Part 1 いま薬局・薬剤師に何が起きているのか
1 アベノミクスと社会保障制度改革
日本再興戦略と健康・医療政策
社会保障制度改革国民会議報告
骨太の方針,規制改革会議の方向性
ヘルスケア政策に現れた薬局薬剤師への期待
2 “分業バッシング”の本質
各界から相次ぐ分業批判-「母屋でおかゆ,離れですき焼き」
厚生官僚からの問題提起-「公的資金で賄う自覚を」
マスコミの分業批判-医薬分業に対する理解不足が背景に
分業バッシングをどう受け止めるか-調剤業務の「見える化」が重要
薬局調剤医療費高騰の批判-調剤報酬体系のあり方に問題提起
3 薬局・薬剤師批判は2014年度改定にどのように現れたか
消費税補てん分を除けばマイナス改定
2,500回超・90%超の薬局に調剤基本料の特例措置-特例対象は全体の3%
未妥結減算 大手チェーンは回避に動く
お薬手帳を断れば安くなる 薬局にも形骸化の責任の一端
24時間調剤・在宅体制の意味するもの-地域包括ケア構築への既定路線
「地域包括診療料・加算」の意味-医薬分業否定の「原則院内投薬」
日医総研は院内投薬支援に言及
Part 2 薬局の本質は何か
1 薬局のベースは何か
保険調剤を歪めたものは何か
門前薬局中心の受け入れ態勢になった理由-明治以降に法整備も有名無実で推移
医薬分業推進策で薬局の新興勢力が台頭
哲学よりも方法論先行で処方箋応需
調剤特化によって失った薬局機能-処方箋が薬局への入場券となってしまった
一般用医薬品を扱わない調剤薬局
ドラッグストアの台頭が一般用医薬品離れを助長
コンビニが健康産業に進出
変化に対応できなければ滅びるのみ
薬局は多面的な存在である
あるべき薬局像は示されている
理想のコミュニティファーマシーを目指す動きも
提言1 改めて薬局とは何を提供するところなのか考えよう
提言2 もう一度次世代に必要な薬局像をイメージしよう
2 患者サービスの誤解
スピード重視の調剤業務の弊害
門前薬局・マンツーマン薬局の弊害-薬局はどこを向いているのか
患者がかかりつけ薬局をもたない理由
薬局で働く薬剤師は「医療の担い手」として認識されているか
提言3 患者の薬剤師に対するイメージを変えていこう
3 保険医療と調剤ビジネス
1990年代後半から始まった調剤の“ビジネス”化
“調剤薬局”の誕生そしてチェーン化へ
株式会社の保険調剤には自己規制の視点が求められる
医療提供施設と株式会社
調剤ポイントの危うさ
そもそも薬局に「マーケティング」は存在したか
大手チェーンと地域薬局の発想が同じでいいのか6
保険調剤の右肩上がりは終焉へ
薬局の立地依存を根底から覆す2つの要因
開業医の世代交代も進んでいる
提言4 マーケティング感覚を身につけよう
提言5 処方箋調剤依存から脱却しよう
4 個別指導・監査,突合点検から浮かび上がる医薬分業の実情
保険調剤は公法上の契約
必要な疑義照会をしないケースや初歩的ミスも
突合点検により薬剤師の処方箋チェック力も試される
突合点検で薬剤師から医師への確認の有無が丸見えに
Part 3 薬剤師の基盤は何か
1 処方箋調剤=医薬分業という「錯覚」
医薬分業とは何かを考え直す
薬剤師の専権事項「調剤」に対する誤解
固定観念を打破すべき理由
薬物治療の責任を負うこと
日本型ファーマシューティカルケアとは
対人業務と対物業務
提言6 改めて医薬分業とは何か考えよう
提言7 薬剤師とは何か再確認しよう
提言8 ファーマシューティカルケアを実践しよう
提言9 新たな調剤手順を理解しよう
2 調製行為にこだわる日本の薬剤師
調剤室は安全地帯か
リフィル処方箋は薬剤師の関与が必要不可欠
テクニシャン,調剤マシンの活用をどう考えるか
テクニシャン導入が薬剤師不要論につながる?
テクニシャンで薬剤師の雇用が不安定に?
薬学的知見に基づく指導とは何か
提言10 リフィル処方箋の可能性を考えよう
提言11 薬剤師法第25条の2改正の意味を考えよう
3 疑義照会が医薬分業の根幹
安全確保・適正医療実現に不可欠
薬学的疑義が8割以上
ヒヤリ・ハットでの疑義照会は13%も
疑義照会の怠慢は薬剤師の過失責任
提言12 疑義照会を徹底しよう
4 医薬分業の進行とともに一般用医薬品軽視が始まった
一般用医薬品を「モノ」として軽視する薬剤師
コアカリでも一般用医薬品の記述は希薄
薬剤師の関与を義務化した薬事法改正
医薬品ネット販売の議論は,薬剤師の存在意義が問われたもの
高いハードルが課せられたスイッチOTC薬・検査薬
提言13 医薬品ネット販売が何を象徴しているのか考えよう
提言14 スイッチOTC薬の意味を考えよう
5 薬剤師が求められる情報管理力と判断力
薬歴作成=調剤報酬請求のため,という誤解
お薬手帳のゆくえ
残薬がなぜ発生するのか
提言15 お薬手帳を活用しよう
提言16 薬歴の意味を再確認しよう
提言17 残薬の意味と理由を考えよう
6 「薬剤師的」ものの見方
6年制薬学は「モノを通して人間を見る学問」への転換
報酬改定は政策意図を読み込むことが重要
免許に安住する薬剤師―売り手市場が助長?
将来に危機感を抱く薬学生が変革の原動力に
ゼネラリストとしてのスキルアップが必要
提言18 薬学教育6年制の意味を再確認しよう
提言19 健康長寿社会と薬局・薬剤師の役割を考えよう
提言20 真の医薬分業の完成を目指そう