にっきょくんと学ぶ 「日本薬局方」のこれまで・これから――第4回

こんにちは。僕、にっきょくん。
2026年4月、「第十九改正日本薬局方」が厚生労働省から告示され、7月には普及版もじほうから刊行された。
このコーナーでは、明治時代に初版がつくられた日本薬局方の、現在まで続く長い歴史を、若手編集部員のMさんとともにたどっていくよ。さあ、第4回だ。戦後復興のなかで進められた第六改正を見ていこう。
※前回の記事はこちら(第1回の記事はこちら)


昭和20年(1945年)に第二次世界大戦が終わって、戦後初となる第六改正日本薬局方が公布されたのは、昭和26年(1951年)のことだ。敗戦国となった日本が主権を回復したのはその翌年だから、第六改正は、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の占領統治下で進められたということになるね。従来のドイツ薬局方の方式から米国薬局方(USP)に準拠する方針が打ち出され、USPを参照して作成が行われたんだ1) 。
ちなみに、第五改正までは、司薬場から改称した衛生試験所が原案を作成し、少数の官選委員によって構成された日本薬局方調査会が主導して審議されていたんだ。それが、戦後の第六改正の審議からは、国公立試験研究機関、大学、製薬団体の協力を得て運営されるようになったんだよ1)。
もう一つ、戦時中の大きな関連トピックとしては、昭和13年(1938年)1月に厚生省が新設されている。内務省から衛生局と社会局などを分離させたものだ2)。このときから、日本薬局方の改正に関する審議や調査は、内務省ではなく厚生省の管轄になったんだ。さらに、終戦後の昭和23年(1948年)に薬事法が改正され、次に示す第30条で、厚生大臣が日本薬局方を公布することが示されたんだ。
【旧】薬事法(昭和23年法律第197号)
(医薬品の取扱等に関する規整)
第三十条 厚生大臣は、医薬品の強度、品質及び純度の適正を図るために、薬事委員会の提出する原案に基いて、日本薬局方、国民医薬品集又はこれらの追補を発行し、これを公布しなければならない。
2 公定書に収められた医薬品は、その強度、品質及び純度が公定書で定める基準に適合するものでなければ、これを販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で製造し、輸入し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。




1)医薬品医療機器総合機構:日本薬局方の歴史(https://www.pmda.go.jp/files/000249603.pdf)(2026年9月4日閲覧)
2)厚生労働省:厚生労働省のはじまり(https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shigoto/dl/p03.pdf)(2026年9月4日閲覧)
3)堀岡正義:堀岡正義:第七改正日本薬局方.薬学図書館、6(2):36-38、1961

第十九改正日本薬局方
定価36,300円(本体33,000円+税10%)
医薬品各条は新規27品目、削除3品目で2,072品目に!
日本薬局方は学問・技術の進歩と医療需要に応じ、わが国の医薬品の品質を適正に確保するために必要な規格・基準および標準的試験法等を示す公的規範書です。
今回の第十九改正は5年ぶりの全面改正で、近年の科学技術の進展および医薬品流通等のグローバル化に伴う国際調和に対応するため、全面的な見直しが行われるとともに、多数の医薬品各条等が新規収載されました。
本書は資料編として、本改正に関連する告示・通知のほか、改正事項の趣旨やポイントがわかる事務連絡、技術情報等の資料を網羅し、生薬試験に関する資料や検索に有用なオリジナル索引を収載しています。

第十九改正日本薬局方 医薬品情報 JP DI 2026
定価28,600円(本体26,000円+税10%)
第十九改正日本薬局方医薬品各条(化学薬品、生薬等)収載品目について、その基本的物性情報と医療現場で必要となる臨床情報を収載した医薬品情報書です。各収載品目の構造式を掲載したほか、先発医薬品等の代表的製品名・剤形ごとの後発医薬品有無を一覧で掲載。薬局等に備えるべき必携書としてご活用ください。

第十九改正日本薬局方 医薬品情報 JP DI 2026 セット版
定価38,500円(本体35,000円+税10%)
「第十九改正日本薬局方」に「第十九改正日本薬局方 医薬品情報 JP DI 2026」がついたお得なセット版!
「第十九改正日本薬局方(条文)」と条文だけでは分からない医療現場で必要となる臨床情報を収載した医薬品情報集「第十九改正日本薬局方 医薬品情報 JP DI 2026」のセット版です。

第十九改正日本薬局方 技術情報 JPTI 2026
定価39,600円(本体36,000円+税10%)
新規の一般試験法や参考情報も詳説!
本書は、第十九改正日本薬局方に基づき試験操作を行う際の技術情報として、実測スペクトル値や実測クロマトグラムを帰属等の実測値とともに掲載、新規の一般試験法や参考情報も詳説しています。医薬品各条では、既収載品目に加えて第十八改正以降の新規収載品目の技術情報を掲載したほか、生薬の鏡検写真やTLCなどを掲載したカラーページをより充実させました。