にっきょくんと学ぶ 「日本薬局方」のこれまで・これから――第9回

ごきげんよう! 僕、にっきょくん。
2026年4月、「第十九改正日本薬局方」が厚生労働省から告示され、7月には普及版もじほうから刊行された。
このコーナーでは、明治時代に初版がつくられた日本薬局方の、現在まで続く長い歴史を、若手編集部員のMさんとともにたどっていくよ。さて、第9回だ。前回に引き続き、薬局方の国際調和を見ていこう。
※前回の記事はこちら(第1回の記事はこちら)

でも、調和が困難な部分を明示的に除外するって…? 日米欧の三薬局方の間で調和に至らなかった部分が、パッと見てわかるようになっているのですか?

PDGにおける調和合意に基づいて規定された一般試験法や各条については、各項目の冒頭にその旨が記載されることになっている。一般試験法なら「本試験法は、三薬局方での調和合意に基づき規定した試験法である」となるし(下図)、各条なら「本医薬品各条は、三薬局方での調和合意に基づき規定した医薬品各条である」といった具合だね。
〔第十九改正日本薬局方.p121(一般試験法)、厚生労働省告示第193号、2026年4月10日より〕
それから、調和・非調和事項や独自記載事項などの情報のほか、調和文書の全文も医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウェブサイトで公開されているよ。こちらもチェックしておこう。
試験法:https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0021.html
添加物:https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0020.html
さて、ここまでは、完全調和に至った項目の表示方法だ。一方、部分的調和、つまり項目のなかに調和合意されていない部分(非調和事項)がある場合はもうひと手間、黒い菱形のマーク「◆ ◆」で囲むことにしたんだ。さらに、調和の対象とされた項以外に日本薬局方が独自に規定することとした項(独自記載事項)については、白い菱形「◇ ◇」で囲むことにしたんだよ。
〔第十九改正日本薬局方.p1126(医薬品各条)、厚生労働省告示第193号、2026年4月10日より〕


それからそれから。PDGが平成元年(1989年)に発足して以来、日本では「日米欧三薬局方検討会議」と呼ばれてきたんだけれど、インド薬局方の加入と同時に、「薬局方調和国際会議」と改称されて3)、現在に至っているよ。


そんなわけで、次回はPDG発足の翌年〔平成2年(1990年)〕に組織されたICH(医薬品規制調和国際会議)についてもお話ししよう!
1)Pharmacopoeial Discussion Group (PDG): Working Procedures of the Pharmacopoeial Discussion Group (PDG). Revised version 4, October 2023(https://www.pmda.go.jp/files/000266951.pdf)(Accessed October 1, 2026)
2)医薬品医療機器総合機構:PDGニュース〈仮訳〉 薬局方調和国際会議の成果.2025年9月30日~10月1日(https://www.pmda.go.jp/files/000278143.pdf)(2026年9月17日閲覧)
3)医薬品医療機器総合機構:薬局方の国際調和(https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0005.html)(2026年9月17日閲覧)
4)医薬品医療機器総合機構:ICH 医薬品規制調和国際会議(https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html)(2026年9月17日閲覧)

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医薬品各条は新規27品目、削除3品目で2,072品目に!
日本薬局方は学問・技術の進歩と医療需要に応じ、わが国の医薬品の品質を適正に確保するために必要な規格・基準および標準的試験法等を示す公的規範書です。
今回の第十九改正は5年ぶりの全面改正で、近年の科学技術の進展および医薬品流通等のグローバル化に伴う国際調和に対応するため、全面的な見直しが行われるとともに、多数の医薬品各条等が新規収載されました。
本書は資料編として、本改正に関連する告示・通知のほか、改正事項の趣旨やポイントがわかる事務連絡、技術情報等の資料を網羅し、生薬試験に関する資料や検索に有用なオリジナル索引を収載しています。

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