第1章 創薬開発における戦略立案
第1章について
第1節 創薬開発における戦略立案
1 創薬開発における制約要因とリソース
2 開発戦略と目標製品プロファイル
3 後発医薬品(ジェネリック医薬品)の開発戦略
4 バイオ後続品の開発戦略
5 再生医療等製品(Cell and Gene Therapies:
CGT、細胞・遺伝子治療)の開発戦略
第2節 品質リスクマネジメントとQbD(実験計画法含む)
1 品質リスクマネジメント
2 クオリティ・バイ・デザイン
3 実験計画法
第3節 医薬品開発とバリデーション
1 バリデーションの必要性
2 バリデーション、ベリフィケーション、クオリフィケーション
3 製品ライフサイクルを通じたバリデーション
4 バリデーションの種類
5 最後に(「バリデーション」という言葉について)
第4節 医薬品開発における「信頼性の基準」とは
1 「信頼性の基準」適合のための考え方
2 「信頼性の基準」適合のための具体的方法
第5節 カルタヘナ法
1 カルタヘナ法とは
2 概要
3 カルタヘナ法における用語の定義
4 第一種使用等
5 第二種使用等
6 輸出入
7 譲渡
8 申請までの流れ
9 変更
10 トラブル事例
第2章 原薬
第2章について
第1節 宿主細胞とリサーチセル
1 医薬品製造に使われている宿主細胞
2 リサーチセルの構築
第2節 セルバンクシステム
1 セルバンクシステムとは何か
2 セルバンクの作製方法
3 MCB、WCBの試験項目および試験方法
4 MCB、WCBの安定性確認
5 MCB、WCBの保管および管理方法
第3節 培養
1 初期開発
2 プロセス開発
3 培養工程のスケールアップ
4 商用生産に向けた培養工程
第4節 精製(ハーベスト、前処理、精製、原薬調製)
1 生物薬品製造プロセスにおける精製工程
2 開発段階ごとの精製工程開発手順
3 精製工程のスケールアップ
4 精製工程で用いられる技術の科学的説明等
第5節 プロセスバリデーション
1 プロセスバリデーションとは
2 プロセスバリデーションの目的
3 製品ライフサイクルを通じたバリデーション
4 国内規制概要
第6節 原薬の規格及び試験方法開発
1 規格及び試験方法の設定において考慮すべき基本的事項-特性解析
2 分析上の留意点
3 プロセスコントロール
4 原薬の規格及び試験方法設定項目
5 分析法バリデーション
第7節 原材料管理(生物由来原料含む)
1 一般的な原材料等の管理
2 生物由来原材料の管理
3 シングルユース製品の管理
第8節 非臨床試験用被験物質(サンプル)の管理
1 非臨床試験用被験物質の製造工程および
試験方法検討における考慮事項
2 「信頼性の基準」への対応
3 開発段階に応じた製造管理および品質管理
4 非臨床試験用被験物質の種類
5 GLP適合非臨床試験用被験物質の規格及び試験方法
6 治験薬GMPへの移行
第9節 治験薬GMP
1 基本的考え方
2 治験薬GMPの要求事項
3 治験薬GMPの開発段階に応じた対応の具体例
4 治験薬委託製造
第10節 商用生産
1 生物薬品に係る規制等
2 生物薬品の商用生産に関する法的規制・ガイドライン等
3 商用生産における品質確保
4 事業継続計画(BCP)対策
第11節 一般名、INN、化学名または本質、構造、一般特性
1 一般情報
2 構造
3 一般特性
第12創薬ハンドブック 第1巻節 原薬および製剤の安定性試験実施方法
1 安定性試験における原薬と製剤の位置づけ/関係性
2 原薬の安定性試験
3 製剤の安定性試験
4 光安定性試験実施条件
5 開発ステージに応じた安定性試験の実施
6 【参考】製剤の安定性予測(Arrhenius Plot試験)
まえがき
