2019年11月に成立した改正薬機法により、薬剤師・薬局の特定機能として、かかりつけ薬剤師・薬局機能を発揮する「地域連携薬局」と、がんなどの専門的な薬学管理に他医療機関と連携して対応できる「専門医療機関連携薬局」が導入されます。なかでも専門医療機関連携薬局は、学会認定などの専門性の高い薬剤師の配置や専門医療機関の医師・薬剤師と治療方針の共有化、そして地域薬局との服薬情報の共有を要件として求められる見通しとなっていますが、薬局薬剤師の“職能としての専門性とは何か”という疑問に対する明確な答えはまだ出ていません。
そこで本臨時増刊号では、学会認定・専門薬剤師の有資格者や現場の第一線で活躍するエキスパートが薬局薬剤師に必要な専門性について解説します。これからの薬局薬剤師に求められる学術的専門性に加えて、すでに学会認定・専門資格を有する先人たちが専門薬局薬剤師の日常業務について症例を交えて紹介、専門薬局薬剤師の職能的な役割を模索します。さらに、薬局研究の方法についても紹介することで、学会認定・専門資格の主な要件である、①専門知識、②症例サマリ、③学術研究の3点を網羅し、薬局薬剤師の専門性を確立するための1冊となっています。