小児科ファーストタッチ

立ち読み

初期研修医・総合診療医のための

小児科ファーストタッチ

商品コード 51766
編著 岡本 光宏/著
判型 B6変型判
発行日 2019年3月
ページ 428頁
定価(税込) ¥4,320
在庫

facebook twitter

カートに入れる

  • 内容
  • 目次
  • 序文
  • 関連商品

内容

●まずは何をすべきか。どのタイミングで小児科医に相談するか。専門医でないからこそ知ってほしいファーストタッチ

●くどいくらいの総論とシンプルな各論で、わかる“子どもの診かた”

「専門医ではないけど、小児科外来の初期対応くらいは身につけておきたい」そんな風に思ったことはありませんか?

本書は、見落としなく診療を進めるためのファーストタッチのポイントを、気鋭の小児科医が“くどい”ほど丁寧に解説。「発熱と発疹がある場合の鑑別は?」「レントゲンは撮るべき?」「帰宅させても大丈夫? それとも入院?」「処方はどうしよう」「保護者への説明って難しい」…そんな現場の“困った!”を解消する、ポケットにあると安心な1冊。

▲ページの先頭へ

目次

第1章 総論

1.発熱
2.咳嗽・鼻汁・喘鳴
3.腹痛
4.嘔吐・下痢
5.血便
6.頭痛
7.胸痛
8.発疹
9.けいれん
 
第2章 呼吸器
10.上気道炎
11.気管支炎・肺炎
12.細気管支炎
13.クループ
 
第3章 感染症
14.溶連菌感染症
15.アデノウイルス感染症
16.インフルエンザ
17.RSウイルス感染症
18.ヒトメタニューモウイルス感染症
19.手足口病・ヘルパンギーナ
20.ノロウイルス胃腸炎・ロタウイルス胃腸炎
21.突発性発疹
22.伝染性単核球症
23.マイコプラズマ感染症
24.単純ヘルペスウイルス感染症
25.おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
26.水痘
27.百日咳
28.中耳炎
29.伝染性膿痂疹(とびひ)
30.肛門周囲膿瘍
31.化膿性リンパ節炎
 
第4章 消化器
32.ウイルス性胃腸炎
33.細菌性腸炎
34.腸重積症
35.過敏性腸症候群
36.便秘症
 
第5章 神経
37.無菌性髄膜炎
38.細菌性髄膜炎
39.熱性けいれん
40.けいれん重積
41.胃腸炎関連けいれん
42.無熱性けいれん
43.起立性調節障害
44.片頭痛・緊張型頭痛
 
第6章 腎・尿路系
45.尿路感染症
46.急性腎炎
47.ネフローゼ症候群
 
第7章 アレルギー
48.アナフィラキシー
49.食物アレルギー
50.気管支喘息発作・喘息性気管支炎
51.アトピー性皮膚炎・乳児脂漏性皮膚炎
52.多形滲出性紅斑
53.蕁麻疹
 
第8章 外因
54.熱傷
55.頭部打撲
56.異物誤飲
 
第9章 その他
57.川崎病
58.熱源不明熱
59.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
60.IgA血管炎
61.糖尿病性ケトアシドーシス
62.心筋炎
63.小児二次救命処置(PALS)

▲ページの先頭へ

序文

医療崩壊から学んだ教育改革


 兵庫県立柏原病院は、医師不足による医療崩壊を経験した地方基幹病院です。医師不足を解消すべく、柏原病院が2013年に打ち出した施策は教育改革でした。優れた医学教育を提供し続けることで、初期研修医にとって魅力のある病院にしようと取り組みました。

 まず、初期研修医がどのような教育を受けたいのかを調査しました。柏原病院では、初期研修医と指導医が月に1回ミーティングをし、指導医が教えたいこと、初期研修医が学びたいことが一致するように努力しています。そのミーティングの結果、初期研修医の多くが「外来に子どもが来たときに、一人で対応できるようになりたい」と述べました。

 なるほど、それまでの初期研修医に対する小児科教育は「入院患者の担当医として勉強すること」に偏っていました。入院患者は外来患者とは違って、カンファレンスでゆっくり話し合うことができます。教科書や論文を読んで、治療方針を熟考することもできます。問題が起きたときもその都度対応できます。少なくても私は、初期研修医はまず病棟の入院患者から勉強するのが適切だと考えていましたし、私自身もそのような教育を受けてきました。将来小児科医になりたいと考えている初期研修医にとって、この「まずは病棟から」という教育方針は適切かもしれません。病棟診療で経験を積み、ある程度成長して小児科医となってから外来診療を学べばよいでしょう。

