著書

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「チェルノブイリ診療記」晶文社1900円

チェルノブイリ原発の爆発事故により大変な被害を受けたベラルーシ共和国では、子どもたちの甲状腺がんが激増する。首都ミンスクの国立甲状腺がんセンターでも、すでにその手術は行われていたが、手術方法は古いものだった。この本では、ひどい医療環境や、言葉や風習の違いに戸惑いながらも、自分のため、そして子どもたちのために奮闘する菅谷さんの姿を通して、あまり知られることのなかったチェルノブイリの実状が見えてくる。

「ぼくとチェルノブイリの子どもたちの5年間」ポプラ社980

菅谷さんは甲状腺の専門医として、手術のみならず、そのあとのケアのために訪問診療を始める。ロシア語はあまりうまくなかったが、患者の家を1軒1軒訪ねては、子どもたちの診療や家族の相談に丁寧に応えていく。そんな菅谷さんの親身な医療態度に、病気に悩む子どもたち、そして家族の多くが救われていくのである。この本では、菅谷さんが出会った子どもたちの姿を通して、人が本来持っている優しさに触れることができる。

●「チェルノブイリいのちの記録」晶文社1900

ベラルーシで送った5年半にわたる日々を菅谷さんが日記形式でまとめた一冊。医療支援がどのように進められていったか、現地スタッフとの交流、患者やその家族との心のつながりなどが克明につづられている。また、ベラルーシの日常生活も垣間見られ、現地の人々の暮らしぶりもわかって面白い。汚染された地域で一生を送らなければならない人々、そこに「自分探しのために」ひとり飛び込んだ医師。ここには生きる希望が満ちている。

『真っ当な生き方のススメ』〜自分で人生を変える極意〜 1470

今まであまりスポットが当てられなかったご自身のルーツから、勉学とスポーツに明け暮れた学生時代を経て、腕を磨きつつ甲状腺外科の権威となるまでの道のり、一念発起して信大助教授を辞し、ベラルーシに渡っての5年余に亘る医療活動から、長野県衛生部長時代、松本市長に就任する今日までを貫く、著者自身による運命論的自伝です。

現在の日本の医療、健康、これからの時代をどう生き、どう死んでいくのか。理想的な市民社会を夢見つつ、思う存分に、自分が決めた人生を歩み、お世話になった方々へ恩返しをする謙虚な気持ちを持ち続け、一個の人間として、矜持を忘れず、全力投球する———。いわば人間の本来あるべき「真っ当な」生き方を説いています。新しい一歩は自分からしか踏み出せないこと、運命を運命として能動的に受け入れるために、どういう生き方をすべきなのか。「真っ当」という言葉がこれだけ忘れられ、ないがしろにされている混迷の時代に、一石を投じる人生の指南書ともいうべきものです。

「子どもたちを放射能から守るために」」亜紀書房1,000円

水道のお水は飲ませてもいいですか? 野菜や魚は安全ですか? 放射能を浴びたら、どんな健康被害がでるのですか? 日本で起きてしまったレベル7の原発事故を前に、親たちの心配は限りがありません。大切な子どもたちを放射能から守るために、何をしたらいいのか。 チェルノブイリ原発事故の医療支援をした医師であり、現松本市長が、「放射線を正しく知り、放射能から正しく身を守る」方法を語ります。

「これから100年放射能と付き合うために」亜紀書房1,000

目をそらさない、忘れない。 福島第一原子力発電所の事故から、まもなく1年。 原発は一見落ち着いてきたかのように見えます が、健康被害の実態、食の安全性……まだまだ、 わからないことだらけです。 チェルノブイリ原発事故での5年にわたる医療支 援の経験を活かし、現状の把握や今から自分でき る放射能対策について、菅谷昭さんに再び語って いただきました。 松本市における給食での取り組みや福島支援は、 松本市民のみならず、全国的に注目を集め、お母 さんたちの圧倒的な支持を得ています。

新版 チェルノブイリ診療記福島原発事故への黙示新潮文庫420

チェルノブイリ原発事故の影響で甲状腺ガンになった子どもを助けたい──外科医菅谷昭は、ベラルーシに5年半にわたって滞在。貧弱な医療体制の中で数多くの子どもを救い、その手技は「奇跡のメス」と賞賛された。事故後、子どもたちの身に何が起きたのか。現地で綴った貴重な診療記に福島第一原発事故を受けての警告を加筆した、原発禍を最も深く知る医師による真実のレポート。