後発医薬品の品質確保と開発ノウハウ

QbDに基づく開発戦略からGMP調査対応まで

¥9,900

●後発医薬品開発・製造・品質確保に必要なすべてがここに!

 
本書は、後発医薬品に携わる多くの開発・製造・品質関連実務者に向けて、品質確保と安定供給に向けた総合的な知見を提供します。QbDをはじめとする科学的根拠に基づいた製剤開発・品質保証の重要性や後発医薬品産業の特徴、技術移転、洗浄バリデーション、CTD申請、GMP適合性調査対応まで幅広い知識をまとめています。
編著
一般社団法人 富山県薬業連合会、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム/編著
発行日
2026年1月
判型
B5判
ページ数
296頁
商品コード
57034
ISBN
9784840757034
カテゴリ
目次

CONTENTS

第1章 日本の医療における後発医薬品の現状と課題
 1.1 日本の医療における後発医薬品の現状と課題

第2章  Quality by Designに基づく後発医薬品開発とその特徴
 2
.1 Quality by Designに基づく後発医薬品開発
 2.2 分析法開発のためのQbD
 2.3 後発医薬品の知財戦略

3章  品質リスクマネジメント(QRM):主観性最小化への取り組み
 3.1 QRMガイドラインにおける形式性と主観性最小化について
 3.2 サクラ錠モックにみる形式性と主観性最小化について

第4章  後発医薬品の製造販売承認申請 −CTD申請への対応
 4.1 後発医薬品の開発−信頼性の基準と申請資料
 4.2 医薬品の製造販売承認申請手続きとCTD
 4.3 後発医薬品CTD申請のポイント
 4.4 承認申請資料に対する照会事項への対応

第5章 後発医薬品製造現場の特徴と課
 5.1 後発医薬品開発における技術移転
 5.2 後発医薬品製造ラインにおける洗浄バリデーション
 5.3 人材教育
 5.4 後発医薬品に係る供給者管理
 5.5 プロセスバリデーション(PV – Process Validation –)
 5.6 安定供給への取り組み

第6章 GMP適合性調査からみた後発医薬品製造
 6.1 査察・適合性調査の歴史
 6.2 GMP適合性調査の法的根拠と実施
 6.3 GMP適合性調査における確認事項
 6.4 GMP適合性調査における指摘事項の例

第7章  後発医薬品開発と医薬品品質システム・品質文化(Quality Culture
 7.1 品質文化(Quality Culture)と医薬品品質保証
 7.2 品質文化(Quality Culture)の現状とコストとの関連
 7.3 品質文化(Quality Culture)と医薬品開発・知識管理

第8章 後発医薬品の展望と
課題
 8.1 後発医薬品産業のあり方,課題と今後への展望


序文

はじめに

 

 2020年以降顕在化した医薬品の品質問題は,現在もなお多くの後発医薬品の供給不足という形で医療に大きな影を落としている。

 後発医薬品の品質問題の多くは,承認書と異なる作業手順などGMP遵守違反に起因するものだが,そもそもの承認書の記載内容に問題が指摘される例も少なからず存在した。この背景には限られた開発期間と人的・資金的リソースの不足があるが,そのような制限の中でも開発製品の品質リスクを可能な限り低減することは可能であり,その際に有効な手段となるのがICHのQ8,Q9,Q10の考え方である。

 製剤設計段階でQuality by Design(QbD)の思想を実践すべく,日本薬剤学会で「製剤処方・プロセスの最適化検討フォーカスグループ」のグループリーダー,サブリーダーを務められた宮嶋勝春氏,および大貫義則氏の指導のもと,「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム (富山くすりコンソ)と富山県薬業連合会が「QbD実習研修会」を2022年に立ち上げた。

 当該研修会は後発医薬品開発におけるさまざまな課題に対して,製剤開発担当者が会社の枠を越えて議論を戦わせる場であり,2026年で4回目を迎える。本書はこの経験を踏まえて当研修会のグループリーダー,講師を中心として編まれたものであり,執筆に際しては,できるだけ現実の後発医薬品開発に役立つものを目指した。

 富山県の製薬企業の特徴として大手製薬企業の受託製造がある。近年,委受託企業間で技術移転時の製品品質に関するリスクコミュニケーションの不完全さが課題となっている*。これは委受託企業間だけの問題ではなく,製剤開発部門から自社内の製造部門への技術移管においても当てはまる。開発過程で製品の品質リスクに関する知識管理が徹底され,製造の現場で作業員の主体的な生産活動が実現できるよう開発品質を製品に作り込むことの重要性が増している。

 本書が読者の方々の開発活動の一助となれば幸いである。

*第52回・2025年度GMP事例研究会

 

2026年1月

一般社団法人富山県薬業連合会

「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム