調剤と情報 2026年2月号(Vol.32 No.2)

【特集】ワクチン接種の機会を逃した世代がリスクを抱え始めたいまだから学びたい HPVと子宮頸がん

¥1,870

●特集 ワクチン接種の機会を逃した世代がリスクを抱え始めたいまだから学びたい HPVと子宮頸がん


企画:宮城 悦子(横浜市立大学附属病院 産婦人科)

子宮頸がんは、HPVの持続感染によって引き起こされる疾患であり、ワクチンによって予防できる数少ないがんの一つです。しかし、2013〜2021年にわたってHPVワクチンの積極的接種勧奨が中止された影響により、1997〜2005年ごろに生まれた多くの若年女性が、接種を受けるべき時期にワクチンを受けられませんでした。この“機会を逃した世代”が20代後半から30代にさしかかる現在、リスクが顕在化しつつあります。
例えば、20代女性の子宮頸がん罹患率はここ10年で増加傾向にあり、国立がん研究センターの統計によると、20代後半の罹患率は2000年代と比べて約1.5倍に上昇しています。また、厚生労働省の報告によれば、2022年度の子宮頸がん検診では20代の精密検査対象者が他年代よりも高く、若年層の異形成・前がん病変の検出が増加している実態があります。
こうした背景のもと、薬局・薬剤師は、HPVワクチンや検診に関する正確な情報提供を行い、受診勧奨や不安への対応といった日常的な支援を通じて、地域住民の行動変容を促す役割が期待されています。
本特集では、HPVと子宮頸がんに関する基礎的な理解から、現在の治療・検診体制、そして薬局での啓発・支援の具体的な実践までを包括的に整理します。“ワクチン接種の機会を逃した世代のリスク”と向き合うこれからの薬局・薬剤師の役割を、読者とともに考えます。

※内容は場合により変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

編著
日本薬剤師会/監修 じほう/編
発行日
2026年2月
判型
A4変型判
ページ数
約130頁
商品コード
94413
目次

【特集】ワクチン接種の機会を逃した世代がリスクを抱え始めたいまだから学びたい HPVと子宮頸がん

 企画:宮城 悦子(横浜市立大学附属病院 産婦人科)

1.(巻頭インサイト)HPVワクチンの効果と接種機会を逃した世代への影響
宮城 悦子
2.(総論1)HPV感染と子宮頸がんのメカニズム
長阪 一憲
3.(総論2)HPVワクチンの効果と“空白の9年”の影響
上田 豊
4.(PickUp)HPVがもたらす男性のがんリスク
——中咽頭がんとの関連と男性へのHPVワクチン接種の必要性
丹生 健一
5.(総論3)子宮頸がんの診断と治療
水島 大一
6.(各論1)子宮頸がん患者の日常生活・妊孕性への影響
宇津木 久仁子
7.(各論2)子宮頸がん検診・HPV検査の重要性
佐治 晴哉
8.(PickUp)子宮頸がん以外のHPV関連がん
小貫 麻美子
9.(各論3)薬局での子宮頸がん啓発と相談対応の実際
湧井 宣行
10.(PickUp)患者視点に想う予防接種・検診の重要性
休井 美郷

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