データインテグリティ対応の大前提!
第1部 CSV の基礎と関連ガイドライン解説
1 CSVに関する各国ガイドライン
1.1 CSVの背景とその目的
1.2 各国等におけるCSV関連ガイドラインとコンピュータ化システム
1.3 米国における代表的なCSV関連の規制と指針
1.4 EUにおけるCSV関連の規制と指針
1.5 CSVからCSAへ −FDAが発出した新ガイダンスとその行方
2 厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」の解説
2.1 厚生労働省「新ガイドライン」検討の経緯
2.2 CSVの取り組みに関するアンケート調査とその結果
2.3 新ガイドラインの検討経緯と改定案の発出
2.4 新ガイドラインとその解説
3 GAMP5の概要
3.1 はじめに
3.2 GAMP4からGAMP5への移行
3.3 GAMP5の構成
3.4 GAMP5「原則と枠組み」の概要
3.5 GAMP5付属資料の概要
4 Annex11 Computerised Systems
4.1 EU GMP Annex11:Computerised Systemsとその背景
4.2 EU GMP Annex11:Computerised Systemsの内容
4.3 PIC/S GMP Annex11 Computerised Systems
4.4 Annex11 改訂ドラフトについて
第2部 CSV Q&A
1 CSVの取り組み(全般)
2 厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」
3 カテゴリ分類
4 供給者アセスメント
5 既存システムのCSV(回顧的CSV)
6 スプレッドシート,PLC等
7 ER/ES,データインテグリティ
第3部 参考資料
1 医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン
2 医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドラインに関する質疑応答集(Q&A)について
はじめに
企業にとってコンピュータ化システムは,経営戦略を実現するための重要なインフラストラクチャである。また,更には個々のシステムがネットワーク化され,これらのシステムが有機的に接続されることにより,社会全体の重要なインフラストラクチャにもなっている。
このようにコンピュータ化システムは,今日では重要な社会インフラではあるが,システムが多様化,複雑化,高度化することに伴いさまざまなリスクも顕在化してきている。
医薬品や医療機器産業においては,コンピュータ化システムが患者の安全,製品の品質,あるいはデータの完全性(データインテグリティ)に影響を与える可能性があることから,コンピュータ化システムの開発・検証あるいは運用管理を定めた厳格な取り組みが求められている。これらの取り組みは「コンピュータ化システムバリデーション(CSV)」と呼ばれ,各国の規制要件にもなっている。
CSVの取り組みは規制当局等から発出されているガイドライン等に適合することが求められている。しかし,これらの規制やガイドラインでは,必ずしも詳細な取り組みや手順が示されていないため,多くの企業は暗中模索して取り組んでいるのが実情である。
また,近年のデータインテグリティ(DI)に対する各国等の要件の多くが,アクセス管理をはじめCSVの要件と重なっていることに気がつくであろう。つまりDIへの適合の基本は,正しいCSVへの対応である。
本書では代表的なガイドライン等を紹介しながら,第一部でCSVの取り組みや手順,そして実例を加えてわかりやすく解説を行った。また第二部では,筆者が20年近くにわたり行ってきた,CSVの講演やコンサルティングを通じていただいた多くの問い合わせの中から,有用と思われる質問に対して実践に即した回答を行うことで,さらに理解を深めていただくよう心掛けた。第一部と第二部,どちらかだけをお読みいただいても理解が進むようにしたため,若干内容に重複している部分もある点はご容赦願いたい。
なお,近年のコンピュータ化システムやソフトウエアツール等の急速な進歩をフォローする形で規制当局等が新たなガイダンスを発出している。第2版ではこれらの重要なガイダンスやGAMP5 の第2版の概説を追記した。まだ,十分な評価に至っていないところもあるが,本書が皆さまの今後の取り組みの参考になれば幸いである。
2026年2月
株式会社シー・キャスト 代表 荻原 健一
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