本書シリーズを発行するきっかけになったのは、日本における創薬力、特に新薬の開発に際して実務者が参照しやすい教科書がなく、筆者が創薬支援を行っている際にクライアントの皆さまからも「自分たちで勉強をしたいが、必要な情報はいったいどこに存在するのか?」「非常に幅の広い分野かつ高度な内容を一通り学ぶには、いったいどのようにすればよいのか?」「何年程度で一人前になれるのだろうか?」という相談を受け続けていたことである。また、いくつもの医薬品を上市してきたベテラン開発者のノウハウ、経験を医薬品の創薬に携わる若手の開発者やコンサルタントたちにどのように継承するかという課題もあった。
そこで、これまでにわれわれが行ってきた社内外の教育訓練や研修、講演などの取り組みをもとに検討した結果、創薬における技術および基本的な要素について体系的な教科書をつくり、それを出版物として広く共有することで、日本の創薬力の向上に寄与できればという思いと、次世代の創薬人材を育成する良著として生かしていただきたいという願いにより本書シリーズ企画を進めることとなった。
2015年にネクスレッジ株式会社を創業してから、主としてバイオ医薬品(生物薬品)の開発支援を行い、多くの医薬品を市場にお届けすることができた。そのなかで、再生医療や遺伝子治療、mRNA医薬品などの新しいモダリティが増大し、多様な開発手法や取り組みについての疑問が生じたことによって、成功/失敗経験から得られたノウハウを共有してほしいというニーズが高まってきたと感じている。また、新型コロナの流行などもあり、withコロナ時代のリモートを中心とした開発推進のあり方は、創薬の進め方に大きな影響を与えてきた。21世紀も四半世紀を経過した今、旧来の創薬手法と最新の創薬アプローチについて体系的に整理を行うことは大きく意義のあることであると考える。
また、薬事面では後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質問題に端を発する医薬品の供給不安や申請の不備、GMP運用管理に係るレベルの低下など、医薬品そのもののモノづくりとしての足元が揺らぐような時代となっており、日本の医薬品の安全性、品質について国民の不安が増大している。筆者はGMP運用を支援するNPS株式会社を創業し、GMP運用の確立・改善に悩む各社と一緒に悩み、GMPレベル向上のお手伝いを行いつつ、日本の医薬品産業について危機感を抱くとともに、学びに対するニーズがより高まってきているという現実を見てきた。
一方で日本は少子高齢化社会が急速に進行し、終末期医療費の増大と医療費抑制という政策、そして薬価制度の限界などの薬事行政についても抜本的な見直しが必要な時期が到来しており、医薬品業界はこれから大きな変革期を迎えていくことになると予測している。
これらに関して本書シリーズ後半では、品質とコスト、医療と医薬品といった関係について、立法府である政府サイドから見た創薬の視点で寄稿いただく予定である。
医薬品産業の発展のためには、病に苦しむ患者を救いたいという想いと、卓越した研究者による新しい科学的発見、それを最終的に製品として社会へ供給するための開発戦略や開発薬事における実務的な対応などが必要である。本書シリーズでは今後、それらを網羅的にカバーしていく。
領域横断的な経験・知識を有する弊社のコンサルタント陣および外部の専門家の皆さまとともに本書シリーズを発行できたことを大変うれしく思っており、創薬を行うすべての方々にとって役に立つことを願う。
最後に、本書シリーズの執筆、編纂にご協力いただいたすべての方々に感謝するとともに、
貢献を惜しまず発刊に奮闘したいただいた弊社顧問 足達 聡様、社外の執筆者の皆さま、制作にあたりさまざまな応援をいただきました厚生労働省元事務次官の大島一博様、元大臣官房審議官の吉田易範様、株式会社じほうの皆さまに御礼申し上げたい。本書シリーズが日本の医薬品産業の発展の一助になれば幸いである。
2025年5月
ネクスレッジ株式会社
代表取締役社長 安本 篤史
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