 ですが、多くの初期研修医は小児科医にはなりません。彼らは内科医・外科医となることを目指しつつ、2年間のローテーション研修の一つとして小児科を選んでいるだけです。小児科医を目指す初期研修医と、ローテーション研修の一つとして小児科にやってきた初期研修医とでは異なった教育がなされるべきです。小児科医にならない初期研修医にとって、小児科研修は長い医師人生のなかで唯一子どもに特化した教育を受けられる期間なのです。


非小児科医にこそ学んでほしい小児科ファーストタッチ

 将来小児科医になるわけではないけれど、それでも子どもの初期対応くらいは自信をもってできるようになりたい。初期研修医の想いが、柏原病院の研修医ミーティングで明らかになりました。初期研修医は「外来に来た子どもに、まずは何をするべきなのか」というテーマに強い関心をもっています。研修医ミーティングを経て、彼らに必要な教育は入院患者に対する専門的な治療よりも、小児科外来や救急外来における「子どもへのファーストタッチ」であると私は感じるようになりました。最新のエビデンスに基づいた専門的な治療は、小児科専門医が引き継いでから行えばよいのです。

 ファーストタッチというのは、どのような病気を考え、どのような検査と処置を計画し、どうなれば帰宅、どうなれば入院になるかということを頭にしっかり思い浮かべながら、問診と診察と検査をすることです。鑑別疾患を広く考え、見落としなく診療を進めていくことが大切です。そのため、本書では総論をできるだけ詳しく書きました。そして、小児科学の入門書としてわかりやすくなるように、大切なことは何度も繰り返し書きました。小児科学をある程度知っている人には、くどいと感じるかもしれません。ですが、このくどさこそ教育であると思っています。

 いっぽう、小児科研修の後半になって、ある程度診断能力が向上してきたら、鑑別疾患はスムーズに立てられるようになるでしょう。そういう場合は、本書の各論(第2章以降)を外来診療のリソースとして使用してください。各論はポケットリファレンスとして機能するように、シンプルにまとめました。

 入院を要する疾患の治療については簡略に記述しました。これは、入院後の治療をある程度知っておくことで、外来での対応をスムーズに行うことを目指したためです。入院後の詳細な管理のリソースとして、本書は適切ではありません。本書はあくまで「外来に来た小児に対してどのようなファーストタッチを行い、どのタイミングで小児科専門医に相談するか」を目的に書かれています。


「子どもは小児科医が診る」という時代は続かない

 初期研修医が小児科を効率よく研修するためのリソースとして本書は書かれました。これは、初期研修医に優れた医学教育を提供することで、兵庫県立柏原病院に初期研修医が集まり、やがて成長し、その後もきっと病院を支え続けてくれるだろうという計画の中の一つです。教育の成果は実を結び、2018年の基本的臨床能力評価試験において、当院の2年目研修医は391病院中6位という成績でした。柏原病院の研修医数、医師数はともに増加しており、医師不足問題は解決に向かっています。

 小児科医が偏在・不足するなか、子どもへのファーストタッチが小児科医ではないという地域は増えていくと思います。自信をもって子どもへのファーストタッチを行える医師が増えてくれると、私たち小児科医の仕事も楽になります。初期研修医を教育するのは、彼らのためだけではありません。彼らを適切に教育することで、回り回って小児科医である私たちの負担も楽になるはずです。

 小児科専門医ではない医師が、自信をもって子どものファーストタッチができる。くどいくらいに教育的な総論と、シンプルな各論を併せもった本書がその一助となることを願います。本書をとおして、子どもを診ることができる医師になりませんか?

 
2019年2月
兵庫県立柏原病院小児科 医長
岡本 光宏

▲ページの先頭へ


関連商品

  • 小児期発症慢性疾患患者のための 移行支援ガイド
  • 乳腺疾患 画像診断の進め方
  • 女性診療外来マニュアル
  • 乳腺の組織型診断とその病態
  • 人工心肺安全マニュアル
  • アルコール・薬物関連障害の診断・治療ガイドライン
  • 図解 よくわかる消化器内視鏡
  • No Image

▲ページの先頭へ