血圧症・腎血管性高血圧

53 低血圧症

序文

 本書は,主に初期研修医をはじめとする若い医師の皆さんを対象に執筆しました。

 医療における“ファーストタッチ”とは,患者さんを最初に診察し,初期対応を行うことを指します。循環器疾患においてこの“ファーストタッチ”は,その患者さんの予後を大きく左右する点で極めて重要です。なぜなら,急性冠症候群をはじめとして,緊急対応を要する疾患が数多く存在するからです。

 例えば,胸痛を訴える患者さんが救急搬送された場合,いくつかの鑑別診断を念頭に置きながら身体診察を行い,並行して必要な検査を進めます。12誘導心電図でST上昇が認められれば急性心筋梗塞を強く疑い,血液検査や心エコー図を経て確定診断に至り,緊急心臓カテーテル検査を行うことになります。しかし,実際の臨床現場は必ずしも典型例ばかりではありません。多様な症例に対応するには,できるだけ多くの“引き出し”をもっておくことが大切です。

 そこで本書では,まず総論(第1章)として主要な症候――胸痛,呼吸困難・息切れ,動悸,失神,浮腫,チアノーゼ――について解説しました。続く各論(第2章)では,循環器領域の主要な46疾患を取り上げています。また,「この患者さんは帰宅可能か,それとも入院が必要か」「ご家族や付き添いの方にどのように説明すべきか」といった,若い医師が悩みやすい場面についても具体例を交えて解説しました。

 本書は分担執筆によるものですが,執筆者はいずれも大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座のメンバーです。私自身がすべての原稿に目を通し,必要に応じて修正をお願いすることで,全体の統一感を心がけました。ぜひ本書を臨床現場に携える一冊として身近に置き,日々の診療で困ったときに活用していただければ幸いです。

 

大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座 教授

髙橋 尚彦