副作用を診るロジック

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総合診療医がケースで教える

副作用を診るロジック

商品コード 51865
編著 原田 拓/編著
森 玄、前田 真之/企画協力
判型 A5判
発行日 2019年6月
ページ 264頁
定価 ¥3,200 +税
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  • 内容
  • 目次
  • 書評
  • 序文
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内容

●総合診療医の基本テクニックを盗め!
●副作用を診断する医師の思考過程を、薬学的視点でのぞく。
 
「浮腫」、「下痢」、「意識障害」、「嘔気・嘔吐」など15症例をもとに、総合診療医が臨床推論を行いながら診断に至る過程を知り、「症状から挙げられる鑑別疾患」→「副作用を診断するための除外診断」→「副作用の表現形態」を学ぶことによって、副作用に気づくことのできる知識を学べる1冊です。「commonな疾患の臨床像」や「薬物による副作用の典型的パターン」、「鑑別診断のリスト」を理解し用いることで、チーム医療で患者のマネジメントを共有することができます。また、医師×薬剤師によるクロストーク(座談会)も掲載しています。

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目次

1 副作用を考えるための臨床推論はじめの一歩 原田 拓
2 浮腫:全身性疾患を疑いつつ薬の可能性を考える 原田 拓/中田英夫
3 転倒:薬剤性を含めた多因子を評価する 園田健人/原田 拓/中田英夫
4 下痢:5パターンから原因を絞り込む 山田裕揮/原田 拓/関戸匡恵
5 食思不振・体重減少:高齢者であれば積極的に薬剤性を疑おう 松本真一/原田 拓
6 筋力低下:持参薬からは副作用の可能性を考えにくい症例 山田浩平/原田 拓/松山みゆ紀
7 意識障害:低Na血症の多彩な原因を鑑別する 飯塚浩也/原田 拓/中田英夫
8 意識障害:アプローチ方法を確立し、薬剤の可能性を常に考えよ! 坂本 壮/原田 拓/鈴木徹士
9 関節痛:膠原病の疑いから薬剤の可能性までをどう考えるか 原田 拓/小村 誠
10 嘔気・嘔吐:服用開始・増量時期と症状発現との関連を探ろう 本田優希/西郷織江
11 めまい:患者の感じている「めまい」を言語化しよう 原田 拓/服部はるか
12 口内炎:illness scriptを知って非典型的パターンを鑑別する 原田 拓/小村 誠
13 振戦:鑑別に欠かせないのはどんな情報か? 原田 拓/鈴木徹士
14 血小板減少:薬剤性血小板減少症のillness scriptは? 原田 拓/前田真之
15 胸痛:胸部正中の絞扼感で受診した78歳男性 原田 拓/森 玄
16 肝障害:入院中のAST上昇 原田 拓/森 玄

 

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書評

 名郷直樹先生(武蔵国分寺公園クリニック)

 
薬の副作用を扱うのはむつかしい。一人に多数の薬が処方され、さらにはそこへ時々短期間の薬が追加される。添付文書を見るとあらゆる副作用が羅列されていている。何か起きれば、必ず薬の影響を疑わなければいけない。この絶望的な状況に、一つの指針となる書が現れた。
一見すると、多数の著者による共著で、大体こういうたぐいの本はつまらないので、ちょっと心配になる。基盤のコンセプトの共有が意外に困難なのだ。私も共著の本や雑誌の特集を企画したり、一執筆者として参加することもあるが、大体うまくいかない。そんな気持ちで読み始めると、その期待は見事に裏切られる。書名に「ロジック」とあるように、論理がまず冒頭に明快に記述してある。さらに、そのロジックがそれぞれのトピックの著者にきちんと共有されている。たぐいまれな共著による本である。
その基盤中の基盤になっている論理がどうしても紹介したくなったので、そこだけ紹介しておこう。これは薬の副作用に限ったことではないが、臨床推論のアプローチは、「よくある疾患かまれな疾患か」と「典型的か非典型的か」の組み合わせによる4パターンに整理できるとある。このアプローチを知るだけでも本書には価値がある。
実は私自身が薬や医療に限らず、世に起こるすべての事象を4パターンで分析しようとたくらんでいろいろ考えているのだが、ここでも仲間が現れ、大変頼もしい限りである。読者はぜひこの4パターンを常に頭において読み進めるといいと思う。新たな世界が見えてくるかもしれない。
 

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序文

本書の生まれるきっかけは、関東で月1の頻度で開かれる「東京GIMカンファレンス」という勉強会でした。佐田竜一先生(現:天理よろづ相談所病院総合内科)によるACE阻害薬に関する副作用の診断から学びを感じた森玄先生が、薬剤の副作用をメインに診断プロセスを学ぶような連載の企画を思いつかれました。同会を主宰する多摩総合医療センターの綿貫聡先生を通じて、抗うつ薬+メトクロプラミドによるセロトニン症候群やキノロン系抗菌薬によるアキレス腱断裂などの症例を出した私に声をかけてくださったのです。

臨床現場において、副作用の診断はさまざまな点で困難です。器質的疾患の除外をしなくてはいけませんが、現実的にすべての副作用に対して「完全な除外診断」を行うことが難しいうえに、診断のためには必要性があって投与されているはずの薬を中止しなくてはなりません。薬を中止することによって原因が判明するメリットと、薬の効果を享受できなくなるデメリットとを天秤にかけたうえでの臨床判断が要求されるのです。さらに、中止してよくなったからといって薬剤性と決めつけることもできません。薬剤中止で良くなったのか、自然に良くなったのか、同時並行で行ったほかのアクションで改善したのかの判断も行わなくてはいけません。したがって、薬剤性かどうかはまさに「臨床判断」になります。
ここで強調しておきたいのは、副作用の判断は、「ある薬を飲んだ/飲んでいる→Aという症状が出た→添付文書で調べたらAがあった→薬剤性だ」というプロセスは、ともすれば誤診を招きかねないということです。添付文書には多彩な症状が載っておりだいたいの症状はヒットするため、除外診断が十分できないとすぐさま薬剤性の判断となってしまい、濡れ衣を着せてしまうことになります。
では「薬剤性」の判断の妥当性を高めるにはどうすればいいでしょうか? それには、①良くある疾患の臨床像(illness script)を押さえておくこと、②薬剤による有害事象のパターンに習熟しておくことが望ましいと思われます。そのため本書では薬剤の副作用になりうる鑑別疾患のおおまかなillness scriptと症状を起こしうる薬剤の網羅的なリストアップを心がけています。
本書の内容が、臨床の現場において医師・薬剤師を含めたさまざまな診断に関わる医療者にとって薬剤性の副作用を鑑別するための一助となれば幸いです。
 
昭和大学江東豊洲病院総合診療科/獨協医科大学病院総合診療科
原田 拓

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