健康なんでもサポート!サクッとエビデンス
薬剤師が身近で素朴な疑問をマジメに考えてみた
商品コード |
55320 |
編著 |
桑原 秀徳、青島 周一、山本 雅洋/編
特定非営利活動法人 AHEADMAP/著 |
判型 |
A5判 |
発行日 |
2023年9月 |
ページ |
380頁 |
定価 |
¥3,740(税込) |
在庫 |
|
内容
●「医学的に正しいの?」と思ってもエビデンスを確認する時間がないという方、必見!
●健康に関するその疑問、薬剤師がエビデンスつきで答えます
「疲労回復・二日酔いに効果がある市販薬はありますか?」「空間除菌って効果があるのですか?」「朝食はしっかり食べたほうが良いですか?」「筋トレに効果的な栄養素はありますか?」など、来局者から唐突に投げかけられる健康に関するふとした疑問や、真偽不明の噂。医学的に正しいかどうかは不明だけれど何か答えなくてはいけない……そんな経験はありませんか? 本書は、健康に関する身近で素朴な疑問に対して、薬剤師が一つひとつエビデンスを挙げ、丁寧に確認していきます。
来局者との会話にも使えること間違いなしの情報がてんこ盛り。来局者の健康サポートはもちろん、医療者との円滑なコミュニケーションを図るうえでも、ぜひご活用ください。
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目次
第1章 薬のエビデンス
1 プラセボ効果ってどんなもの?
2 生活習慣病薬はいつまで飲めば良いの?
3 美しくなれる薬はありますか?
4 漢方薬はどれくらい効くものなのですか?
5 疲労回復に効果的な市販薬はありますか?
6 二日酔いに効果的な市販薬はありますか?
7 一番効くかぜ薬はどれですか?
第2章 身近な健康問題のエビデンス
8 アレルギーは治らないものですか?
9 繰り返すこむら返り、何か良い対策はありますか?
10 天気と体調って、関係あるのですか?
1 1 温泉に入り続けると持病は治りますか?
12 お手洗いが近いのですが、何か良い方法はありますか?
13 寝つきが悪いのですが何か良い方法はありますか?
14 便秘がひどいのですが何か良い方法はありますか?
第3章 予防に関するエビデンス
15 運動すれば健康でいられますか?
16 免疫力を高めれば感染症にかかりませんか?
17 食事でカルシウムを摂取すれば、骨折は防げますか?
18 がんになりにくい食事ってあるのでしょうか?
19 ワクチンを打つ意味はありますか?
20 健康診断は定期的に受けたほうが良いですか?
21 認知症は治りませんか?
22 マスクは効果がありますか?
第4章 食事習慣とエビデンス
23 朝食はしっかり食べたほうが良いですか?
24 この健康食品、本当に効果はあるのですか?
25 筋トレに効果的な栄養素はありますか?
26 嗜好品は身体に良くないですか?
27 ダイエットコーラばかり飲んでいると病気になりますか?
28 お酒ばかり飲んでいると病気になりますか?
29 偏った食生活だと病気になりますか?
30 コンビニ弁当ばかりでは不健康ですか?
第5章 生活環境とエビデンス
31 テレビ・スマホ・ゲームばかりでは健康に良くないですか?
32 スマホ育児は親失格ですか?
33 空間除菌って効果があるのですか?
34 こどもは家の中よりも外で遊んだほうが良いですか?
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序文
Googleで情報を検索しても、目の前に広がる風景は、多くの場合で混沌としたウェブの世界です。ところが近年、ChatGPTに代表されるような対話型人工知能(AI)の登場や、その進化によって、情報検索のあり方が大きく変わろうとしています。とはいえ、AIを積極的に活用することで、どんな疑問も「サクッと」解決してくれるような、明確な答えにたどり着けるものなのでしょうか? それは人の生活を本当の意味で豊かにするものなのでしょうか?
経営学者の楠木健さん(一橋ビジネススクール特任教授)は、あるメディアで「人間にできてAIにできないこと、それはセンスが関わる領域の能力だ」と論じておられました1)。AIは合理的で妥当性の高い情報を効率的に生み出すことでしょう。しかし、人の意思決定がもたらす生活の豊かさは、合理的で妥当性の高い「答え」にあるのではなく、情報の取捨選択に関わる「センス」にあります。
洋服にしろ、食べ物にしろ、合理的で妥当性の高いものを与えられたからといって、日常生活が豊かになるわけではないように思います。洋服を選ぶプロセス、食材やメニューを選ぶプロセス……このプロセスこそ、AIが決して真似できない「センスに関わる領域の能力」であり、生活の豊かさの源泉なのです。
本書では、多くの人が一度は気になるであろう、身近な健康や医療に関する疑問について、特定非営利活動法人AHEADMAPの中心メンバーが真面目に、科学的根拠(エビデンス)に基づいて解説や回答を試みました。本文をお読みいただく前に目次を見ていただき、本書で取り扱った疑問をGoogleやChatGPTなどを用いて情報収集してみると良いかもしれません。もちろん、そのまま本文をお読みいただいても良いのですが、まずは自分なりに調べていただくことで、私たちが本書を通して訴えたいメタメッセージ、すなわち情報の取捨選択に関わる「センス」に迫ることができるように思います。
本書を手に取る方が薬剤師であれば、患者さんや他職種とのコミュニケーションの話題に活用していただくことも有意義だと思います。もし、他の医療職や一般の方であれば、薬剤師とはこんな疑問にもこのように答えてくれる存在であることを知っていただけましたら幸いです。身近な健康問題について悩むことがあれば、ぜひとも薬剤師をご活用ください。
また、本書で解説した医療や健康に関する疑問への向き合い方、答え方を学びたいと思われたら、ぜひ当法人の会員となって共に学び合っていきませんか? 私たちはどんな疑問であっても真剣に悩む人に対しては本書のような答え方もできるよう、エビデンスの調べ方、考え方、使い方の理解を深めて広く国民の意思決定を支援することを理念として活動しています。
1)楠木建:「人間にできてAIにできないこと」... それは「センスが関わる領域の能力」だ《デジタルは人間を幸せにしたのか?》【経営学者· 楠木建さんの考え】.週刊現代、2023(https://gendai.media/articles/-/114914)
2023年8月
特定非営利活動法人AHEADMAP共同代表
桑原 秀徳、青島 周一、山本 雅洋
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